アグリクロスで、未来農業に思いを馳せて
週末は愛菜家。 vol.28
「スマート農業への進出に向けたきっかけ作り」をテーマに名古屋で開催された展示商談会「アグリクロス」に足を運び、気になった展示ブースをリポート。熱い想いで最新のアグリテックにチャレンジする方々にお会いして、未来農業のヒントを探索してきました!
ポートメッセで開催された特別企画展「アグリクロス」
2022年の11月16日~18日、ポートメッセなごやで行われた日本最大級の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2022」の一画で「アグリクロス」が開催されました。
スマート農業に挑むベンチャー企業や農業分野に参入している大手企業、愛知県などがブースを設けて取り組み紹介を行なっていました✨
【あいち農業イノベーションプロジェクト】ブース
はじめに取材したのが「あいち農業イノベーションプロジェクト」。
愛知県のスマート農業を普及推進するためのプロジェクトとして、2021年9月にスタートしたそう。
お話を聞かせてもらったのが愛知県スマート農業推進協議会の福田さん(左)と市川さん(右)。
愛知県農業総合試験場や愛知県内のさまざまな大学、企業、農家さんなどが協力し、6テーマ51の課題を策定。それぞれが持つノウハウや技術、アイデアなどを結集して技術開発を加速させています。各課題の解決に向けて、さまざまな実証実験などがすでに始まっています。
【株式会社デンソー】ブース
続いて見学したのがデンソーブース。
東海エリアなら知らぬ人はいない大手自動車部品メーカーが、今なんと「農業」にも力を入れているんです。
2022年5月に定款を変更し、農業への本格参入を発表したデンソー。
モノづくりの技術を農業に活かして新しい価値創造にチャレンジしています。アグリクロスでは最先端のソリューション事例が紹介されていましたが、デンソーの公式WEBサイト( https://www.denso.com/jp/ja/driven-base/project/agriculture/ ) でも、さまざまな農業に関する情報が掲載されていますので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
【AGRICOM(株式会社エボレボ)】ブース
AGRICOM(アグリコム)は、今までありそうでなかった農機の貸し借りプラットフォーム。農機を効率的にシェアすることで、地域での助け合いや収入UP、コスト削減など好循環が生まれます。
ウェブサイトを展開する株式会社エボレボの小山さん。
アプリではなくあえてウェブサイトで展開することで、ご高齢者のハードルを低くしているそうです。
腰を曲げての作業が多い農業の負担を軽くするアシストスーツが1日あたり900円(2022年11月現在)で気軽に借りられます。
【AGRIST株式会社】ブース
農業の負担を減らすロボットの展示も行われていました!
こちらはAGRIST株式会社が手がけるピーマンの収穫ロボット。
モニターで収穫するピーマンの位置情報を把握して自動で収穫。ピーマンは中身が空洞でクッション性があるため、収穫しやすくロボットとの相性がいいそうです♪
経営企画に携わる峯野さん。元々は釣りに使うリールの開発者。地元に貢献したいという思いでUターンしたそう。
AGRIST株式会社では自社農園でノウハウを集積し、栽培システムやノウハウごとパッケージ化して農業に参入したい企業さんや農業法人さんに提案しているそうです。
【株式会社トクイテン】ブース
株式会社トクイテンは2021年8月に設立した有機農業×テクノロジーのスタートアップで、知多市にある自社農場でミニトマトの有機栽培を行いながら、AIとロボットによる農業の自動化システムを開発しています。
トマトの色づきをAIで認識し、ロボットアームが自動で収穫してくれます。
「トクイテン」の社名は数学や物理学で用いられる「特異点」という専門用語から付けられたんですって。
デモンストレーションで実際に収穫する様子を見せていただくことができました!
収穫したトマトはカートで運ばれます。
2023年には新たなラインナップの発表会があるとのことで、そちらも楽しみですね♪
農業は、もっともっと楽にできるはず。
自然を相手にする農業では、気候や自然災害など人間の力ではどうにもならないことも起こります。しかし、これまで人力で行なってきた作業や、長年の経験や勘からでしか導き出せなかった工程を機械化やAI化することで、もっともっと楽にできるはずという想いが取材したみなさんからひしひしと伝わってきました。
私たちの生活と切り離せないほど大事なのに人手不足や高齢化が課題となっている農業ですが、もっと楽に、もっと身近になることで、新規参入する方や企業がどんどん増えていくといいですね!