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【USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略】 -ほぼ1,000字感想文


○タイトル:USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略
○著者  :アーロン・シャピロ, 萩原 雅之 (監修), 梶原 健司 (翻訳), 伊藤 富雄 (翻訳)
○発行  :翔泳社 (2013/9/3)

■ざっくり概要

様々な領域で取り入れられている「ユーザーファースト主義」を代表する一冊。

もっとも特徴的な点は、顧客を意味する[Customers]に対して、あえて[Users]という表現を用いていること。パッケージデザインにも表れている通り、本著でいう[Users]は顧客を内包している。そして、ユーザーの周りにビジネスを構築することがこれから成功するビジネスの必須条件と定義。

ユーザーファースト主義を体現するために必要な対応を経営方針、組織体制、テクノロジーの3要素に切り分けて整理をしている。


■学びポイント

○ユーザー中心経営のトライアングル

ユーザーファーストを実現するためには、事業としても成立する必要がある。ただ、ユーザーが欲しいものを与えるだけではビジネスは破綻する。

だからこそ、3点のバランスを保ちつつ広げていく必要がある。

・ユーザーの目的(欲しいもの)
・企業の目的(ユーザーに関する特定の目標 ex.平均購入金額など)
・技術上の実現可能性


○同心円型の組織体制

実際のユーザー体験を設計するエンジニア、意思決定をする経営者などを「デジタル・コア」と定義し、組織の中心に据える。投資も怠らない。

この少数精鋭部隊を核とし、社内外問わずその周辺でサービス利用している人(=コミュニケーター)を媒介して、様々な価値が広まっていく。受け取る側をオーディエンスとすると、デジタルコア<コミュニケーター<オーエディエンスと同心円が生まれる。

ポイントは、コミュニケーターに特別なスキルがなくても、価値が広がるように設計をすること。これを実現できるデジタルコアを組織できれば、ビジネスの対象は広がり、比例してスケールメリットを享受できる。


○ユーザーの購入の決め手「TCPF」

ユーザーがサービスを利用する際、判断軸となる項目を①信用[Trust]、②利便性[Convenience]、③価格[Price]、④楽しさ[Fun]と定義。オンライン購入が一気に広まったタイミングは、このTCPFが既存のオフライン購買行動を越えたためであると説明している。

①信用[Trust]:
→モノが見えない以上、実店舗に信用で勝ち目はなかった。これを越えるためには「標準化・単純化・拡大化」の設計が不可欠。シンプルかつ均質なサービスを提供し、それを再現させる仕組み作りである。
②利便性[Convenience]:
→"24時間だれでもいつでも利用可能"は理想であるが、無謀である。推進すべきは販売機会を失うリスクを最小限に抑えたユーザーフレンドリーなWebデザインに徹することである。
③価格[Price]:
→一番簡単なのは最安値を取ること。しかしそれでは利益が生まれない。よって、価格では及第点を取りつつ、他の要素で差別化を図る戦略がベストである。これにより不本意な価格競争に巻き込まれないポジションを取るべき。
④楽しさ[Fun]:
→上記三点が合理的な判断軸であるのに対し、楽しさは感情的な軸である。実店舗やその他の競合と比較した時に、「こちらの方が好きだ」と思わせられる体験設計に徹する。この点で優位性を取れれば、他の項目でのマイナス分は十分補填できる。

このTCPFと5つのビジネスモデル事例を組み合わせることで、様々な事業に応用することができる。(事例について気になる方は、ぜひご一読ください!)


↓出典元

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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