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今すぐやめて!「手打ち」「自動文字起こし」どっちも非効率な理由

「テロップ 効率化」と検索すると、

①自動文字起こし機能をベースに作る(誤変換だけ修正する)
②手打ちで入力する(タイプ速度を上げるなど)

という、大きくわけて2つの意見を見かけます。

私はもっと効率よくテロップを作れる方法を見つけて以来、どちらもそこまで効率的じゃないことに気がつきました。

その方法はいずれまとめて公開する予定ですが、

「自動文字起こしを使えば便利だよ」
「機能に頼るんじゃなくて、最初から手打ちの方が早いよ」

という二極化に囚われるんじゃなくて、「自分にぴったり合ったやり方を見つけること」が重要だと思うんです。

今回はテロップ作業の効率を上げると言われる、自動文字起こしベース、手打ち、その両方が非効率だという理由をまとめました。


「爆速に作業効率が上がる」に何度も裏切られる

「テロップ入れの効率化」で多くの人がやっている方法、もしくはインフルエンサーやブログ記事で勧められている方法は以下の通りです。

  • Premiere ProやVrewなどの自動文字起こし機能を使う

  • 手打ちで入力する(タイプ速度を上げる)

  • エッセンシャルグラフィックスの効率化テクニック

  • ショートカットキー活用

  • テンプレ活用

  • Photoshop併用 など

色々ありますが、いずれも新旧混じった状態で『爆速に作業効率が上がる!』といった見出しで発信されています。

でもフルテロップ作業に毎日向き合っている側からすると、これって全然「爆速」じゃなくて、基本中の基本というか。

動画編集初心者じゃない限り「知ってるけど…、他にもっと良い方法ないの?」と思う人が多いんじゃないでしょうか。

自動文字起こしで作られた文章を修正し、テロップを完成させることのデメリット

もし、あなたがテロップ入れの効率化について一度でも調べたことがあるなら、「Premiere ProやVrewの自動文字起こし機能を使って、誤変換を直すだけで十分」と既にやっているかもしれませんね。

「映像制作者や映像関連のインフルエンサーが勧めているから効率的だろう」と感じる人もいるはず。

でも、

「思ったほど文字起こし機能が役に立たず、修正が減らない」
「データが大きな動画のテロップを修正する時、動作が不安定になる」

そんな風に感じたことはありませんか?

Premiere ProやVrewの"自動文字起こし機能で作られたテキストを手で修正して、テロップ入れの効率化を図る"のは今すぐ止めるべきです。

理由としては

  • 文字起こしの精度は動画の内容や編集ソフトの性能によって結構変わる

  • 使いにくいところもあって、アプデで改善されるのを待つしかない=自分じゃどうもできない

  • 自動文字起こしは専門用語や方言に対応するのが難しくて、修正に時間を取られると時給が下がっちゃう

  • 自動文字起こしを使うと、編集ソフトが止まることもあるし、ズレや動作の遅れでストレスが溜まる  など

Premiere ProやVrewのような自動文字起こしは手軽で使いやすいけど、精度がまだまだ不十分なので、結局そのままでは使えず、時間をムダにしてしまうんです。

実は私も過去にPremiere Proの自動文字起こしをベースに、誤変換などを直していくことでフルテロップを作っていました。

完成尺10分の場合、最低でも2~3時間かかっていたんです。テロップ以外にもカット、装飾、誤字脱字などをチェックしていたら全体では5時間とか平気でかかるんですよね…。

「もっと効率よく、もっと効率よく…!」と毎日ギリギリでやってる私のような人間からすれば、

嫌な言い方ですけど…、こう思います。

「結局手打ちが一番!」って本当?

だから、

「結局手打ちが一番だ」
「Premiere ProやVrewの自動文字起こし機能を試したけど、間違いを修正するほうが逆に時間がかかる」

という人がたくさんいます。

それに効率化にお金や時間を使うくらいなら、他のことに使いたいって思うのは当然ですし、今までに得た動画編集スキルやタイピングスキルがあれば、手打ちの方が早いって考えるのも分かります。

私もつい最近までそんな感じで、効率化なんてできないと思っていました。

でも…、最初から手打ちするのもそこまで早くならなかったんですよね…。

自己紹介ページで書いていますが、ある時糸が切れちゃいまして。

やっぱり、手作業中心じゃなくてツールに頼ることにしたんです。機械だから融通きかないところをなんとかできないかって模索しました。

実験してみた!

例えばこちらの結果をごらんください。

以下は「東海道新幹線のぞみ号の車内アナウンス(225文字)」です。

原文

これをあるツールを使ってテキスト化すると…

パターンA

ご案内いたします(抜け)、おタバコ(変換違い)、行きかかり院(誤変換)の3箇所と句読点を除いて、ほぼ同じ状態ではありませんか?

しかもこれ3分以内に終わったんです。

最初から手打ちじゃなくてツールを使って文字起こしすると、全部含めて約160秒(2分40秒)でできました。

所要時間

また他のパターンもお見せすると…

原文
パターンB

完璧に近い…!ふ、普通に手打ちより速くないですか?

長文になるとこんなに短時間では終わりませんし、動画の内容でも結果は違いますが、これがどれだけすごいかというと

タイピングの世界では、1分間に40文字タイプできれば実用レベルと言われていますが、

実用レベル 1分間に日本語40文字を正確に入力できる
実務レベル 1分間に日本語60文字を正確に入力できる

タイピングの必要性-毎日パソコン入力コンクール.

先ほどのアナウンス225文字であれば、実用で5分以上、実務で約4分かかることになりますよね。

また160秒で225文字というのは、1分あたり84文字を入力することに相当します。

これはデータ入力を職業にする方のレベルで、一般的な人のタイピングレベルに比べれば速い方です。

タイピングの技能検定などで準1級あたりを持っている方とか、普段から大量の文字をタイプしている方じゃない限り、この文字量を160秒以下でタイピングするのは難しいと思います。

私はこの結果で、「タイピングスキルがそこまでないなら、手打ちにこだわらなくてもいい」と手打ちをやめました。

もちろん、効率化したテロップ入れも手打ちでのテロップ入れも、最終目的である「テロップを入れる」ということでは何も変わりありません。

でも、実際に動画を聞きながら手打ちでテロップを打つと、タイピングが速い人でも時間はかかると思います。

手作業によるテロップ入れの方が細かく正確に対応できるため信頼性が高いですが、手打ちのテロップが必ずしも信頼できるとも限らないですよね?

編集者によっても差があるし、手打ちで納品後の修正が減らないなら、時給が下がっちゃうこともありますよね?

テロップ入れのほとんどは単純作業だから、ツールを使った方が信頼性が上がることもあるんです。

こう考えると、テロップ入れの効率化のためには手打ちは最小限にして、ツールを使ってテロップ入れをする、その重要性を分かって頂けたでしょうか。

「自動文字起こし」にも「手打ち」にも偏らない、「自分が本当に効率が良いと思う方法が見つかる模索すること」が重要です。

効率の良いテロップ入れの方法を二極化に囚われず、試行錯誤するようになったら、メリットばっかりで余裕が生まれたので、このnoteでご紹介した考え方を参考にして頂けると幸いです。

\ テロップ入れ効率化のノウハウ公開しました! /


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