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「どうぞ」と「どうも」で気持ち良く


職場で、ドアを開けようとしたらまるで自動ドアみたいにドアが開いて中から出て来ようとする同僚とぶつかりそうになることがよくある。たいていの場合「どうぞ」「どうぞ」とお互いに譲り合って、結局どちらかが折れて「ではお先に」となる。


電車とかエレベーターとかだと降りる人が優先、これは常識。
では、お店の入り口はどうだ?例えばレストラン、入る側には『引』、出る側には『押』と書いてあるとする。入ろうとしてドアを引いたら同じタイミングで中から人が出て来る。引いた私は出て来る人が出るまでずっとドアを持って待っている、なんてことはよくある。「すみませーん」なんて言われても、なんか損した気分は拭えない。こういう時のスマートな方法って?私が思うに、出るほうが『押』なのだから、


出たい人がドアを押してまず出る→
入りたい人は出やすいように道を開けて待つ→
出たい人が出終わるタイミングで開けたドアを入りたい人に引き渡す→
入りたい人は力を込めて引かずとも既にドアは開いているので入りやすい


これでどうだ?

自分が出たいほうだとしたら、ぐずぐずせずにサッとドアを押してサッと出て、入りたい人の方にドアをサッと渡したい。入る人だってその方が楽だと思うから。
自分が入りたいほうだとしたら、中から出て来る人を待って、出てきたら入る、これを実践したい。
だって、ドアって引くより押すほうが楽でしょ。これ、理にかなってると思う。

これもまた職場で、2人が普通にすれ違うには少し狭い箇所がある。体を横向きにしてすれ違うか、広いところでどちらかが待つしかない。私はたまに相手を待たせてしまう。「そんなによけてくれなくても通れますけど」と言いたくなるくらいよけて待ってくれて、それが可笑しくて思わず笑顔になってしまう。
1階から2階へ重い荷物を運んでいる時に「持ちましょうか」と声をかけてもらったり、結構向こうのほうから走って来てドアを開けてもらえたり。
いっぱいになったゴミ箱のゴミをビニール袋に集めて周っている時、気づいて自分の足元のゴミ箱を持って袋へと入れてくれ、自分の所だけじゃなくそこから一緒に周って集めるのを手伝ってもらえたり。それに気づいて結構向こうのほうからゴミ箱を持って来てくれて袋へと入れてくれる人が現れたり。

人から思いやられるのは気分が良い。
人を思いやるのも気分が良い。

先日本屋さんに行った時のこと。
私の少し先を一人の男性が本屋さんに入ろうとしていて、本屋さんの中からは中学生くらいの少年が出て来ようとしていた。
まず外にいた男性がドアを引き、中から出て来る少年を待っていた。少年は軽く会釈をしながらドアをすり抜けた。少年と入れ替わりに男性が中に入ったタイミングで今度はその少年が、開いたドアを持ちそのまま開いた状態をキープしている。
そうか、私を待ってくれてるんだ。ナイス、少年!私から少年まで2mくらいだったけど、私は思わず早足になって「ありがとう」と言ってドアを受け取った。少年はこくんとうなづいて去って行った。


なんて気持ちの良い瞬間だ。男性から少年へと「誰かのために」という気持ちが、善意が伝わったかのようだった。良いな、良いな。善意のバトンが繋がっていくのは清々しくて気持ち良い。私は嬉しくなった。


本屋に入ると一緒にいた次女がすかさず、
「今のこと、記事に書いたら?」
と言う。本屋さんに向かう車の中で「最近noteのネタが無い」と話していたところだったから。


記事になるかなぁ?と思ったけど、なりました。
ナイス、少年!


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