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人は見た目も重要だ

半恒久的ダイエッター

 ずーっと昔、はあちゅうが自らを「半恒久的ダイエッター」と自虐(?)して以来、その表現が気に入って勝手に使っている。

 現代社会は一日三食を心置きなく食べると必ず太るというバグがある。もちろん食べても太らないよ、っていう人もいるんだろうけど、そういう人は普段から体を動かしているか、あるいは代謝がすごくよくて、昔のアメ車のようにガソリンをめちゃくちゃ食う体のつくりなんだと信じている。少なくとも私の周りで体系を維持している人は、運動をしていたり、食に気を使ったり、なんらかの節制をしている。かくいう私も酒や食事を摂り過ぎないようにして、プランク(体幹トレーニング)をして、走って、そんな生活もだいぶ長くなって、気づけばすっかり半恒久的ダイエッターになっている。

 私のEvernoteには「ダイエットが終わったら爆食するものリスト」という箇条書きのメモがあるけど、コンビニスイーツやら、ウェブでみた和菓子やらが追加される一方で、リストの消しこみが始まるメドはたっていない。さすが半恒久的ダイエッター。

人気稼業とダイエット

 何のためにこんな苦行をしているかといえば、健康や自己満足のためでもあるんだけど、半分は仕事のためで、政治家という職業は人気稼業なので見た目も重要だからだ。ポスターやSNSに掲載する写真は修正できるが、実際の姿はなかなか修正できない。写真を修正しすぎたあまり、実際に会ったときに気づかれないという笑い話も界隈でたまに聞く。たとえ無修正でも、写りのいいのを使っているから、「あら、あんた写真とずいぶん違うわね」と言われるのはよくあることで、そういうとき、私は「昨日、うつ伏せで寝たから顔がむくんでるんです!」って言い訳をしている。こう言わなくて済むよう我々政治家は、実物を写真に近づけないといけない。

 そもそもの話、政治家の商品は志と政策だから、話を聞いてもらうところがスタートラインになる。だけど、見た目が悪いとそのスタートラインにすら立てないケースがあって、逆にビジュアルがいいと「おっ」と気を引き、興味を持ってもらうことができる。

 かつて小泉進次郎さんの人気が絶頂で、応援演説が上手いと評判が立ったとき、あるオジサン政治家が「いいよなあ、オレたちは演説しても、立ち止まって話を聞いてくれるところまでいかないもん」とボヤいていた。総理の息子で、若くて、イケメンだったら確かに立ち止まる、そこからがようやく本当の勝負。そう、興味を持ってくれるまでが遠いんだ。

権力に接しているからこそ節制を

 そんな状況だから、地方議会でも4年の任期のラスト一年になるとみんなダイエットをし始めて選挙に臨む。で、選挙が終わると、会合やお祭りばっかりでまた体重が増える。土日にイベントが重なって、あっちの町会で焼きそばを、こっちの商店街でフランクフルトを、夜は毎日会食ですって、食べてばっかりいる。口では「健康寿命延伸を!」っていってるけど、自分自身は健康に悪い生活をしている。
 それじゃさすがにダメだから、他で調整する。朝ごはんと昼ごはんは少なめにして、イベントと会食に備える。SNSで歌舞伎町のホステスさんが体系維持のため、「食事は一日一食、同伴だけ」って言ってて、同じじゃん! と思った。彼女も人気商売だからなぁ。

 食事を「我慢」するのはつらいことだけど、「節制」と考えると気持ちがすこし楽になる。政治家は日ごろから権力に接したり、権力をもったりする立場だから、なにかを控えること、自分を抑えることはとても重要だ。 
 日々、好き放題にやってる人が権力を持ったら、きっと好き放題に権力を使うことになる。だから節制は必要だ。プラトンもアウレリウスも言ってるし。そんな偉そうなことを自分に言い聞かせながら、今日も明日も節制をする。あー、お腹減った。

今年は生まれて初めてハーフマラソン(区民健康マラソン)も走った

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