春ドラマ、何観ます?
ドラマの初回チェックは、ドラマのテイスティングだ。あらすじとキャストである程度のイメージを持って初回を観る。期待しすぎてハズレちゃったり、それほど期待していなかったのにめちゃくちゃ面白かったり。だから初回って大事。
▼それってパクリじゃないですか
私、芳根京子さんという女優さんが好きです。小柄でピリッとしてて、キャリアウーマンもハマるし、のんびり頼りない役も出来る。このドラマの芳根さんは、その両方を合わせたような役。相手役のジャニーズWESTの重岡くんは、グループ活動では笑顔満開のネアカキャラ、それが本作では終始無表情のエリート。ここ数年の重岡くんはドラマで活躍している。どんな女優さんともしっくりハマるのが意外で不思議。(←とても失礼)脇をかためる常盤貴子さん、ともさかりえさん、朝倉あきさん、そして鎌倉殿で泰時の妻を演じた福地桃子さんなど、女優陣が充実している。常盤さんもともさかさんもものわかりの良い上司で気持ちが良い。企業の知的財産をめぐるお仕事ドラマだが初回のともさかさんのセリフがこのドラマの肝。
『知財の仕事ってね、誰かの作りだした汗と涙の結晶を守ることなのよ』
アツイっ!
▼だが、情熱はある
オードリーの若林正恭さんと南海キャンディーズの山里亮太さんの役を、キンプリとSixTONESの共に最年少メンバーが演じるってことで話題のドラマ。顔が違いすぎて果たしてドラマに集中出来るのか?って思ってたんですけど、全然大丈夫でした。何故かって?それは2人ともかなりご本人たちに寄せてるから。似てる、というか役作りがうまく出来てるというか。話し方とか立ち姿とか。顔は全然違うはずなんですけど、観てると若林くんと山ちゃんに見えてきちゃうから不思議。春日さん役の戸塚純貴さんも実に春日っぽい。“ほぼ実話”ということなので、だとしたらかなり面白い人生を歩んできたんだなって、だからお2人とも独特の笑いのツボを持ってるんだなって納得する。第2回目、山ちゃんの大学の先輩役で、『ブラッシュアップライフ』の加藤が出てきた時には私の頭の中で「粉雪」が流れましたが、これがめちゃくちゃ良い先輩で、芸人になるという夢から目をそらす山ちゃんに「それでいいのか」と後押ししてくれた人。大学を卒業する先輩から山ちゃんへNSCの合格通知が渡され2人で抱き合うシーンには泣けた。先輩、ありがとうぉーー。
アツイっ!
▼Dr.チョコレート
天才外科医が子どもというあり得ない設定の本作。坂口健太郎さんが出てなかったら観なかったかも。なんで子どもが?の疑問は初回でなんとなく解決。とはいえ、あり得ない設定なことには変わりない。だけど観てると、「この子ならホントに手術出来ちゃうんじゃない?」って思えてくるのだ。可憐で聡明なDr.チョコレート役は、東宝シンデレラのオーディションでグランプリを獲得した白山乃愛ちゃん。10歳。本作が女優デビューとは思えない演技と存在感。「年齢なんてただの数字」ってセリフ、良いなあ。坂口さんとのツーショットビジュアルもとても良い。医療行為を行うスタンス(闇医者)は前クールの『Get Ready!』に似ている。報酬は1億円とチョコレート。
アツイっ!
▼おとなりに銀河
NHKといえば“朝ドラ”、この呼称をそのままパクったかのようなドラマ枠がその名も“夜ドラ”。番組表にもちゃんと“夜ドラ”って書いてある。漫画が原作の本作。まず佐野隼斗さんの“普通っぽさ”が◎。漫画家でありシェアハウスの大家さん。家には幼い妹弟(この2人がマジで可愛い)がいて家事全般担っている。そこへアシスタントとしてやってくるのが八木莉可子さん。自分は“流れ星の民の姫”と名乗る。よく分からないけど、そうなのだ。そしてお尻のトゲが佐野さんと繋がって婚姻関係が結ばれてしまう。よく分からないけど、そうなのだ。良いの、良いの。毎日朝ドラと同じ尺で15分、ひとつ屋根の下に暮らす2人の不思議な胸キュンを味わえる。八木さんて、美しさが人間離れしてたまにちょっと怖い。そこが良い。『舞いあがれ』で横恋慕してきた時にはイラっとさせられたけどあの時もあの一途さはちょっと怖かった。姫という立場ゆえ色々と世間知らずな面が多く、それゆえ愛情表現が結構ストレートで観てるこっちが照れるくらい。
あー、アツイっ。(火照る)
▼あなたがしてくれなくても
私は永山瑛太さんのファンなのでこれは無条件で観ます。他は何も期待していなかったのです。ところがです。これ、なかなか良いのです。何が良いかと言いますと、切なさが痛いのです。奈緒さんと岩田剛典さん、同じ会社に勤める2人が共に人には言えない夫婦の悩み、しかも同じ悩みを抱えています。それがわかって2人はまるで“同志”のように、自分たちの失敗談を披露するわけですが、これがまあ切ない。笑いながら喋ってるのが切なくて悲しい。できればこのまま何も無いまま、2人には一線を越えずに同志のままでいて欲しいと願っているのは私だけではないはず。それくらいに2人が純粋でもどかしくて切ないのです。互いのパートナーも実は同じことを考えてて、というのは「それってそんなに大事なの?」ということです。もはや平行線でしょうね。根本が違いますから。とはいうものの、別に夫婦仲が悪いわけではないってとこがなんとも複雑なんですよ。ドラマの挿入歌で『ダンスはうまく踊れない』が流れるんですが、昔めちゃくちゃ売れたそれを今回はB'zの稲葉さんがカバーしています。稲葉さんと言えば以前沢田研二さんの『勝手にしやがれ』のカバーがドラマに使われてたこともありましたね。(蟲の男のドラマでした)さて結局瑛太さんはあの人と一線を越えちゃうんでしょうか?
あー、火照る。(更年期?!)
*ちなみに、らんまん、教場、ラストマン、ペンディングトレイン、合理的にありえない、波よ聞いてくれ、ケイジとケンジ時々ハンジ‥等テイスティング済み。今期も結構観てます。てへっ!