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【メタ思考トレーニング】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:メタ思考トレーニング
○著者  :細谷 功
○発行  :PHP研究所 (2016/5/19)


■ざっくり要約

「メタ思考」を実践で使いこなせるレベルにまで習得できる一冊。

幽体離脱したもうひとりの視点で、現状を捉えることを「メタ認知」と呼ぶ。これをもってビジネス上の課題解決やアイデア想起に取り組むことを目指す。 特筆されているのが、メタ思考の軸の一つである「アナロジー思考」。

アナロジー思考とは、類するものから推論をすること。ある具体例から抽象的な要素を取り出し、別の具体論に展開する力である。 わかりやすい例は「謎かけ。」このプロセスを学ぶことでアナロジー思考を解説していくプロセスが痛快。



■学びポイント

○「なぜ?」は唯一、上位目的を導ける疑問詞

基準となる問題[What]が与えられたとして、[When?][Who?][Where?][How?]はより具体的な下位の概念を導き出す働きをする。一方で[Why?]はその上位目的を問う上方向のアプローチである。

つまりWhy以外の疑問詞は、目の前の問題を解決するためのものである。一方Whyだけが、そもそもの問題が別のところにある可能性を探る働きをする。よってクリティカルシンキングなどの文脈では、「Whyを繰り返せ」というアドバイスが飛び交うのである。


○「数字に訴える」ことはアイデア貧者の最後の砦

何かを提案する立場になった時「値段」や「納期」などの数字で表現するものだけで戦おうとすることは思考停止していることを露呈しているという指摘。

数字で語ることが重要なのは「誰にでも納得性」があるから。それはつまり「誰にでも理解できる」、つまり誰にでもできる提案であることの裏返しである。

メタ思考の文脈では、時間やお金というのは「次元の低い」表現方法といえる。メタ思考を習得することで、相手のニーズをより「次元の高い」メタのレベルで解釈し、最後の提案ではぐっと具体にするというアプローチができる。


○破壊的イノベーションを起こす鍵は「アナロジー思考」にあり

いわゆる論理思考とは、目の前の具体事象に対し連続した積み上げを行うものである。一方で、上記の要約で取り上げたアナロジー思考はこれの対極の考え方。これは不連続な発想を生み出す「飛躍を起こす」ためのものなのである。

アナロジー思考を駆使すると、現状に囚われない新しい発想ができる。また抽象レイヤーを通ることにより、新しい概念を理解することにも効力を発揮する。

反対にアナロジー思考の弱点は、「ざっくり」していること。大きな方向性として大胆な仮説を立てることには役立つが、厳密な積み上げをするフェーズでは論理思考を発揮すべき。この使い分けを会得することが大事。


↓出典元

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