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熱中症対策に関するアンケート調査-熱中症になった経験は?・対策時期と対策商品・今年の夏の予定

近年では5月頃でも最高気温 25℃以上の夏日となることもあり、昨年は記録的な暑さとなりました。熱中症の予防・対策が必要な時期も年々早まっており、多くの人が暑さに順応できていない5月や6月のタイミングは特に注意が必要です。

そこで今回は、全国のPOB会員3,007人(平均年齢48.6歳)に「熱中症対策に関するアンケート」を2023年5月16日~18日に実施しました。消費者の熱中症に対する日頃の意識や、対策について深堀していきます。

熱中症の経験率は?

まずは、熱中症の症状について経験の有無を尋ねました。

■過去、熱中症の症状を経験したことがありますか?
複数回ある                  : 8.7%
1回だけある                   : 8.6%
熱中症かはわからないが似た症状の経験がある     : 27.5%
ない                                                                          : 55.1%

熱中症の経験があるという人は、17.3%と2割にも満たない回答率でしたが、似た症状も含めると44.9%の人が「経験がある」と回答しました。
総務省のまとめによると、昨年の熱中症による救急搬送人員は、調査開始以降3番目に多い人員だったそうで、今年も、より一層注意が必要となるでしょう。

「駅伝大会の時に水分補給をせずに走っていたらめまいがあった(20代女性)」
「野外フェスで目の前が真っ暗になり、ふらふらした(30代女性)」
「汗をかいたが水分をアルコールしかとっていなかった。体中がしびれて吐き気が強かった(40代男性)」
「夏の炎天下を2時間ほどあるいたら、歩けなくなりました。自宅で休んで水分をとり回復しましたが、何度も足がつりました。(40代女性)」
「夏に仕事から帰宅後、吐き気や手の震えで病院に行き点滴を受けました。水分補給はしているつもりですが足りてなかったみたいです(50代女性)」
「屋外での作業中にフラッと貧血のような症状になった。エアコンの効いた休憩室で休んで事なきを得た。(50代男性)」
「ゴルフプレイ中に気分が悪くなり、足がつった。(60代男性)」

熱中症対策:気を付ける時期は?

5月から9月を中心に対策

熱中症対策を行う時期を尋ねると、5月(25.8%)から回答率が上昇し、7、8月にピークを迎え9月まで主に対策が行われていることがわかります。「特に対策は行っていない(9.8%)」との回答から、9割を超える人は1年のいずれかの時期に対策を行っていると言えます。西日本に近づくほど対策時期が早まり、10月頃まで対策を行うエリアも見られました。

熱中症対策:意識して行ってること

9割以上が「意識している」

熱中症対策について尋ねると、9割を超える人は何かしら対策を意識して行っていることがわかりました。最も行われている対策は「水分をこまめにとる(86.5%)」、次に「エアコンを使用(51.9%)」と回答されました。「のどが渇く前に水分をとる(41.3%)」の他、上位5位中4項目は水分や塩分の摂取など、体調を整える項目が続きました。

「エアコンを使用。水分をこまめに摂るようにしている。(20代男性)」
「水分をとったり、ハンディファンを持ち歩く。(30代女性)」
「外出時は水筒を持参して日陰を歩き、水分補給を頻繁にする(40代女性)」
「節電で扇風機を利用しているが暑い場合は我慢せずにエアコンをつける。(50代男性)」
「水分は年間を通して小まめに取る。5月から10月にかけて日傘をつかう(60代女性)」

熱中症予防として購入・利用しているもの

続いて、熱中症予防として購入・利用している商品について尋ねました。

日頃に加え、今年「何かしら購入・利用」は9割

【日頃、熱中症対策で購入・利用しているもの】は「スポーツドリンク(36.2%)」、「飴・タブレット(20.5%)」、「清涼飲料水(18.6%)」の順となりました。
それに加え、【今年、購入しようと思っているもの】では、同様に「スポーツドリンク(53.9%)」が最も高く、次に「帽子(38.0%)」、「日傘(36.9%)」、「飴・タブレット(35.5%)」、「UVケア商品(33.4%)」が続きました。
差異を見ると、何かしら購入・利用する人は今年+21.4%上昇しています。飲料や飴類は当然のこと、「日傘(+26.5%)」、「帽子(+25.9%)」、「UVケア商品(+16.9%)」といった日差し対策や、「扇子やうちわ(+23.4%)」等の上昇率が特に高くなっている傾向がありました。今年から新型コロナウイルスの規制が緩和されたこともあり、コメントからも外出時を意識して対策を検討している様子がうかがえます。

「コロナも落ち着き、外出の機会が増えそうな予感がするので、携帯の扇風機を買って備えておきたい。(30代女性)」
「外出する機会が増えるので、UVケアをまめにしようと思う。(40代女性)」
「良いと聞くので、首元を冷やすグッズを購入したい。(40代男性)」
「外出頻度が増えたので、気温にあった帽子や日傘を検討しています。(50代女性)」
「外出機会が増えると思うので、機能性の高い日傘を使いたい。(50代女性)」
「衣料品は買い替えと買い増しで日傘は昨年買いそびれたので今年こそは購入しようと考えている(60代男性)」

レシート分析:対策商品の出現率/購買順位/併売カテゴリ

前出のアンケートで、熱中症対策として購入・利用しているとあげられた商品を、レシートデータから分析します。

下図は会員が実際に投稿した「UVケア」、「スポーツドリンク」、「キャンディ・キャラメル」カテゴリの購入レシートから、1,000枚当たりの出現数をあらわしたものです。

各商品の出現率は5-9月に上昇傾向

それぞれ出現率は、熱中症対策が主に行われる期間(5-9月)にかけて上昇傾向であることが見て取れます。
≪UVケア≫は6月から上昇し始めていることから、日差しが強くなるにつれ紫外線に対する意識が高まっている様子がわかります。≪スポーツドリンク≫は、気温が上がる7-8月と連動してピークを迎え、9月からは減少しています。≪キャンディ・キャラメル≫は行楽シーズンの5月を過ぎた6月に一度下降するも、7-8月に再度上昇をしています。

次に、出現率が上昇している期間にどのような商品が購入されているのかを調査していきます。下図は、2022年7-8月に食品スーパー・総合スーパーで購入された「キャンディ・キャラメル」カテゴリのレシートを分析したものです。

2022年7-8月は「カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ」が1位

購買順位を見てみると、2022年7-8月は熱中症対策商品として効果を発揮する「カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ」が1位となり、2位以降は、果実やヨーグルト味の商品が上位を占めています。一方、2022年12-2023年1月は、1位「龍角散 龍角散ののどすっきり飴」、5位「ノーベル製菓 VC3000のど飴」といったのど飴や、3位「カンロ 金のミルクキャンディ」のようなコクのある味わいが特徴となる商品が上位に入るなど、季節や時期により変動が見て取れます。

更に、2022年7-8月に「カバヤ食品 塩分チャージタブレッツ」はどのような商品と一緒に購入されているか「併売カテゴリ」を分析しました。その結果、同「キャンディ・キャラメル(5.9)」カテゴリの他、前出のアンケート結果にもあがった「スポーツドリンク(4.9)」や「UVケア(4.7)」のリフト値が高いことがわかりました。このようにレシートデータからも消費者の購買行動を導くことが可能となります。

「飴だと手軽にとれそうだし、お裾分けもできそう。(30代女性)」
「スポーツドリンク・飴・タブレットは子供達にも常時持たせるために毎年必ず購入。 (40代女性)」
「汗をかくと塩分補給も必要なので、スポーツドリンクや飴を食べるようにしている。(60代男性)」
「やっぱり一番効果があるのはスポーツドリンク(40代男性)」
「UVケアで肌への刺激と体温上昇を抑えられると思うから。また、お茶だけでは100%の水分補給にはならないらしいので、何回かはスポーツドリンクで補おうと思っている。 (50代男性)」

<図表用語補足>
※「リフト値」は、併売率からレシート出現率を割った数値となります。
※一般的に「リフト値が1以上ある場合」は、併売傾向があり、「リフト値が2以上ある場合」は、諸説ありますが関連性が高いと言われています。

今年の夏に行きたいところ、やりたいこと

最後に、「今年の夏に行きたいところ、やりたいこと」について尋ねました。

6割以上の人が「今年の夏に行きたいところ、やりたいことがある」

今年は3年ぶりの行動制限のない夏となることから、6割以上の人が「行きたいところ、やりたいことがある」と回答しました。最も回答率が高かったのは「旅行・観光(38.8%)」、次に「花火大会(26.4%)」、「夏祭り(19.3%)」の順となります。
一方、「特にない・家でのんびりしたい(38.5%)」といった意見もあり、コメントを見ると様々な過ごし方や予定を聞くことができました。

「温泉旅行に行って、お酒を飲んだり美味しいものをたくさん食べたい。(50代女性) 」
「しばらく行ってなかったので夫婦で旅行に行きたいと思っています(60代男性)」
「花火を見た事がない娘と一緒に花火大会に行きたい。(20代女性)」
「子供達と一緒に夏祭りや花火を楽しみたいです(40代女性)」
「ビアガーデンへ行きたいです(30代女性)」
「久しぶりに、バーベキューやピクニック。それから遊園地に子供達を連れて行きたいです。(40代女性)」
「声出し解禁のライブが増えたから、昨年まで控えていたライブに沢山行きたい。(20代女性)」

「涼しい部屋で快適に過ごしたい(20代女性)」
「暑いのが苦手だから家にいる(40代女性)」
「ここ数年の暑さが以前より身体に堪えるので、なるべく外出を避けて過ごす予定です(40代男性)」
「エアコンの効いた快適な部屋でビールを飲みながらのんびりしたいです。(40代男性)」
「家で好きな事をしてのんびりしたい(50代女性)」
「落ち着いたとはいえコロナはやはり恐いので涼しい家でのんびりしたい。(50代女性)」
「外出は必要最低限にし、涼しい部屋で映画鑑賞したい。(60代男性)」

2023年6月~8月の気温は、全国的に平年より暑くなる見込みであると言われています。
今年からコロナ対策制限緩和もあり外出機会が増える方も多くなることから、ご自身にあった対策の準備を進め、快適な夏を過ごしましょう。

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。

データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。

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