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家族の風物詩


元旦に、旦那さんの実家を訪れた時の話。
私たち夫婦、長女夫婦、そして次女の5人で年始の挨拶に行った。時刻は午後3時すぎ。家には、義母、義兄夫婦、甥っ子、甥っ子の子ども2人がいた。次女が薄手のコートを羽織っているのを見た義姉が、「コート、脱いだら?」というので次女が「薄いし寒いからこのままで良い」というと「いや、脱いでほしいんだけど。汚いから」と言われた。次女からしてみれば、さっき家を出る前に着て車に乗って来ただけなので「いや、汚くはないんだけど」と言いながらそこで脱ごうとすると、今度は「そこで脱がないで。玄関のとこで脱いできて」とまで言われた。義姉はコロナをとても恐れている。それはわかるが、もっと違う言い方が出来ないものか?私と次女は苦笑いしながら玄関へ上着を脱ぎに行った。

いつもならすぐにお茶とお菓子が出てくるのだが、何故かなかなか出てこない。義姉が何やら台所で1人バタバタしている。しばらく待たされていると、いきなり机にお節料理が並び始めた。すぐに男性陣から「なんで今そんな物を出すんだ」「お茶を出せ」「こんな時間にお節なんか食べられるか」「今食べたら、晩ご飯が食べられなくなるじゃないか」挙句の果てには「非常識だろ」まで言われていた。義姉は「お義母さんがちょっとだけでも食べてもらえって言うから」、義母は「お姉さん(義姉)が昨夜遅くまでかかって用意したんだからちょっとでも食べてあげればいいのに」と言うが、男性陣はそんなこと知ったこっちゃない。容赦なく非難の嵐だった。
私たちはこんな光景見慣れているので、あぁまたか、と思ったが、長女の旦那さんには初めての光景だった。義母宅をお暇して我が家に帰ってきた時に、さっきの光景にビックリしていたことを告白してきた。
私たちは、「あぁ、あれいつものことだから」「風物詩みたいなもんよね」「団体芸よ、団体芸」
長女の旦那さんはなるほど、となった。その後長女が、「これからはそこに加わっていかないと」と言い出して「“お父さん、今日のところは僕に免じてそれくらいにしといてください”くらい言えるようにならないと」って。すぐに私たちは「それ良いね」「できる?」と話に乗っていく。
長女の旦那さんは「できるかなぁ?」なんて笑ってる。

こうやって、少しずつ家族になっていくのかな。

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