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StoM 第4話 読了3分(全5話)

あらすじ
雄太郎は弱みを握られた都合から桜田まりなと付き合うことになる。まりなにSMの勉強を強要され素直に応じる雄太郎だが、SMになかなかなじめずにいた。まりなと待ち合わせをした公園で雄太郎はまるでパンチらをのぞき見していたような扱いを受ける。
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StoM 第4話

おっと、やばいな、まるで覗き見をしているおやじみたいになっているぞ、と思ったときはすでに遅く、近くにいた女子中学生3人が、俺を指さして噂をしているようだった。女子中学生たちは俺の方を見ながら楽しそうに会話していた。

やばいな、これじゃ、パンチラをのぞき見しているみたいじゃないか。

俺はもう一度ベンチに座りなおすとバッグから読みかけの小説を取り出した。これもSM系の小説だ。本当は読みたくないが、のぞき見をしているように思われたくはない。

頑張って活字を追っていると、そこへまりながやってきた。

「ごめんね、遅くなって、待ちくたびれたでしょ、行こうか」

こういう時に彼女がきれいだと役に立つ。まさかこんな彼女がいるなら、女子高生のパンチらなんか見ているはずがないだろ、俺は何とかその場を切り抜けた気でいた。俺たちは、まりなが予約しているシティホテルに足を向けた。

プライベートで会うのは今日が3回目だが、ずいぶん前から会っているような気がする。ホテルの予約はいつもまりながしていてくれる。本当に付き合っているのなら、どんなにかうれしいことだろう、といつも思う。

まりなはいつも俺を叩くが俺はまりなを叩いたこともないし、体に触れたこともない。だから裸を見たこともない。そんな関係だから、付き合っているのかどうかがわからないのだ。

まりなはホテルに入るとすぐにボンテージに着替える。俺はパンツ1枚になり、猿ぐつわをされ、ロープでしばられ、ろうそくの溶けた液体をかけられたり、ムチでたたかれたりする。

俺がパンツ一枚になると、ボンテージ姿のまりなが話しかけてきた。

「今日は脱糞よ、さあこれを飲んで」

そう言うと大きなグラスに入った白い液体を俺にすすめてきた。俺は液体を見た瞬間に、それがきっと排泄を促進させる薬だとピンときた。

「いや、これはちょっと」

と言って断ると、

「え?なに誰に話かけてるの?女王様でしょ、女王様」

そう言うと、女王様はそのグラスを無理矢理俺の口につけ飲ませようとした。俺は必至で抵抗したのだった。抵抗するのが厳しいと判断した俺は叫んだ。

「すみません女王様、それだけは許してください」

するとまりなが頭を押さえつけていた力を弱めた。

「飲めないなら、今から100叩きの刑だよ、どっちがいい?」

究極の洗濯だ。100叩きもつらいものだ。ただ、脱糞をして屈辱を味わうのだけは避けたかった。屈辱を喜べるのはすでにSMのMになりきっている証拠だ。

「はい喜んで、100叩きをお願いいたします」

俺は教えられたルールに沿って言葉を発した。

「なんだよ、脱糞なしか、そろそろ覚えな」

俺は四つん這いにされ、その姿勢のままムチで100回たたかれた。終わる頃にはお互いくたくただった。俺は100回たたかれることで、脱糞の刑を逃れたのだった。

「疲れただろ、これでも飲め」

そう言うとまりなはさっきのグラスを俺の口に近づけてきた。俺はかなり疲れていたのだろう、素直にそれを一気飲みした。ただ、即脱糞みたいな感覚にもならず、それほど大したドリンクじゃなかったのかと思った。

ただ俺のふとももや背中は赤く腫れあがって、Tシャツが触れるだけでも痛みを感じるようになってちた。

「あのさ、次は叩くことも覚えようか、これ貸すからさ練習してきて、それとさ脱糞、あれは慣れだから一回やってごらん、なんともなくなるから」

一通りの調教を終え、そう言うとまりなは手に持っていたムチを俺の手に握らせた。

調教とはこういうものなのだろう。まりなとこういう関係、いや身体の関係はないが、時々あって一つのことに没頭する関係を続けていると、俺も少しずつだがまりなの気持ちが分かったような気になってきた。まりなの中にある、誰も見たことがない姿が、少しだがわかった気がする。だからと言ってSMにはまだ慣れたわけではない。

ホテルを出ると空はすっかり暗くなっていた。時計を見ると夜の8時だ。どれだけ頑張ったんだろう。まりなは俺を奴隷にして楽しいのだろうか、ふとそんな疑問がわいてきた。まりなを見ると、いつものようにまりなだとはわからない身なりをしている。

「今日のアリバイはあるの」

ふと気になって聞いてみた。

「今日はね、私はここ東京にはいないことになってるわ、神奈川の友達の家よ、私は彼女の家で彼女と会ってることになるわ」

そういうと、まりなは大きな声を出して笑った。

「それってその相手が口を割ったらまずいわけだよね」

俺はちょっと意地悪してみた。

「ゆうたろう、私がそんなへますると思う?実は彼女も今日男と会っていてね、部屋にいないのよ、私が部屋を借りてるのよ、彼女は私がその部屋にいると思ってる。どう?完璧よ今日も。彼女は私がゆうたろうみたいなへなちょこ男と会っているなんて1ミリも思っていないわ」

へなちょこという言葉が気になったが聞き流した。
まりなは弁護士の夫を相当恐れているのか、アリバイ作りはいつも完璧のようだ。

「ゆうたろう、ちょっと待ってて、私体が冷えたから、温かい飲みの買ってくるわ」

そういうと、まりなは売店がある方向へ走っていった。

俺はベンチに腰かけてバッグからムチを取り出してみた。ほんとに叩くのに慣れるのかな。ムチを広げて少し振ってみたがうまく触れない。まりなはムチを貸す時に、これで勉強しなと、一緒にSM雑誌を貸してくれた。雑誌を開くと女性がうれしそうにうんこまみれになって笑っている姿が目にはいった。

脱糞か、それだけはいやだ。そう思うと急にお腹がなり、便意をもよおした。おいおい、だめだぞ、俺、いやあ間に合わないな。さっきプレイの後に飲まされたドリンクがいまごろ効いてきたみたいだ。

StoM  第5話へつづく

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