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ズルするやつは許さない


今期の月9はちょっと変わったお仕事ドラマだ。刑事ものでも裁判ものでもないが、その両方の面白さを持っている。韓国ドラマでも刑事ものより検事ものが面白いのは、検事さんが警察より優秀で大きな権力を持ち、絶対的な権限を持っているから。有無を言わさない圧を警察にかけている。もちろん警察にも権限がある。逮捕状や捜査令状を見せられたら拒否できない。

そう、書類は大事。水戸黄門の印籠みたいなもの。見せられたら下手に抗えない。


では、捜索や取り調べをする側にそれほど権力や権限がなかったら?受ける側はあの手この手で捜索を拒否するだろう。身に覚えがあればあるほど拒否したい。
公正取引委員会とは、いわばそういうところのようだ。実はドラマを見るまでよく知らなかった。よく聞く名前だけど公務員なの?何をやってる人たちなの?法律の資格が必要なの?
答は、国家公務員で、企業が独占禁止法に触れていないか見張る部署で、法律の勉強もしておいたほうが良い。
難しく考えなくて良い。つまり

ズルするやつは許さない


がモットーだ。このテーマ、私にはとてもよく合う。私もズルするやつは許せない派なので痛快だ。
権力のない非力な公正取引委員会が、悪徳企業や政治家とどう戦っていくのか。ワクワクする。ある意味半沢直樹的なワクワクだ。


下請けイジメとか談合とかマジで腹が立つけれど、世の中はそういうので成り立っているのかも知れない。実はこのドラマを観ていてハッとしたことがある。うちの親戚の花屋さん、結構大きな花屋さんで、奥様は生け花の世界チャンピオンになったことがあり、一時期はカーリー(假屋崎氏)が通ってきていたこともある。10年ほど前までは毎年そこのご夫婦からクリスマスのディナーショーのチケットをいただいていた。お花をおろしているホテルのディナーショーのチケットだった。そう、ドラマさながら取り引き先のホテルから“花を仕入れる見返りに”買わされていたのではないだろうか。いや別にそういうわけじゃなく単純に我が家にチケットを贈るためにわざわざ買ってくれていたのかも知れない。それでも、と思う。地方の都市で開催される、特に人気があるわけでもないディナーショーが満席になるのにはそれなりにカラクリがある気がする。それを当たり前ととるか、仕方ないととるか、違和感を感じるのか。そんなところがドラマ中の勝敗(立証できるかどうか)に関わっている。


この暑い中、登場人物は冬服姿。確かにこれだけの俳優さんを揃えるのはスケジュール的に大変だったのかも知れない。ここしかないタイミングで撮影されたのかも。
最初のエピソードがまさかの3回に渡ってしまいドラマが間延びしてしまった。その時点で視聴をやめた人もいるかも。1話完結でパパッと解決していけると良かったのかも。


主演の杏さんと坂口健太郎さん、そして周りにクセのある人たちがキャスティングされている。まず杏さん演じる白熊ちゃんが坂口健太郎さん演じる小勝負にいつまで翻弄されるのか。白熊ちゃんはここのところ一人で案件を任され多少成長したふうに見えるけど、いつもはキリッとした杏さんがバタバタ失敗続きだったのはある意味面白い。坂口健太郎さんはいつもながらの自由気ままな飄々としたハイスペック男子。

それから、最近はこの人が出てくるだけで場がしまるというかなんかワクワクしちゃう小池栄子さん。真飛さんゲスト回の対決なんてワクワクしたし。小池さんと寺島しのぶさんを同時に観ることができる月9ってのもなんかテンション上がる。どっちかだけでも充分強いのに、2人が揃ってる職場なんか最高じゃん。2人ともめっちゃ権力ありそうだけどなー(無いけど)そして相変わらずな大倉孝二さんに、逞しく成長した加藤清志郎くん。優しい笑顔を顔に貼り付けて悪いことするラスボス・小日向さん、優しそうなだけに逆に怖すぎる。そういう、俳優さんのイメージを含めて観ていくと、なかなか面白いドラマだとは思う。


個人的には“ブツ読み”って言葉、流行らせたい。


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