排水処理の効率を上げるハイブリッド法
工場の生産効率向上は、わたしたちの頭を悩ませている課題のひとつ。
そのなかでも排水処理設備は、できるだけ時間やコストを短縮して効率化させたいと考えられている設備のひとつです。
そこで今回は、排水処理の効率化に使えるハイブリッド法をご紹介します。
高圧ポンプのデメリット
排水処理では、さまざまな方法で水を無害化させていきます。
そのなかのひとつに、固形物と液体を分ける(脱水する)フィルタープレス装置があります。
この装置は、いくつものフィルタープレートとフレームで構成されていて、このプレートに高い圧力で排水を打ち込みます。
プレートは布や紙などのフィルター材料で覆われているので、ここを通る排水は、このフィルターでろ過されてから排出されます。
そして固形物はプレートの間に残り、最終的にケーキとして形成されます。
こうしてろ過された排水と固形物をまたそれぞれ処理していくわけですが、この工程で重要なのが、排水を打ち込むポンプです。
使われているのは高い圧力を加える高圧ポンプなのですが、なにごとも長所と短所があります。
こういった高圧ポンプは、高い圧力が加えられる一方、揚水量(送る水の量)が少ないというデメリットがあるのです。
弱みからわかる効率化ののびしろ
もし、排水100Lに対して1時間に10L送れるポンプAと50L送れるポンプBがあったら・・・?
100L÷10Lで10時間かかるポンプAより100L÷50Lのたった2時間で送れるポンプBの方が効率が高いということになります。
【ポンプA】:10L/1時間
作業時間・・・排水100L÷10L=10時間
【ポンプB】:50L/1時間
作業時間・・・排水100L÷50L=2時間←生産効率が高い
でも逆に言えば、高圧ポンプを使っていれば、これだけ効率を上げるのびしろ(余地)がある、ということでもあります。
ハイブリッド法で時間短縮
そこで、効率を上げるために使えるのが遠心渦巻き型ポンプ。
遠心渦巻き型ポンプは、高圧ポンプ(容積型ポンプが多い)に比べて、圧力が弱い代わりに遅れる水の量は大きいという特性をもっています。
つまり、高圧ポンプの高圧力を利用しながら、その弱みである水の量を増やすために遠心渦巻き型ポンプを併用する、というハイブリッド式アプローチを使うということです。
さらに言うと、遠心渦巻き型ポンプは、圧力が低い時には揚水量(送る水の量)が大きく、圧力が高くなると揚水量が小さくなります。
フィルタープレスの初期運転段階で遠心渦巻き型スラリーポンプを使用すればフィルターの抵抗が少ないので、大量の排水を短時間で送り込むことができるようになるということです。
具体的には、全揚程(圧力)が20mのときは、約0.9m3/minの排水をフィルタープレスへ送り込むことができます。
こうして脱水時間を大幅に短縮し、効率を向上させることができる、というわけです。
遠心渦巻き型ポンプで効率アップ
このように、みつわポンプでは排水処理の効率化に貢献できるスラリーポンプをご用意しています。
排水処理ではさまざまな液体が処理されますが、「削れやすいから耐摩耗性が必要」「酸性の液が入るから耐腐食性も必要」などいろいろな液体に対応できるように、高クロム鋳鉄製やゴムライニング製、樹脂製などの材質をそろえています。
排水処理の効率アップにご興味がある方は、ぜひ一度みつわポンプへご相談ください。
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▼3つの材質で変幻自在なスラリーポンプ▼
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