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【完全SIer脱出マニュアル】 -ほぼ1,000字感想文


○タイトル:完全SIer脱出マニュアル
○著者  :池上純平
○発行  :シーアンドアール研究所 (2019/6/22)


■ざっくり概要

筆者のSIerからWeb系ベンチャーに転職をした経験をベースに、「楽しく」働きたいエンジニアに向けた転職指南書。特に、転職の基軸を「お金」ではなく、「楽しく働く」というやりがい基軸で語られている点がおすすめポイント。

そもそものSIerの定義から転職活動をする前の準備、中長期キャリアの考え方など、分かりやすいロードマップが明瞭でとてもわかり易かった。 

エンジニアの世界は仕事や職業の定義が曖昧な領域。(発展途上という意味で)だからこそ、1つ1つ要素を仮定義しながら話を進めていく構成が、この領域の情報整理にとても役立った。


■(補足)本著におけるSierの定義

①中・大規模なシステムの受託開発案件を、比較的大人数で実施をしている

②自社内だけでなく、たくさんの協力会社の人員を組み合わせてシステム開発をする

③ウォーターフォール型開発、Excel仕様書、枯れた技術を好んで使う

上記を踏まえて、「IT企業」「受託開発」「外部発注」「オンプレミス」「レガシー企業」という特徴が、多くのSIerに当てはまるとしている。

(上記との対比はそれぞれ「非IT企業」「自社サービス開発」「自社開発」「クラウド」「ベンチャー企業」)


■学びポイント

◯「工数見積り」という悪しき文化

SIerでは、古くから「工数見積もり」「ステップ数見積もり」と呼ばれる、工数に対する報酬体系が基本である。つまり、同じアウトプットを出すとしても手数が多い方が、売上が上がる。

一方で、エンジニアとしてのスキルアップを考えると、「いかに生産性をあげるか?」という視点は重要。このズレが、エンジニアのやりがいを削ぎ、仕事を楽しめなくする要因である。


◯「Web系」はSIerの対義語(仮)

「Web系企業に転職をしたい」という使われ方をする場合、おおよそ下記の意味であることが多い。

・「インターネット経由で使えるWebサイトやWebアプリケーション」を主に開発している
・モダンなWeb義うつを使って開発をしている

この表現においてSIerを含めないことが多く、「SIerから抜け出したい」という意味での使われ方が主流。


◯多様な道が広がるエンジニアのキャリア

プログラムを書く人間としてスペシャリストになる道が主のように見えるが、そうなると先人たちに肩を並べることに相当に苦労する。
「掛け合わせ」の知見を得ることでキャリアの幅を拡げることができる。

(例)
組織マネジメントを学ぶことにより、エンジニアリングマネージャーになる
マーケティングを学ぶことにより、グロースハッカーになる
クライアント支援に注力する、セールスエンジニアになる
現場採用を推進するためのエンジニア採用担当になる


出典元↓

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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