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パン屋さんでの戦利品


私のニューノーマルは普段の買い物を週一にしたこと。それによって日常の無駄遣いは少し減った(気がする)。毎日のようにスーパーに行っていた頃は、今必要のないものまでつい買ってしまうというのが日常茶飯事だったが、毎日行かないのであるなら必要ないものを買う機会がない。とはいうものの、コンビニには毎日のように出没しているが。コンビニと言えば、去年の年末に何回かドラマとコンビニスイーツについての記事を書いたが、そのうちの一つがレギュラー商品化された。あの時は売り切れ、売り切れで探しまわってやっと手に入れ、感動しながら食べたシュークリーム。あれがこれからはいつでも手に入る。きっと商品化してほしいの声が沢山あがったのだ。ありがとうコンビニ、ありがとう消費者。


週一の買い出しだが、週一ということで買うものが多い。なので買い出しの荷物運び要員はちゃまだ。つまり私たちは週に一度2人して買い出しに出かける。出かける先は週替わりで3方向、西か南か東。それぞれの方向にお気に入りのスーパーがある。そしてそれぞれの方向にお気に入りのパン屋さんがある。以前はパンにそれほど興味がなかったちゃまだが、最近は何故かトーストをよく食べている。パン屋さんの食パンは美味しいし、最近は“よつ葉バター”を覚えてさらにトーストが食べたくなっている。


今日の買い出しは南方面。この方面にあるパン屋さんは、イートインスペースもある、人気店だ。私が去年シュトーレンを買ったのも、ここ。お昼前に行ったので、まだまだ沢山の種類のパンが選び放題だった。といっても、なんとなくいつも買うものを結局は買ってしまうのだが。


その日、レジに行ってお会計をしている間に目に入ったのが、“パンのみみ”。「ご自由にどうぞ」と書いてある。このお店の食パンはふわふわの柔らかい食パンで、多分スライスするのがとても難しい。いつも買ってるけど、柔らかすぎてカタチが保てないほど。スライスの厚みも、なんとなく統一されてない時もある。それも柔らかさのせいであるので特に気にならない。この、ご自由にどうぞの“パンのみみ”、よく見るとみみとはいっても普通に5枚切りの厚みくらいのものも入っている。みみだけで食パン一斤分はある。これをもらって帰ってどうするか。薄いからトーストしたらカリカリになってそれはそれで美味しそうだし、揚げてお砂糖をまぶすとか、クリスピーピザトースト風にするとか、まあいろんな考えが頭をめぐるも、食パン買っちゃったし、ご自由にと言われて持って帰るような量じゃないのでなんとなく図々しい気がして遠慮してしまう。お会計を済ませてレジに背中を向けたタイミングで、「お客様ー」と声をかけられた。あれ、忘れ物でもしたかと振り返ると、「よかったら、お持ちください」と例のパンのみみを勧められた。勧められたら勧められたで、「結構です」とも言いづらくて「あ、ありがとうございます」とちゃっかりいただいた。


車で待つちゃまにそれを見せて、事の顛末を話したら、ことのほか喜んだ。「今日の晩ご飯、パンのみみで良いよ。」だと‥。パンのみみのおかげで、私はその日晩ご飯を手抜きした。いろいろ考えてふと思いついたのはホットサンド。いつもはサンドウィッチ用の10枚切りとかを使うが、薄いパンのみみがちょうど良さげな気がした。ちょうどとろけるチーズやハム、ベーコンは冷蔵庫にある。やってみるとまさにグッド。みみがカリカリで中のチーズやマヨネーズがトロトロ、あつあつで美味しくできた。ただでもらったものだと思うと余計に美味しい気がした。


これからは、パン屋さんでパンのみみを無料でもらえる場合は遠慮なくいただいて、またホットサンドにしようと誓った夜だった。



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