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英国散歩 第7週|ケンブリッジはザックリこんなまち④自転車のまち

自転車先進都市・ケンブリッジ

ケンブリッジで生活をしていると、本当に多くの自転車ユーザーを目にします。ケンブリッジでは自転車が市民権を得ており、道路には自転車専用レーン自転車向けの道路標識が多く示され、まちには本当に至る所に駐輪スペース(無料)があります。

何を隠そう、ケンブリッジは、"the UK’s cycling capital"とも称され、英国をリードする自転車先進都市なのです。

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ケンブリッジの自転車事情

そんなケンブリッジの自転車事情について、生活の中で日々感じていることを列挙してみます。(数値などのファクトがまだ押さえられていないものもありますが、整理できしだい情報更新予定です)

1.とにかく自転車ユーザーが多い

交通移動手段別の割合は、こちらによれば、ケンブリッジ市内での通勤移動の43%が自転車(自動車は25%)、ケンブリッジ市民の通勤移動の29%が自転車、とのこと。
これだけでも自転車利用割合がなかなか高いのがわかるのですが、これはあくまで通勤利用者のみです。つまり、市内での自動車保有を許可されていないケンブリッジ大学生(ケンブリッジ市人口約12万人に対し、2万人超)は含まれておらず、実際にはこの数値以上に多くの自転車ユーザーがまちにあふれています

ちなみに、データの整備方法が違うため単純比較はできませんが、日本での自転車の交通分担率は、東京都区部では13.0%(H30年度PT調査)、自転車利用者数が多いというイメージの大阪市では23.5%(H22年度PT調査)です。

※なお、ページトップ画像はハロウィンの日に仮装した自転車集団を見かけた際の写真で若干イレギュラーです。


2.中心部は比較的平坦な地形で利用しやすい

ケンブリッジ市の中心部(city centre)付近では、比較的標高差が少なく平坦な道が多いので、自転車利用には適しています。
ただし、路面はかなり凸凹で運転中の振動はかなりのもので、走る場所を選ばないと自転車かごの中身が飛び出すこともしばしば。


3.交通ルールが厳しい(手信号が必須)

日本と比較すると、自転車の交通ルールが厳格に運用されている印象です。自転車ユーザーは、右左折をする際には必ず手信号で曲がる方向を示さなければいけません。日本では、手信号はよく小学生で一度は習うものの、実際に使っている人はほぼ皆無ですが、こちらでは子供からお年寄りまでみんな手信号を使いこなしています。
毎年、世界中から新たな学生がまちにやってきますが、真のケンブリッジ市民になるうえでこういった自転車交通ルールをマスターすることが求められます。


4.自転車専用レーンが充実

東京では、ロンドン五輪を見習い、東京2020に向けて一気に自転車専用レーンが整備された背景がありましたが、そのロンドン擁する英国を自転車政策でリードするケンブリッジでは様々な面で自転車利用環境が整えられています
city centreでは自転車専用レーンが充実しているほか、自転車向けの交通標識も多く見かけます。自転車専用レーンがないところでも、自転車の一方通行(one-way)が厳格に運用されていたりします。(実際に、渡英してすぐの頃、自転車の一方通行の道を知らずに逆走してしまい、現地の方に大声でお叱りをいただきました)

専用レーン


5.駐輪スペースには基本的には困らない

駐輪スペースが有料のことが多い東京都心部などでは、路上駐輪が問題になっていますが、ケンブリッジはまちじゅうに駐輪スペースがあり、どこに出かけるにも自転車の停め場所に苦労しません。
人が多く集まるお店の付近などでは駐輪スペースが一杯になっていることもありますが、1、2分歩けば近くの別の駐輪スペースがあるのであまり困ることはありません。

駐輪場


6.U字ロックが必須(the UK's biggest bike theft hotspot)

駐輪スペースが豊富だったり、自転車ユーザーが多く市民権を得ていたりすることは非常に良いのですが、一方でケンブリッジは"the UK's biggest bike theft hotspot"とも言われており、実際に人口あたりの自転車盗難の発生件数は英国でワースト1となっています。
ロックなしでは当然のように盗難されてしまい、ロックを付けていたとしても細いワイヤーロックなどでは簡単に切られて盗まれてしまうようで、ケンブリッジの自転車ユーザーは基本的には頑丈なU字ロックを使用しています。
まちじゅうの多くの自転車屋を回って探しても、中古でだいたい100ポンド(1.6万円)程度~と、日本と比べると自転車は高級品ということもあり、皆このU字ロックを使い、駐輪スペースの柵(場合によっては街灯のポールなど)に自転車を固定しています。
そのために駐輪スペースには基本的にこのような金属製の柵が設置されています。

U字ロック


7.電動シェアサイクル・キックボードのVoiも便利

今年から、スウェーデン・ストックホルム発の電動シェアサイクル・キックボードの「Voiがケンブリッジのcity center等でサービス提供を開始しました。
住民は基本的に自分の自転車を所有していますが、ケンブリッジは国内外からの観光客も多いため、その観光客を主な顧客と想定したサービスかなと思います。
ケンブリッジは、主要な観光地は中心から徒歩30分圏に集中しており、乗り捨て可能なシェアバイク・キックボードが使えると非常に効率よくまちを周遊できるようになります。
私もケンブリッジに来てから1か月程度、このVoiを使っていましたが、日本の主要なシェアサイクル(ドコモなど)と比べると、Voiは加速力がかなり大きく漕いでいる感じがしないほどラクに進みます。
ですが、10分乗っておよそ2.5ポンド=400円程度(うち1ポンドは利用開始時のロック解除費なので、基本的に1回の利用で150円はかかる)と、日本のシェアサイクルと比べてVoiの利用価格が高く、日常使いにはやや不向きと感じ、この度潔く中古自転車(約100ポンド=約1.6万円)を購入しました。
※現状のVoiのケンブリッジでの価格体系は、使用開始時のunlockで1ポンド、乗車1分あたり0.15ポンド。お得な月間パスで40ポンド、24時間パスで9.99ポンドです。

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「自転車のまち・ケンブリッジ」の内容は一旦は以上ですが、もう少し情報が整理されたら随時投稿していけたらと思います。

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