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~計算力を爆アゲせよ!⑥~「計算にも記憶が大事!」東大生が断言する理由とは


皆さんこんにちは!
計算の申し子こと、現役東大生の永田耕作です。 

みなさんは「暗黙知」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 
「暗黙知」とは、個人の経験によって身についた、言語化されていない方法論のことです。「暗黙の知識」を略した言葉ですね。
 
分かりやすい例が、自転車の乗り方です。
 
自転車に乗れる人でも、自転車の乗り方を一から説明してください、と言われたらちょっと難しいですよね? 無意識にやっているので、どういう手順で、どうバランスを取るか、などは言葉にしにくいでしょう。これがまさに暗黙知です。
 

「計算力爆アゲ」と銘打っているのに、なぜわざわざ最初にこんな話をしたのか。

それはこの暗黙知が、計算においても非常に大事だからです。
 
例えば、九九を暗唱できる人は、おそらく「3×6」の計算を行う際に「3が6つあるから足し合わせて…」などとは考えず、直感的に「18」と答えるでしょう。 

このように、計算の中には反復によって結果を「覚えている」ものが存在します。この知識を増やしていくことが、計算力アップにつながります。
 
ドラゴン桜のマンガでも、「スポーツのように反射的に答えられるようになるまで練習しろ!」というシーンがありましたね。

今回は、「計算を記憶せよ!」ということで、記憶を駆使していかに計算力を鍛えられるかを紹介していきます。

皆さんもこれを読んで、楽しく計算力を身につけていきましょう! 


記憶としての計算力 

早速ですが、皆さんに一つ問題です。
 
「2の10乗は、いくつでしょうか?」
 

さて、どうでしょう。
すぐに答えを出すことはできましたか?
 
答えられたという人もいれば、計算が苦手でなかなかできない…、という人もいたでしょう。 

ところが、この問題を理系の東大生に出題すれば、90%以上の人が「一瞬で」答えを出すことができます。
 
このように聞くと、「やっぱ東大生は計算が早いんだ」と思うかもしれません。しかし、実はそうではないのです。

東大生だって、どんな計算も素早くこなせるわけではありません。一瞬で解けるのは、2の10乗の答えを「記憶」としてすでに覚えているからなのです。 

2の10乗を計算するコツとしては、2の10乗を「(2の5乗)の2乗」と分解して、まず2の5乗を求めます。

2の5乗は「2×2×2×2×2」で「32」となるため、2の10乗は「32の2乗」、「32×32」を計算して「1024」となります。

答えを一瞬で出せる東大生も、最初はこのように分解して一つ一つ計算していました。 

では、なぜ東大生はこの「2の10乗」を覚えたのか。それは、数学の問題でたびたび出現するからです。
 
頻出なのが「確率」の単元です。この単元の入試問題では、コインを投げたり、サイコロを振ったりした時の現象の確率について計算する問題が出題されます。
 
例えば、「コインを10回投げて8回以上表が出る確率」を考えるとしましょう。

コインを1回投げたときには「表」「裏」の2通りの出目があるため、2回投げたときの出目の組み合わせは2の2乗で4通りになります。同様に考えると、10回投げたときの出目の組み合わせは「2の10乗」通りになります。
 
出てきましたね?
 
このように、「2の10乗」は思ったよりも身近に出現する数字なのです。
 
確率の演習問題をたくさん解いている東大生は、この「2の10乗」の計算に何度も何度も遭遇します。そして、どこかのタイミングでこう思うのです。
 
「これ、毎回計算するくらいなら、覚えた方が楽じゃね?」
 
このように考えた東大生が、「2の10乗=1024」と計算結果だけを記憶して、計算の時間を短縮しているのです。これが「記憶としての計算力」です。 

他の例としては「5の階乗」があります。 

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