KENTARO MITSUURA|光浦健太郎

光浦醸造代表。http://mitsuura.jp/ ローカル零細メーカーとしての仕事…

KENTARO MITSUURA|光浦健太郎

光浦醸造代表。http://mitsuura.jp/ ローカル零細メーカーとしての仕事観や地方生活での所感を綴り地方の活性化に貢献できればと思ってます。山口県防府市在住 1977生

最近の記事

特許がとれた!小学3年生の自由研究から生まれたストローの話

(はじめに) これは小学3年生だった娘が夏休みの自由研究でシート製のストローを開発し、その後特許査定をもらうまでの2年間のお話です。8000文字以上と長いのでお時間がある時にでも。 自由研究の始まり2019年の夏休みも中盤に差しかかってきたころ、当時小学3年生だった娘の更紗(さらさ)は自由研究のネタを探していた。前年の「貝と砂浜のかんけい」で山口県の科学作品展まで行き、今年はもっと上を目指すと張り切っていたのだ。優柔不断な更紗はなかなかテーマが決まらなかったが、「ストローの

    • PB(パクるための正当な企業努力)VS

      先日、あるメーカーから「取扱店から取引終了宣言を受けた途端、そのお店のPBで類似商品がつくられていた。」という相談を受けた。正直、それは初めて聞いた話ではなく、似たような話は過去にも何度かあった。 光浦醸造のメイン商品となった「フロートレモンティー」はいろんなお店で取り扱っていただいているけど、取引量が増え始めて依存度が高くなった途端、そのお店のPBとして類似品がつくられ始めて取り扱いが終了〜、なんてことは当然起こり得ると思っているし、その覚悟はある。 「売れそうな商品を

      • コロナメモ

        昨夜、39県で緊急事態宣言が解除され、山口県でも今日から新たな日常がスタートした。全然心は落ち着かないけども、底なしだと思っていた泥沼の底に足がつき、もう一度踏ん張ればこの泥沼から這い上がっていけそうな希望が見えてきた。 おそらく数十年に一度の危機(であろう)の最中に感じたことを忘れないようにメモしておこうと、一年ぶりにnoteを開いて書いてみた。 とりとめもない話です。 ショック時に毎回浮き彫りになる自分のビジネスモデル今回のコロナショックにより自分の商売の仕組みの欠

        • 素人がアジアのデザイン賞TOPAWARDS ASIAを受賞した話

          [ Vol.011 ](2367文字) TOPAWARDS ASIAを受賞しました! なんと!光浦醸造の甘酒シリーズがアジアで唯一のパッケージデザイン賞であるTopawards Asiaを受賞しました! Topawards Asia    https://www.topawardsasia.com/ Topawards Asiaについて Topawards Asia はグローバルに活躍されているデザインプロフェッショナルを審査員に迎え、アジア内の優れたパッケージデザイ

        特許がとれた!小学3年生の自由研究から生まれたストローの話

          ”デザイナーたち”から学ぶメーカーのこれからについて

          [ Vol.010 ](9992文字) 最近、”デザイナーたち”がメーカーになってきている最近、ここ10年くらいで”デザイナーたち”がメーカーになってきていることが多いとぼくは感じています。 正直それはまだ今までのメーカーを脅かすほどの生産量は備えていないことが多いのでローカルでのんびりメーカーをしていたりスーパー相手の商売をしているとこの状況に気が付きにくいのだろうけどこの流れは実は深刻だと思っていて、古いやり方を続けているメーカーには状況によっては将来的に存続の危機にな

          ”デザイナーたち”から学ぶメーカーのこれからについて

          出来杉くんじゃキャラが立たない話

          [ Vol.009 ](1437文字) 先日、福岡へ向かう高速ドライブ中に助手席で娘がドラえもんの面白さや疑問について熱心に語り出した。 この前、のび太がこんな道具であんな大失敗をしたとか、もしあの道具が本当にあったらこんなことが出来るのにとか、しずかちゃんは焼き芋が大好きなのに何でそれが恥ずかしいのか?とか、スネ夫は何であんなにお金持ちで何でそれをあんなに見せつけてくるのか?などなど。 8歳の娘は同じ話を何度もリピートして観たりするくらいドラえもんが大好きなんだけど、

          出来杉くんじゃキャラが立たない話

          10回中10回失敗しても前に進む方法

          [ Vol.008 ] (2001文字) 2019年あけましておめでとうございます。亀のような歩みのnoteですが今年も少しずつ更新していきますのでよろしくお願いいたします。 チャレンジし続けることにチャレンジしよう。さて、2019年の目標・・というよりこれから先もずっとやっていくべきこととして「新しいことにチャレンジし続ける。」ということを考えています。 ベタなフレーズだけれどもやっぱりそこが大事だし、それは年齢とともに意識しないとやらなくなるからこそ、言葉にしておきた

          10回中10回失敗しても前に進む方法

          インターネットと楽譜と活版印刷

          [ Vol.007 ] (2659文字) 以前、Voicyのサウザーラジオ(第63話、64話)を聞いて、なるほどね~と目から鱗が落ち、その後ぼくが誰かと出会ってインターネットの話をするときにいかにも自分が考えたかのように話してたドヤネタ笑があります。 それは、今のインターネットにおける時代の変遷は、数百年前に活版印刷が生まれた時代の状況とよく似ているという事。 簡単にまとめると、活版印刷という技術が生まれるまで聖書はカトリックの一部の人たちだけが正しい内容を知っていて、

          インターネットと楽譜と活版印刷

          山口県防府市の地域ブランドについて

          [ Vol.006 ] (4693文字) どこの地域でもあるのだろうけど、わがまち山口県防府市にもご当地キャラと地域ブランドロゴがあります。 ぶっちーくん、、、 熊本県のくまモンが流行ってから色んな地域でご当地キャラが生まれた時期がありましたが、防府市もかなり乗り遅れて2013年12月にこの「ぶっちー」というご当地キャラが発表されました。 正直初めて見たときには愕然としました、「やっちまったなぁ」って。 くまモンは、水野学さんと小山 薫堂さんが先頭に立ち、県の職員た

          山口県防府市の地域ブランドについて

          Uターンで失敗しないために

          [ Vol.005 ] (3305文字) 前回の投稿で若い人たちが地方に戻ってこない理由として 1.地方に受け入れてくれる雇用の受け皿がない 2.都会の方が面白い ⇔ 地方が面白くない 3.都会の方が便利 ⇔ 地方が不便 4.地方の慣習が嫌 ということを挙げましたが、それぞれの問題について次のような解決策を考えてみました。 1.受け皿を探さずに自分の力で生きるビジネスモデルを持つ。 2.年に2〜3回は無理やりでも東京や海外に行く。 3.(ハー)ド田舎に住まない。 4.

          Uターンで失敗しないために

          なぜ若者は地方に戻らないのか?

          [ Vol.004 ] (1995文字) noteを初めて3日連続投稿してその後10日以上更新しないという、見事な3日坊主っぷりに我ながら感心しています笑。 さっき過去の自分の投稿を読み返してみたら長い文章は読むのが疲れるし面白くないので、これから長い文章の時は最初に文字数を表示します。3000字以上の場合は苦痛になるのでよっぽど暇なとき以外は流してください。。。 10月27日、山口の暮らしと仕事の魅力を学ぶ「YY!ターンカレッジ」というトークイベント(やまぐち暮らし東京

          なぜ若者は地方に戻らないのか?

          光浦醸造の経営理念を考えてみた。

          [ Vol.003 ] (2086文字) 経営理念。 こんな風が吹けば飛んでしまうような小さな会社が経営理念とか言うと正直気恥しい気持ちもあるけど、これから家業ではなく企業を目指して進むべき方向性、何をしている会社なのか、何のために存在する会社なのかを社内をはじめ、消費者の方たちや関わる全ての人とみんなで共有していくために必要なものであると改めて考え、正式にこう決めました。 キッチンにインスピレーションを、テーブルに会話を。 時間をかけてよく考えたのに我ながらセンス

          光浦醸造の経営理念を考えてみた。

          先生になりたい甥っ子に 資本主義を語った話。

          [ Vol.002] (3301文字) お盆の親戚の集まりでいい感じにアルコールが入ったころ、ぼくと中学生の甥っ子と鳥取のおじちゃんという、日ごろ滅多に揃わない3人でその甥っ子の将来の話になった。 甥っ子は小学生の頃から「学校の先生になりたい。」と宣言していた。ぼくは以前から、もうちょっと大きくなったら他の職業を目指すだろうと高を括っていたんだけど、彼の意思は揺らぐどころか逆に固くなっていて、かなり具体的な進路まで考えていたのだ。 甥っ子が先生になりたいという意思を聞い

          先生になりたい甥っ子に 資本主義を語った話。

          noteはじめます。

          [ Vol.001 ] (1491文字) はじめましてはじめまして、光浦健太郎(ミツウラケンタロウ)です。周りからはミツケンと呼ばれたり呼ばれなかったりしてます。 ぼくは光浦醸造という会社の代表をしています。光浦醸造は慶応元年(1865年)に創業した山口県にある小さな醸造所で、味噌や醤油を中心とした伝統調味料を作っています。最近では乾燥レモン付き紅茶「フロートレモンティー」の方が知名度が上がって「お味噌も作っているんですね?」と聞かれることがあるのですが、味噌が本業です。