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性別なんて関係なく大事にされちゃってください


先にNetflixで配信されたドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』がテレビ東京で放送されている。女性だけでなく男性も妊娠する世界を舞台に、斎藤工さん演じるヒヤマが男性妊婦いえ妊夫となるお話。男性が妊娠する世界が舞台とはいえ、ここでもまだまだ妊夫は珍しい。妊娠してしまった男性たちはまずは何故自分が?とショックを受けなかなか現実を受け入れられない。


つわりや体の変化(体毛が濃くなったり母乳が出たり)で仕事にも支障が出るし、ヒヤマは独身なのでそもそも産むという選択肢は無い。では中絶する、となると子どもの母親の同意が必要だと言われる。母親(上野樹里さん演じる亜季)に妊娠の事実を告げると、

「それってホントに私の子どもなの?」

これよく男性が女性に言うやつ。それってホントに俺の子なの?男性でも女性でも、望まれない(というか予想してなかった)妊娠をしたらやっぱりこれ言っちゃうんだなって思うとなんだか可笑しい。可笑しいのはこれだけじゃなくて、いつもワイルドな斎藤工さんがどんどん可愛く守ってあげたい存在に見えてくること。適度な運動して、栄養のある物を食べて元気な赤ちゃんを産んでねって応援したくなる。


男性が妊娠するっていう設定が現実的ではないけれど、妊娠に付随するあれこれ、良いことも大変なことも、男性だからとか女性だからとかは関係ない。つわりが激しい人は日常生活や仕事に影響が出る。吐き気を催してトイレに駆け込んだり、熱っぽくてぼーっとしたり、眠気や倦怠感。病気ではないから誰も責めたりしないし、いつか終わる。でも、妊娠以外でこんな状態が続いていろんな支障が出たとしたら、責める人も出てくるかも知れない。だから、ちゃんと周りに知っといてもらうことはとても大事。電車やバスで席を譲ってもらったり、重い荷物を運んじゃダメだし、ナマモノも食べちゃダメ。何より、無理やストレスはダメ。そんなふうに、大事に扱われながら過ごすのが妊娠生活だ。


大事に扱われた妊娠生活が終わっても子どもを産んで終わりじゃない。今度は子どもを産んで育てるということに付随するあれこれがやってくる。そもそも出産はとても大変。あの痛みは何にも喩えられないし一生忘れないくらいの痛さだと、その時は思う。だけど忘れる。忘れてまた2人目を産む時に、あぁそうだったわ、って思い出している。全く、もう。


こんな大変なことを私はよく出来たもんだと、自分を褒めたくなった。


子育てだって大変。お乳をあげるために夜ゆっくり眠れない時期もあるし、離乳食も手がかかるし、子どもが階段から落ちて真っ青!なんてことは無いに越したことはない。(経験者)


ちなみに、妊夫である斎藤工さんの膨らんだお腹が、どうなっているのかわからないけど、とても自然でホンモノっぽい。ドラマではヒヤマは広告マンで、妊夫という、他の人が真似出来ない状況を“強み”にして仕事面でもプライベートでももてはやされていくようだ。最終的に、ヒヤマ自身が「産んで良かった」と言えるドラマだと良いなぁと期待している。


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