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「アップルパイの午後」座談会🍎|演出家編②

昨日からお届けしています、「アップルパイの午後」座談会 演出家編の第2回をお届けします。

▼前回第1回はこちら🍎

今回は、「共同演出」の役割分担や、演出を二分化するに至った経緯などをお聞きしました。
意外な話が聞けましたよ……!

座談会進行は、「稽古場観察日記」のお届けもつとめます佐々木明音です。


───お二人は共同演出以外にも、企画・脚本・出演(翠月)、衣裳プラン・美術プラン(池田)をされています。実際には稽古場以外の創作過程で、どのような役割分担をされていますか?

翠月:共同演出にしようって決めた時点で、その役割分担は決めておいたんです。ごちゃごちゃになりそうなのは私たちにも分かったから。そこから大きな変更は無く出来ていると思います。

池田:この企画自体が、演出を二分化したいというのが出発点なところもあるので、わりと役割分担の意識はお互いにあると思います。
ビジュアル面担当として、衣裳のプラン、美術のプランで、それぞれのスタッフとのやり取りは私がするし。ひとみんは本書いたし、出演しているし、主催としての意向はひとみんにあるし。意外と最初に決めた、そのままのような気がします。

翠月:頼りすぎてないか不安にはなるんですけど。

池田:お互いにね。

翠月:都度ミーティングしながらです。予想外に「これ私には出来ない!」ということがあったら、「ここまでは出来るから、これはやって」とか、共有してるかな。

───共同演出が出発点にあったのは意外でした。

池田:(翠月に)なんでだっけ?

翠月:私が脚本で、衣穂が演出で、っていうのはやったことがあったじゃない? (劇団行動力「ヤブカラシの夢」/桜美林大学スタッフ企画2021「Letter Planet」/桜美林大学スタッフ企画2022「Maybe,」など)
なんかね、私が演出やってみたかったの。
これまでの作品では、脚本から離れたところ、例えば美術とかを、私も脚本から研究して考えてみることはあったけど、それを衣穂がより素敵なものに可視化してくれていて。この形態って、共同演出になり得るのかなって、もう少し踏み込んでみたいなって相談した覚えはあるかも。

池田:得意分野が全然違うっていうのはあるよね。前に一緒にやった作品でも、音楽とかは脚本で指定してくれていたりとか。文字とか音楽はひとみんの方が得意で。でも、美術とか衣裳とか、俳優の動きとか視覚的な部分は、私の方がイメージが沸きやすくって、得意で。それが、もともと、すごいいい感じに自然と分担されてて。
今までなんとなく出来ていたことを、はっきり二分化してみようかって。
脚本の、文学的な解釈とかは彼女(翠月)のほうが得意で、私は見た目を創るのが得意でやりたかったし、っていうのがあったかな。
なんとなくじゃなくて、はっきり分担することで、よりそれぞれの得意分野を深められるんじゃないかなって。お互い負担も減るし、それぞれの仕事に集中できるんじゃない? 二分化してみようかってなりましたね。

───翠月さんから共同演出を提案したのですか? それともお互いのやりたいこと、得意なことを出していくうちに共同演出が良い、となったのですか?

池田:どっちかっていうと私かな……?

翠月:「演出してみたい!」って行ったのは私だけどね。

池田:うん。「共同演出っていう形にしない?」って言ったのは私で。
その話をするちょっと前に、演出家の役割について学ぶ機会があって。その時、「将来どんな形で演劇に関わっていきたいかが分からないわ!」ってなってたんです。私は衣裳もやるし、役者もやるし、演出するのも好きだし……っていうので悩んでいた時に、海外では演出家とは別に「舞台美術家」っていう仕事があるっていう話を聞いて。「舞台美術家」っていうのは、舞台作品のビジュアル面を担当する人で、その場合、演出家はビジュアルのことをやらないと。その話を聞いて、「私がやりたかったのって舞台美術家かも!」って思ったんです。
でも日本だとビジュアルのことも演出家がやるじゃない? だから、「日本だと演出家じゃなきゃダメか~」って思ってたんだけど、ちょうど「ひとみん……あれ……?」ってなって、(翠月に)その話をしたんだよね。

翠月:そうそう。

池田:そしたら、「ちょうどいいじゃん」ってなって、「一緒に演劇やる時は演出家の仕事を分けようよ!」って話が出て。
私がやりたいたいことを試してもらえる場を(翠月が)作ってくれたって感じです。

───なるほど。「アップルパイの午後」という脚本ありきで、ではなく、二人で企画をやるなら、ということだったんですね。

翠月・池田:そうそうそうそう!

池田:日本で、私がやりたい仕事ができるのは、もしかしたら、ひとみんと、かもしれない、って。

翠月:ちょうどね!

池田:「ぴったりじゃん!」ってね。すごいタイミングが合ったんだよね。


今回はここまで。
次回の更新では、
・実際に稽古してみて💬
を二人にお聞きします!
息ぴったりのコンビネーションが垣間見えちゃうかも……!
お楽しみに!

佐々木明音


翠月瞳自主企画vol.2
「アップルパイの午後」

尾崎翠の代表作『アップルパイの午後』
共同演出・生演奏で舞台化!
モダンとクラシックの融合を試みる新たな挑戦。

2023/6/16(金)~6/18(日)
@スタジオ空洞(池袋駅、西口徒歩7分)

🍎チケット予約🍎
ticket.corich.jp/apply/261098/



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