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田舎道でイノシシと遭遇する話は、他人事ではなかったこと。

この夏に久々に友人に会うことになり、うちの近所でごはんを食べる約束をした。食後、友だちがどうしても行ってみたいカフェがあるというので案内してもらうと、その場所はうちの目と鼻の先。

大阪で暮らしていると、いつの間にこんな店できてたん? と驚くことは日常茶飯事。かたやうちの田舎に至っては、何年経ってもまったくといってよいほど何も変わらない。それがいいところなの……か?

昨年、田舎で暮らす友人に、コロナ禍が明けて約3年ぶりに帰省する報告をしたところ、「こちらは何も変わりません」とのLINEが届いたのだが、まったくもって嘘偽りのない報告だった。友よ、ありがとう。

ただ、今回約8ヶ月ぶりに帰省したところ、この間に見事に変化していたことがある。決しておしゃカフェなんぞができたわけではない。どこのお宅の田畑の周りにも、電気柵が張り巡らされていたのだ。

みなさん、電気柵ってご存知ですか? デ・ン・キ・サ・ク? 頭にいくつもはてなマークがついたみなさんは、都会人決定です。田舎に住んでいたり、農業に携わっていたりしない限り、ピンとこないワードなんじゃないかと思われる。

田舎を離れて久しい私でさえ、初めて聞いたときは何それ状態でした。電気柵とは、イノシシの田畑への侵入を防ぐためのもの。柵には電流が流れているのだ。

山に食べ物がなくなってきた昨今、都会の街中にさえイノシシが出没するというニュースを見た。うちの田舎でもイノシシの目撃情報は珍しくない。けれど、実際に私がこの目で見ることになったのは、つい先日。散歩中の出来事。それほど長い間、帰省しているわけではないにもかかわらず見たのは、やはりそれだけ出没頻度が増しているということなのか。

一般的に、出没頻度が高いのは夕方や夜なのだそう。けれど、私が歩いていたのはおやつタイム。午後3時。がしがし勢いよく歩いていると、人様の畑のほうから、もそもそという音が聞こえてくる。その先に目をやると、小さな獣の後ろ姿が!

一緒にウォーキングをしていた親に「あれ、何?」と問いかけると、「イノシシ」と非常に冷静なトーンで返事が返ってきた。私が「ぎゃー!! イノシシ? 危ないんじゃない? 逃げなくていいの?」と畳みかけるように問いかけるも、「あなたの大きな声の方がイノシシを脅かす」と言い放つ親は、イノシシより私を危険視しているではないか。

だが、イノシシは一度もこちらを振り向くことはなく、山の方へのそのそと帰っていった。見かけたのは、子どものイノシシなのだそう。もはや私には、大人なのか子どもなのかさえ見わけがつかない。子でもかなり大きかったので、大人となるとめちゃくちゃデカいのではなかろうか。

いやはやしかし。イノシシに遭遇したら、どうしたらいいのだろう。(調べろよ!)防御対策を頭の中に入れておいた上で、ウォーキングをしなければ。都会とは、また違った危険な存在があるのだと身を以って知ったのでした。

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