『空気の哀しみ』

わたしは
生けるもの全ては
空気から生まれて
空気になってしまう
この世界は そういう運命の上に
のって存在している

わたしは
よく笑い よく悲しみ
いっぱいの希望を かき集めて
どうにも絶望に 会ったりもする

今、確かに生きている
心が、確かに泣いている

なのに 風はいつもと同じように吹いて
草木は季節のとおり いつも通り揺らめいて
夜空の真ん中で一つ あたりまえに月は満ち欠け
こうやってまた ただただ 朝日は昇るのね

「なんでも無いことなのよ」
そうやって いつも 諭されます