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優先すべきは語彙力! プロ講師が教える国語の勉強のコツ


皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾長の永田耕作です。
 
今回のテーマは、ズバリ「現代文の勉強法」です!

皆さんは、現代文の勉強をどのように行なっていますか?

ただでさえ自主学習が難しいと言われている国語の中でも、特に何をすれば良いか分かりにくい「現代文」という教科。

問題集を解き進めたり、志望大学の過去問を解いたりしてもどこかしっくりこない、という人も多いことでしょう。
 
確かに、現代文は「これをやれば安定して点が取れる!」という特効薬のような勉強法はあまり存在しない科目です。
 
しかし、だからこそ、上達するための掟(オキテ)をきちんと押さえておけば、確実に力をつけることができる科目と言えるのです。
 
今回は「コトバの底力」と題して、布施川さんに国語力向上のための秘訣を教えてもらいました。
 
布施川さんはこのドラゴン桜noteを始めとした、様々なメディアで現役東大生ライターとして活動されている一方で、現代文のプロ講師という顔も持っています。

読解力の土台となる語彙力の鍛え方の説明を聞いて、僕はさすがプロだなと思わされました。ぜひ皆さんもこれから伝える現代文上達のための「3箇条」をマスターして、現代文を得意科目にしてみましょう!


①国語ができないのは〇〇不足!

現代文の話をする際、布施川さんは「これを聞かなきゃ始まらない」という問いかけがあるようです。それはズバリ、

「国語ができない原因を、自分では何だと思っていますか?」
 
という質問です。
 
ここで「読解力が足りないから」と答える人は、本当の原因が分かっていないと布施川さんは断言します。
 
これについては、意外に感じた人も少なくないでしょう。「読解力」は国語の勉強においても非常に重要なものとして扱われていますし、現に国語力やテストの得点力に直結します。
 
しかし、この「読解力」という言葉は、ある程度の「語彙」を習得して土台を作った先にあるものなのです。
 
国語の読解において第一に重要なのは、使える言葉を増やすことです。当たり前の話ですが、知らない単語は使いこなすことができません。
 
たとえば、みなさんは「自己目的化」という言葉を説明することはできますか?
 
聞いたことがあったり、なんとなく分かっている感覚はあっても、いざ説明しろと言われると難しい人も多いと思います。
 
具体例を挙げて説明しましょう。

布施川さんは最近英会話教室に通っているのですが、その当初の理由は「仕事で使うから」だったそうです。
 
ところが、通うにつれて状況が変化したり、英会話の楽しさを見出したりして、最近では「英会話をするために、英会話に通っている」という状態になっています。このことを、布施川さんは「自己目的化」だと表現しています。

つまり自己目的化とは、「手段が目的になること」を指します。

もちろんこの一言でも正しい意味の説明になっていますが、先のような具体例が瞬間的に出てくるようになって、はじめてその言葉を使いこなすことができるようになったと言えるでしょう。

文章が読めるかどうかは、このような言葉の理解が前提になります。

現代文の問題では「ア・プリオリ」や「可塑性(かそせい)」など、普段の日常会話では使わないような堅苦しい言葉が使われることがよくあります。
 
英語の勉強で単語を覚えるのと同じように、国語でもまず語彙をきちんと押さえ、その上で「読解力」を上げていく訓練をすることが必要なのです。


②辞書になるな!

ここからの話は全く別のテーマのように見えて、先ほどの語彙力の話が、ここにつながってきます。
 
この「辞書になるな!」という言葉は、「辞書の説明を丸暗記するな!」ということです。

もちろん、辞書を引くという習慣があるに越したことはありません。分からない単語を調べる癖があるのはとても素晴らしいことですし、どんどん語彙力がついていくでしょう。
 
しかし、辞書を引かなければならないと思いすぎて、国語や現代文が嫌いになってしまったら本末転倒です。

実際、国語が苦手になる原因として、「辞書を引くことが面倒であるから」という理由はかなり上位に来ます。
 
本来は語彙力を高めて、文章を読むことを楽しくするためにある辞書が、国語嫌いを増やす原因となっているのはとても悲しい事実です。
 
だからこそ、辞書の意味はもちろん重要ですが、そこまでとらわれすぎないでほしい、と我々は思っています。

例えば、「具体」と「抽象」という言葉の意味を辞書で引いてみると、このような説明がなされています。

「具体」:物事がはっきりとした形態・内容を備えていて、直接知覚できるものであること。

「抽象」:事物や表象からある性質・要素・共通性をひき出して把握すること。また、把握して一般的な概念をつくること。

『明鏡国語辞典 第二版』より

いかがでしょうか。「え? そんな意味だっけ?」とか、「余計に分かりにくい」と思った人も多いでしょう。

文章を読む上では、辞書的な意味をそこまで正確に覚えていなくても、「具体=分かりやすい一つ一つの例」、「抽象=全部の共通点をまとめたもの」くらいの理解度でいけることがよくあります。
 
この例に限らず、辞書的な意味とは少し異なって認識していても、問題なく読めることは多々あります。
 
毎回毎回辞書を引くのが面倒で、しかも意味を読んだところで説明が難しくて理解できなくて国語が嫌いになる…。
 
そんな事態を防ぐためにも、辞書の意味にこだわりすぎない心構えが重要なのです。
 

③理解の境界線とは

最後は、「理解の境界線」という話です。これは、先ほどの具体と抽象の話ともリンクしていきます。

現代文プロ講師の布施川さんは、「実戦で使えない知識は知識ではない」と断言しています。

つまり、ある一定程度の理解度がなければ、その物事を知らないのと同じだということです。

この「一定程度の理解度」があるかどうかの判別を分かりやすく説明したのが、次の図です。

これは、前述した「具体」と「抽象」のイメージを表している図表です。
 
この図では、外側の円から内側の円に進んでいくにつれて、徐々に指すものが具体的になっていきます。
 
たとえば、「万物の中には動物がいる。その動物の中には、猫という種類がある。その猫の中には、三毛猫という種類がある。その三毛猫のなかに、タマと名付けられた猫がいる。」というふうに、どんどんと事象が限定されていきます。
 
言葉を本当に理解できている状態というのは、辞書の意味を覚えているかどうかではありません。
 
そうではなく、言葉に対してこのような構造化したイメージを思い浮かべられるか、あるいはこの図にある「動物 → 猫 → 三毛猫」のように、自分で具体例を挙げられるかどうかが重要なのです。
 
だからこそ、先ほど布施川さんは「辞書になるな!」と言っていたのですね。正確な定義ではなく感覚的な理解であっても、このような説明ができればOKということです。

言葉を使いこなして国語の力をつけるには、この「理解の境界線」を超えられるかが大事だということですね。 

辞書的な意味を覚えて満足しないよう、注意が必要です。


おわりに

今回は「現代文上達のための3箇条」ということで、実際に現代文を教えているプロ講師の布施川さんに勉強法のコツを教えてもらいました。

今回の話は、僕が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」でより詳しく説明していますので、ぜひこちらもご覧ください!

今回の記事は、ここまでとなります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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