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院長より御礼のご挨拶

災害復興の御礼と御報告

 平成27年関東・東北豪雨による鬼怒川の堤防決壊で当院は壊滅的な被害を受けました。復興活動において皆様より賜りました多大なるご厚情に、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございます。

同年9月10日。入院患者90名、職員49名(託児所の児童6名を含む)が院内に孤立。職員は全力で入院患者様の安全を確保し、不眠休で搬送の手配に奔走しました。

9月12日午後4時。全患者様が救出され、職員の点呼を終えると、誰彼となく「よくやった」「お疲れさまでした」とお互いの労をねぎらう声が湧きました。救援ボートから振りかえると水没した病院がポツンとさびしそうにたたずんで遠ざかっていきます。再建できるのだろうか…。そんな思いがよぎったことは事実です。

しかし、最後に私が救助ボートに乗り込もうとするとき「院長!今度は再建ですね!」と明るく突っ込みをいれてきた看護師長がおりました。「疲れきって、やっと救出されたというときに、空気読めよー」とも思いましたが、脱出するまでの48時間、不眠不休で働いたこの師長は私よりはるかに疲労を抱えていたはずです。

また、浸水がはじまる直前の10日には、「明日の勤務に支障がないよう、今出勤してきました」と前日出勤してきた看護師がおりました。その結果、彼女は病院での孤立に巻き込まれたのですが、彼女の職務への強い責任感に私は感服いたしました。

さらに、病院から避難し救援ボートで救出基地までたどりつくと、そこには心配して集まった多くの職員が(何時間もかけてそこにたどり着いたのでしょう)出迎えてくれました。職員一同の、病院に対する熱い気持ちが伝わってきました。このとき「復興できる」と確信しました。

あれから3ヶ月。

水害を乗り越えた私どもの団結力はさらに強まりました。水海道さくら病院の次の目標は“奇跡の躍進”です。地域医療への貢献に尽くすことで、皆様より賜りましたご厚情に報いてまいります。

多大なるご支援とご声援に深く感謝申し上げますとともに、今後ともお見守りくださいますようお願い申し上げます。

平成27年12月6日

医療法人寛正会 水海道さくら病院
理事長 廣井 信