老舗でベンチャー企業を興すとは?-前編-
皆様こんにちは、片岡です。
お陰様で、私が代表を務める三ッ輪ビジネスソリューションズ(MBS)は2019年10月に創業してから3期目をむかえました。
今回は
"老舗企業の中でベンチャーを興すってどういうこと?"
"事業を作るためには何をすればいいの?"
と多くの方からよくご質問いただく内容を記事にしてみました。
MBSの立ち上げについてはこちらでお話しておりますので、是非ご覧ください。
あまり規模は大きくないものの、学生時代の起業経験もありますので、特にやりがいやメリットについてお話できればと思います。
"自分で企業を興す編"・"老舗でベンチャー企業を興す編"として、二部構成でお話いたします。
仕事柄多くの方々とお会いする機会がありますが、"将来、自分でビジネスをやりたい"という方は多くいらっしゃいます。
"自分でビジネスをやりたい"理由として多いのは、“起業を通じて成長し、自分のスキルを広めたい!”、“世の中に貢献できるサービスを生み出したい!”というものがほとんどではないか?と思います。
自分で会社を興してみて、企業は"色々な方の仕事の集大成で成り立っている"ということを肌で感じました。
会社をつくるにあたり、事業内容以外にも、登記する・定款を作る・毎月の請求など、多くの付帯業務が不可欠であることは皆さまもお分かりだと思います。
私は当時、熱量だけは誰にも負けない学生でしたので、“自分で全てやれるわい”とお鼻高々であったのを記憶しています。
しかし実際やってみると、本当に本当に時間とお金があっという間になくなります。
今ならば多種多様なアウトソーシングサービスを活用する選択肢もありますが、時間以外に"お金"も大きな問題です。
自社がどのように、どんな業務をしているか?を明確に把握する必要があります。
創業したては本当に熱量のみで、“なんでもこなしている自分”に満足していたのですが、そこには落とし穴が…
“自分でなんでもこなせること”と“会社の経営がうまく回っていること”は、イコールではなかったのです。
その違いは何かわかりますか? それは“時間の使い方” なんです。
“そんなこと分かってますよ”と思う方も多いと思います。
私も頭では理解しているのです。ですが、突然のクレームや欠員など、予期せぬ出来事が起きるたびに時間もお金もあっという間になくなります。
創業当初は“時代を変えるんだ”、“世界を変えるんだ”と大きな理想を掲げていましたが、いつのまにか“日々の仕事をこなすこと”が目的になってしまっていたのです。
私は当時、小学生から高校生までを対象に“偏差値を30から50にする”をモットーにした個別指導を提供していました。
自分自身の経験も踏まえた上での“偏差値50以上の学生は大手にいきなさい”という映画“ビリギャル”さながらの指導は、当時なぜか本当に喜ばれたものでした。
そもそもこのサービスを提供したいと思ったのは、当時私が塾で講師のアルバイトをしていた時でした。
"成績がいい生徒が「良い高校」に行くこと"が最大のPRポイントであったその塾で、偏差値が低い生徒に対しての指導に疑問を持つことが多々ありました。
「良い高校」への進学を目標にするのではなく、平均値くらいまで成績をあげることで、学生自身が“自分がこれ以上伸びたいのか?”をジャッジできるようになれば…と思っていました。
そこに理解のない大人や企業はダメだ!と勝手に定義付けをして、“なら自分でやったるわい”と思ったことが起業の理由です。
ですが実際に経営してみると、塾側から多くの助けを得ていたことが身に染みてわかりました。
まずは場所が必要。教材・文房具・コピー機・デスク等の設備の用意。電話対応・模試の手配・フォーマットの準備。揃えるだけであれよあれよと時間が過ぎ、準備だけでヘトヘトに。
そんなことも言っていられず授業は始まり、そうこうしているうちに月末が来て…時間がいくらあっても足りず、あっという間に自転車操業になってしまいました。
正直、読んでくださっている方々からしたら大した経験ではないかもしれません。
“自分でやりたい”という気持ちはとても大切で尊重されるべきものですが、今自分が仕事を出来ているのは“多くの方々の助けや、積み上げてきたものがあってこそ”ということは、改めて認識してもよいかもしれません。
自己分析をされている方もかなり増えてきていると思いますが、私は“自身の業務の分析”から大切なことを学ぶことができました。
ベンチャーが忙しいというイメージは間違っていないと思います。ですが、“なんで忙しいんだ?”という疑問から“時間の使い方”を少し考えることで視界が開けることもあるかもしれません。ぜひ試してみてください。
…と書きつつ、まだまだ自分も時間の使い方があまり上手くないな!というオチなんですが…
当時“本当に自分じゃなきゃ出来ないのか?”、“誰のおかげで今があるのか?”は、は全く考えることができていなかったと思います。
もし当時からその視点があったら、自分がいた塾で新サービスを立案し、周りを巻き込む選択をしていたかもしれません。
つらつらと書きましたが、この経験を踏まえ、次回は“なぜ老舗企業でベンチャーを興すに至ったか?”についてお話したいと思います。
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