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MiTOHOKU Program最終報告会レポート②

2024年1月13日(土)、せんだいメディアテーク・オンライン配信にてMiTOHOKU Programの最終報告会を実施いたしました!本記事では、残り3名(前回ご紹介した2名を除く)の学生からのプレゼンテーションの様子と表彰の結果発表をご紹介します!

前回の記事(MiTOHOKU Program 最終報告会レポート①)では基調講演と学生2名からのプレゼンテーションの様子をご紹介していますので、ぜひご覧ください。


採択者プレゼン③佐藤宏夢さん

3人目は佐藤宏夢さん(一関工業高等専門学校専攻科 システム創造工学専攻電気電子コース 2年)
「新しい発電システムの開発 雨滴発電」

佐藤さんは雨粒が当たる衝撃を電気に変換する発電方法=「雨滴発電」という斬新な発電システムのアイデアを発表しました。


「地球温暖化が進む今、再生可能エネルギーの利用率を増やすことが温暖化の抑止につながる。雨滴発電も新たな発電システムとして浸透させたい」という佐藤さん。

頭の中のイメ―ジを実際に形にすることやコスト面など採算の算出に難しさを感じたという一方で、今後は周りを巻き込みながらギアを上げて実現を目指していきたいと力強く語ってくれました。

佐藤さんの「雨滴発電」というユニークなアイデアに、会場のメンターたちも興味津々。メンターの1人からは、「インターネットで調べると、雨滴発電に取り組んでいる企業や大学もいくつかある。そこに混ざって研究をする予定はあるのか?」というご質問。

これに対して佐藤さんは、「現在雨滴発電の実装に取り組んでいる多くが、雨の”成分”に着目したもの。私は雨の”衝撃”に着目した発電方法を考えているため、今のところは個人で研究を進める予定」と回答しました。

佐藤さんの回答を受け、会場からは「まだ誰もやっていない研究、これこそ未踏!」とのリアクションが!まさに、MiTOHOKU Programのテーマである「未踏」に当てはまる取り組みですね!

採択者プレゼン④清水紘輔さん

続いて4人目は、清水紘輔さん(山形県立東桜学館高等学校 3年)
「人間と計算機の融和を目指すハードウェアやシステムの設計」。
清水さんは今回の採択者5名の中で唯一の高校生。MiTOHOKU Program参加中の半年間は、テクノロジーに関する新たなプロジェクトをいくつも立ち上げ、研究者としての在り方を模索したといいます。

プレゼン内では、「人間の動きで計算機を制御するインターフェース」と「感情を表現する流体シミュレーション」(こちらは実際にリアルタイムで実演してくれました!)の2つを紹介しました。

自分の強みである「実装するスピード感」を活かしながら、今後は仲間集めと研究観の深化を通じて、目指す研究者像に向かって成長していきたいと語りました。

高校生とは思えない、圧倒的な技術力・プレゼン力に会場は啞然……!
あるメンターからは、「アインシュタインが生きていたら、こんなプレゼンをするんだろうな」とのコメントが寄せられました。

清水さんの様々な面白い取り組みに興味津々のメンターの皆さん。お子さんがいるメンターからは「何をしたらこんな高校生に育つのだろう」という質問も!(笑)
清水さんは幼少期から好奇心旺盛だったそうで、「何でもまずは1人でやってみる!」という親御さんの考えが今でも染みついているとのことです。

これからも世の中に驚きと笑顔を沢山与えてくれること間違いなしの清水さん。今後の研究からも目が離せませんね!

採択者プレゼン⑤AILE

最後の発表者、5組目は唯一チームで採択されているAILE。メンバーは下川大輝さん・横川裕大さん・平山英幸さん・高橋健吾さん・佐藤志保さん・柏田祐樹さんの6名です。(東北大学大学院医学系研究科)

「高齢者のフレイルリスク予測AI画像認識モデルの開発と連携システムの構築」というタイトルで、チームを代表し、下川大輝さんが登壇しました。

AILEが挑戦したのは「歩行動画を分析するだけで健康チェックができる」AI画像認識モデルの開発。
「健康寿命を伸ばし いつまでも自分らしくいられる世界」というビジョンのもと日常の歩行動画から、高齢者の心身が老い衰えやすくなった状態(=フレイル)のリスクを予測するサービスの開発に挑戦。

離れて暮らす家族からの「見守り機能」や、気軽に専門家に相談できる仕組みも構想しました。すでにフレイルを評価可能な診断精度を実現しており、今後は実用化に向けて更なるフィールド実証に励んでいきたいと意気込みを語りました。

下川さんらは、今後の展望として「1年目:福島県楢葉町などでのフィールド実証、2年目:他地域展開、3年目:有料化=持続できる環境構築、Goal:健康寿命の延伸を目指す」という長期的な見通しを立てており、現在も特許出願の準備中とのことです。

その他にもメンターからは「こんな場面にも需要がありそう!」「こんな展開の仕方もできそうだね」と、AILEの可能性を広げる応援のコメントが多く寄せられました。

これにて、学生5名からのプレゼンテーションの紹介が完了しました!
5名それぞれの個性と情熱が溢れる、とても素敵な発表でした。

表彰式

プレゼンテーション後に行われた表彰式では「最優秀賞」「優秀賞」「ベストオーディエンス賞」の3つの賞が授与されました。

【結果発表】
・最優秀賞
AILE「高齢者のフレイルリスク予測AI画像認識モデルの開発と連携システムの構築」

チームを代表して下川さんは、「とても嬉しいです。来年度以降も、様々な自治体や企業と協同して頑張っていきたいです!」と力強く述べました。

・優秀賞
鳥居奎吾さん(東北大学 工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士1年)
「アーム型脚ロボット+モジュール構造部材による月面拠点自動建設」

優秀賞を受賞された鳥居さんは、『数年後、「自分がこの技術を作ったんだぞ」と胸を張れるようなエンジニアになりたいです。その時を楽しみに待っていてください!」と笑顔で語りました。

・ベストオーディエンス賞
AILE「高齢者のフレイルリスク予測AI画像認識モデルの開発と連携システムの構築」

最優秀賞に加え、ベストオーディエンス賞も受賞されたAILEさん。下川さんの「栄えある賞を頂き、とても嬉しく思います。この賞に恥じぬよう、今後も頑張っていきます!」というコメントで締めくくりました。

受賞されたAILEさん、鳥居さん、本当におめでとうございます!
今回受賞には至らなかった3名の採択者の方も、”未踏”の挑戦にかける熱い想いは多くの方に感動を与えてくれました。

また、発表会後に行われた交流会では、採択者、メンター、参加者が一堂に会し、採択者たちのさらなるチャレンジに向けた様々な交流が生み出されました。

改めて、半年間頑張り続けた5名の学生の皆さん。本当にお疲れ様でした!
沢山の感動をありがとうございました。

これにて、最終報告会のレポート記事は終了となります!
ご一読くださり、ありがとうございました。

<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事業


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