べんちでなごむカエル
今日は曇天。
今にも雨が降りそうだ。
「今日はいい天気だな~」
そんな中、のんびりとした声が響いた。
よく見ると、花壇の側に小さなアマガエルが空を見上げていた。
ここは街の公園。
天気の良い日は、子供たちの賑やかな声が響いているのだが、今日は急ぎ足で通り過ぎていく。
いつもは花壇や近くの池に隠れているカエルなのだが、この湿った空気や土の匂いが行動を大胆にする。
花壇の側に置かれたベンチにも、今日は誰も座っていない・・・ということで使い放題だ。
アマガエルはぴょんっとベンチに乗ると辺りを見回した。
いつも低い位置から見ている世界と違い、遠くにあるブランコやグラウンドまで見渡せた。
なんだか特別な気分になってくる。
ふっと、冷たい風が体に当たった。
あぁ、雨が降る知らせだ。
「あ、雨が降ってきたよ。」
不意に聞こえた声に、横を見る。
よく、隣の花壇で見かけるカエルだった。
その横にも。
いつの間にかベンチにはカエルたちが集まっていた。
「おや、君も来ていたのか。」
「いい感じに降ってきましたね。」
「今日はいい天気ですね。」
いつもは人間たちで騒がしい公園も、今日はカエルたちの声で賑やかになってきた。
ケロケロケロケロ。。。
ケロケロケロケロ。。。
グワーッ グワーッ グワーッ
お互いが、声を合わせてみる。
いつの間にか、カエルの大合唱になっていた。
今日は楽しい一日になりそうだ。
《あとがき》
ビーズで色々なものを作るのが好きです!
梅雨の季節になりました。
この時期になると、カエルのモチーフが気になってきます(*^^*)
というか、「目」のモチーフを買ってから、カエルを作ってやろうと思っていました。
笑って読んで頂けたら幸いです。