「東京から島根の高校へ留学→塾なしで東大に推薦合格」 川瀬さんの異色の受験記・後編
みなさん、こんにちは!
現役東大生の川瀬ありさです。
前編の記事では、私が東京の高校を自主退学して島根の高校に留学した経緯や、東大の推薦入試を受けようと思ったきっかけ等についてお話ししました。
まだ前編をご覧になっていない方は、先にこちらをご覧いただければと思います。
今回の後編の記事では、私が実際にやっていた推薦入試に向けての対策や、当日の面接でどんなことを話したのかを詳しくご紹介したいと思います。
①推薦入試を受けるにあたって
自分が受験して入った学校を自主退学してまで懸命に取り組んだ課題活動や探究活動から得た学び、そして「この学問を学びたいんだ!」という意欲を活かせる入試が東大にもあると知り、これらを自分の武器にしようと考え受験を決めました。
それと同時に、私は「東大教育学部に行きたい!」という思いを持った時期が遅かったことや、高3になってからも探究活動を続けていたことから、東大の一般試験を受けることは難しいと判断しました。つまり、私が東大教育学部に行く手段は推薦入試しかなかったとも言えるわけです。
教育学部の書類選考には、志願書(いわゆる志望理由書)と高校時代に取り組んできたものを証明する書類等が必要になっています。
私は高校時代、主に探究活動や部活動を行ってきたため、実際にどのようなきっかけ・目的でそれらを行ったのか、結果はどうだったか、そこから自分なりに考えた・学んだこと等をまとめた報告書を作成しました。
それに加えて、どうして「地域みらい留学をする」という進路を選んだのか、今までの自分の人生と関心分野との関連について簡単なエッセイ的なものを書き、提出しました。
他の受験生は論文や報告書を提出したようで、私のようなエッセイを出した人は少ない気がしますが、自分の考えや強みが最も伝わりやすい形だと判断し、作成・提出しました。
このように提出物に関して細かい規則がないことが教育学部推薦入試の大きな特徴であり、自由とも難しいとも捉えられるところだと思っています。
推薦入試に関する情報については、当初はインターネットで収集していました。私が今書いているこの記事のようなものを必死に探していましたね(笑)
加えて、地域活動をする中で偶然出会った方や高校の先輩のご友人が、東大教育学部推薦入試の合格者だったため、オンラインツールを用いて受験対策についてお話を伺うこともありました。
ただ、これから、もしくは現在情報収集をしている皆さんに注意してほしいこととして、コロナ禍により受験形式が変わったため、先輩の受験形式と全く同じ試験形式であるとは限らないということが挙げられます。
実際、私が受験した年は、その前年とは形式が異なっていました。受験形式が変わる要因はコロナ禍に限らず、学部の方針転換等もあるかもしれないので、推薦入試を考えている人は気をつけてください!
②当日の試験と面接について
教育学部の推薦の試験は、ポスター発表と面接の2本立てになります。
まずポスター発表についてです。事前準備として、受験生はそれぞれA0版の用紙1枚に自分が高校時代に取り組んできた探究活動の内容や研究の結果、課題意識などについてまとめていきます。
そして試験当日は、それを用いて教授と他の受験生の前で7分程度のポスター発表を行い、8分間質問を受けるわけです。
「受験者同士で質問し合うってかなりシビア…」と思っていましたが、(個人的には)意外と他の受験者の発表を楽しんで聴くことができるくらい和やかな雰囲気でした。
そしてポスター準備について。情報量が多くなりすぎないように情報を取捨選択したり、レイアウトを考えたりするのが大変でした…。
しかし、驚くべきはその労力よりも準備期間の短さにあります。
書類選考の合否がわかったわずか8日後にポスター発表と面接を控えているんです。もう東大からの挑戦状としか考えられません。
私の場合は「8日間で用意できるわけがない!」と思っていたことや、東大の一般試験は受けず推薦型選抜に全振りしようと決めていたことから、書類選考の合否発表前から準備していました。
ちなみに私が書いた内容は、高校時代に行った対話の探究活動についてでした。具体的には、探究活動を行った経緯、探究活動の内容・仮説、活動時に行ったアンケートの分析結果、まとめ、今後の展望といった項目を書きました。
次に面接について。教授6人対、受験者1人で行われます。時間は15分前後でした。
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