見出し画像

ストック家族



我が家の冷蔵庫には一年中麦茶がある。寒い時期も、もちろん温かいお茶も飲むけれど、麦茶も切らさず作り置きしている。喉が渇いた時にキューッと飲むには麦茶が良い。


それとは別に、ペットボトルのお茶も冷やしてある。500ml(最近は600以上入っているものが多いけど)のペットボトルを常時冷やしてある。麦茶は冷水筒に入れているので飲むときにはコップに注がないといけない。この手間を面倒くさがる人がいる。ちゃまだ。

500mlのペットボトルなら冷蔵庫から出してそのまま飲める。麦茶じゃなく緑茶やウーロン茶などいろいろ飲める。日本のスーパーはペットボトル飲料が安くて助かる。もちろん2ℓのペットボトルならもっとコスパが良いのだけど、それをコップで飲むことはしないし、ならば空いた500mlのペットボトルに移し替えて飲めばもっとコスパが良くて節約になるのだけれど、分かっているけれど、そこまではしていない。日本のスーパーはペットボトル飲料が安くて助かっている。


そんなわけで我が家には常時20本ほどのペットボトル飲料を常備している。スーパーに行く「ついでに」5本ずつくらい買い足す。たまに消費量が多かったり買い物に行くタイミングがズレたりしてストックが少なくなると(といってもまだ10本くらいはあるのだけれど)ちゃまがソワソワし始める。

「おい、そろそろお茶買いに行っとかんと。今日行くか?」
と誘ってくる。今日行くかと言われても私は仕事に行く日。

「じゃ、仕事から帰ったら行こう」と返すも、運転するのは私。そして仕事から帰ると家の外でちゃまが待っていたりする。私は汗だくで帰って来たばかりでホントは着替えたかったけど、考えてみたらこのまま行くほうが案外楽かもと思い直す。

「お財布持っとる?」
「持っとるよ」
「じゃ、行くか」

そうして出かけて、その日スーパーで一番安いお茶を買う。買って帰ってストック場所に収めるのはちゃまの仕事。ストックが増えると落ち着くらしい。


我が家で食べるお米は、結婚してこのかた、ずっと義母が買ってくれている。義母が知り合いの農家さんから一年分を買う契約をしているのだ。我が家の米びつのお米が少なくなると義母に連絡する、義母がその農家さんに連絡すると、精米して持って来てくれる。そういうシステムだった。
ところがその農家さんも歳をとったせいで連絡してもすぐに持ってきてもらえないことが増えた。その方の息子さんがいる時でないと持って来てもらえなくなったらしい。それに息子さんだと精米せず玄米のまま持って来るようになり、自分たちで精米しに行かなくてはいけなくなった。精米所に行くのもなかなかの重労働。

「あそこでお米を買うのは今年を最後にしようと思う」と義母。

「今までは無理をお願いして要る分だけ分けて持ってきてもらっていたけど、よそにお願いしたら一年分まとめて引き取らんといけんようになると思う。そうなると一年分のお米を置いとくところはないし‥でもそうなったらお米用の冷蔵庫を買おうと思うんだけど‥アンタほうもお米の冷蔵庫、要る?要るなら買ってあげる」

一応、ちゃまに相談してみますとは言ってみたものの、相談せずとも答えは決まってる。ノーだ。お米用の冷蔵庫なんて絶対「いらない」って言うに決まってる。

義母に冷蔵庫の件を伝えた時、これからはどこでお米を買うつもりか聞かれ、うちは以前ちゃまの知り合いのところでお付き合いでお米を買ったことがあったのでそこで買っても良いし、スーパーで買うのも気軽で良いしと答えた。私はちょっと期待していた。お米は買ってあげられなくなるけど、お米を買うお金はあげると言ってくれることを‥けど、そうは言ってくれなかった。お米用の冷蔵庫は買ってあげると言ったのに、スーパーで買うお米は買ってくれないのだ。
‥価値観の違いってやつ。


義母はとにかく何でもかんでも家にストックがあるのが好きなのだ。以前お刺身をくれた時に我が家がワサビを切らしていると言うと
「倉庫に買い置きがあるから持ってお帰り」
と言われ倉庫を覗いてみたら5つも6つも買い置きしてある、その全てが賞味期限切れだった。それを伝えると、「少々大丈夫よ」と言われたが、私はお断りした。あんなにストックがあって、どれだけお刺身を食べれば消費できるのだろう?

「スーパーに行って安いとつい買っちゃう」と言うが、あんなにあってまだ買っちゃうなんて、と私は苦笑い。


倉庫にはカラシや麺つゆ、トイレットペーパーやティッシュペーパーも山積みだった。
何かあった時には義母宅に行けば困らなさそうだ。

とは言うものの、家にストックしたがるのは遺伝かね?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?