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【メモの魔力】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:メモの魔力
○著者  :前田 裕二
○発行  :幻冬舎 (2018/12/24)

■ざっくり要約

SHOWROOMの前田さんが、自身の習慣であるメモについて、その実践方法と思想をまとめた一冊。 

特に興味深かったのは、メモを取る行為をただ"事実記録"ではなく、抽象概念を見つける"知的生産"作業であるという定義をしている点。

メモを取ることを習慣づけることで、見える世界が全てネタの宝庫になる。それを一つ一つ昇華させることで、人生のコンパスを見つけよう、という著者の考え方は、見習いたいと感じた。特に、漠然と自己分析をしている就活生にはオススメしたい本。


■学びポイント

○メモを「第2の脳」として活用する

著者はメモを取ることは「外付けハードディスク」を備えているようだと例えている。自分の脳は可能な限り、想像力を発揮することに使いたいとのこと。

脳の役割として大きな"事実を記憶する"ことと、"記憶を呼び起こす"ことを、メモに代替していくことを提唱している。同時に、ただ記録するだけでは本質的にメモの意味はないと提言。「第1の脳」で知的生産をに活用するためのタネを集めることを念頭に置いている。

○「ファクト→抽象化→転用」

著者のメモ術のエッセンスは下記の3つ。

 > ①インプットした「ファクト」をもとに、
 > ②気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、
 > ③自らのアクションに「転用」する

メモを取る対象は"事実"という具体性の塊。これをただ記録しただけでは、他の分野に活かすことはできない。一方、「抽象化」とは得られた気づきが他の分野でも応用できる汎用性を獲得した状態の命題である。ここまで昇華できて、初めて「転用」ができるようになる。

大事なポイントは、「転用」までを見据えて「事実(ファクト)」に向き合うこと。他に活かせることはないか?というある種のカラーバス効果を意図的に醸成することで、世界はアイデアの宝庫になる。

○「我見」と「離見」の見

世阿弥が述べた言葉らしい。芸の世界において、良い演者と悪い演者を分けるのは「目」である。演じている自身がみている世界を「我見」。加えて、観客側からどのように見えているのか、あらゆる角度で自分を見る「離見」を磨きなさいという話。

メモを取ることは、事実記録であるため「我見」が強くなる傾向がある。これを抽象化→転用と昇華させていくためには、「離見」も意識をする必要があるとのこと。


↓出典元

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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