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知ることから、Feel India.【#4】
インド生活一日目。
6:00頃、デリーのホテルで朝を迎える。
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昨晩チェックインしたばかりだけど、この日はアグラに移動するため早々にチェックアウトし、タクシーで駅へと向かった。
当たり前のように道路を逆走するタクシーに怯えと逞しさを感じながら、ホテルから駅までの道を眺める。運転手は対向して走るトゥクトゥクとめちゃくちゃ口喧嘩してた。逆走しているのは僕達だけど。
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タクシーを降りニザムディン駅へ到着。乗り場までの階段が長く、チップ狙いで声をかけてくるインド人を避けながら、はちきれんばかりのスーツケースを抱えてホームへの入口へと向かう。
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階段を登りきりホームへと向かいながら、インドで初めて見た朝日を見た。
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ピンク色の空に濃い赤色の、クッキリと丸い形が浮かび上がる。駅から眺めるインドの朝日は、いつかテレビか映画か絵画で見たような、まさに絵に描いたような真っ赤な円形をしていた。
そして、駅の屋根には野生の猿が闊歩し、誰もその様子に見向きもしない。これがこの土地の日常なのだ。
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インドの列車は、当たり前のように遅れるし、乗り場がコロッと変わったりするから、日本の鉄道がどれだけ正確なのかがよく理解できる。(慣れてないからかもしれないけど)インドではどの時間に、どの列車の、どの車両の順番で来るかが大体の憶測でしかわからないので、この日は駅のホームを右往左往した。
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電車が乗車駅に到着する時間が延びたので、その隙に売店で朝ごはんを購入する。「売店で朝ごはんを買う」という行為でさえ、僕にとっては大冒険だ。
同行者が英語で買っている様子を見よう見まねで真似して、パイのようなものとポテトチップスと水を買った。
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列車が到着するが、発車までに少し時間があったのでスナップをする。しかしこの判断が間違いだった。車両に乗ると、席の上の荷物置き場はギチギチに詰まっていたのだ。
困っている我々をインド人お父さんが見かねて話しかけてくれた。なんて言ってるかはわからないけど、僕らの荷物が置けるように何か指示を出されてるのはわかる。
お父さんのジェスチャーに促されるまま、他の乗客が詰んだキャリーケースを掲げ、乗せ替え、掲げ、乗せ替えを繰り返し、3名のうち2名のキャリーを収納することができた。
その後席に着いたらもう一度お父さんに呼ばれ、全く関係ない乗客の荷物整理もさせれらた。初日にインド親父にこき使われる三谷。去り際に「You're muscle!」みたいなことを言われてた気がする。
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そうこうしている間に列車は走り出した。ここから何時間かかけてアグラカント駅に向かう。
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汚れた窓と空気で霞んだ景色を眺めながら、売店で買ったパイを頬張り、パイの皮をボロボロと落とす。真ん中の方に少しだけ芋のようなものが入っていた。正体は不明である。
朝早かったこともあり少しだけまどろみながら、周りがインド人だらけの車両を少し見渡した。僕は今インドの列車でインドを移動している。
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列車の発車時刻が曖昧ということは、到着時刻も曖昧ということだ。おおよその想定時刻と地図アプリを見ながら周りの様子も見て、降りる準備を進める。インドの列車は入口とホームに高低差があり、重いキャリーを下ろすのも一苦労だ。
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アグラカント駅に着き、事前にやり取りしてくれていたガイドのカーンさんの一族と合流した。
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カーンさんはまず僕らに花の輪を首にかけてくれた。「たぶん」ジャスミンとバラと言っていた気がする。こんな感じで、言葉と文化に対する教養がないことでコミュニケーションが一歩、二歩遅れてしまう経験をこの旅では何度もした。
だからこそ楽しめたこともあるけど、やはり少し歯痒い思いが強い。
それはさておき、カーンさんが運転するトゥクトゥクに乗ってホテルへ向かう。
3名分の荷物を積んだトゥクトゥクは日本基準ではキャパオーバーだが、インドにはそんなルールはない。乗れれば良い。たぶん。
ということで僕は運転手の横の僅かなスペースに、半身が車体からはみ出る形で乗車した。
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せっかくなのでトゥクトゥクからスナップ。
初めて間近で眺めるインドの街並み。光と色と、人の活気や動物、慣れない情報がぐちゃぐちゃになって押し寄せてきた。
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ホテルに荷物を置き一息ついて、カーンさんがご自宅に招待してくれることになった。インド初日に現地の方のお家に入れるとは思っておらず、異文化交流に胸が躍る。
トゥクトゥクに乗って、まずはカーンさんの妹さんの家でヘナタトゥーを入れてもらった。僕はするつもり無かったけど、女性陣が楽しそうだったので混ぜてもらう。
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待ち時間の間、ご家族様が作り立てのチャイを出してくれた。現地の家庭のチャイ…!めちゃくちゃ魅力的に感じつつ、まだ到着間も無くインドの衛生環境に不安を持つ僕はかなりビビっていた。
でも、こんな機会滅多にないよな…という気持ちが勝り、勇気を出して一口啜る。めちゃくちゃ美味い。なんかもう正直味より気持ちが美味しかった。
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お家の周りも少し散歩させてもらった。日本人が珍しいのか子ども達が集まって笑っている。がおー!と近づくと笑いながら逃げて、少しほっとくとまた集まってきた。隣ではおばさんが昼寝していた。
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全員分のヘナタトゥーを入れ終わると、またトゥクトゥクに乗って移動。カーンさんのご自宅に上げてもらった。そこが表口なのか裏口なのかはわからないけど、細い路地の奥、ドアのようなものは無くて、建物に入るとすぐにキッチンがある。
キッチンから右手に入ると客間のようなスペースがあり、ソファに荷物を置いて、台にマットレスと毛布を敷いたようなスペースに案内してもらった。
そして僕達は、カーン家で衝撃の出逢いを果たす。
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ねこちゃん(^ω^)!!!!
お目目くりくり子ねこちゃん(^ω^)!!!!
インドにも家猫がいるのか、と新たな発見を得た。
ここでもカーン一族の子ども達が僕らを珍しそうに、笑いながら覗いたり、近づいたら離れたりしている。
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インドの料理風景を拝見させていただき、そして料理が並べられた。
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ビリヤニとロティ、カレー、それにヨーグルトスープのようなものとチキンフライ。
だった気がする。本音を言うと、嬉しすぎて写真を撮るのを忘れていた。というか、基本的にこの旅ではインド料理に貪りたい心が強すぎて撮ることを忘れ、食事中の写真ばかりになっていた。
とは言えこの当時はまだまだインド料理慣れしておらず、自分にとってはどれも新鮮で、好奇心と恐れの両方を持っていた。
意を決していただく。べらぼうに美味い。ビックリした。テンションが上がり、インド風に倣ってビリヤニを手で食べてみる。美味い。
水道水で洗ったであろうコップには手をつけられずにいたが、ガイドの一人がコップにスプライトを入れてくれたのでいただいた。正直、辛さに対して飲み物が欲しかったから、これも意を決していただいた。
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食事を終え、カーン一族のうちの二人が改めて観光に連れて行ってくれる。「ベイビータージマハル」と言っていた。正式名称は「イティマード・ウッダウラー廟」と言うらしい。
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ガイドさんが英語で何やら説明をしてくれていたが、僕には何を言っているかわからない。同行者2名は英語話者なので、ガイドとその2名でコミュニケーションが始まる。
途中までは「なんて?」と聞いていたけど、毎回聞くのが億劫になって途中でやめた。少し寂しい気持ちと勿体無さを抱えながら、目と肌で感じるベイビータージを楽しむことにする。
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お墓とは思えない豪華で可愛い建築(?)。
これらの紋様は絵ではなく、全て石細工だ。
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白大理石に花を始めとした様々な紋様の石を削り、はめている。
約400年前に建てられたインドの建築物を見て、日本の寺社仏閣にも思いを馳せ、その場を後にした。
帰りに、タージマハルを裏側から見れる場所へ寄り道してくれた。明日の朝に対面する感動を置いておきたかった気持ちも抱えながら、夕焼けに染まるタージマハルを眺めて一息つく。
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ホテルに着いて、少し整理してすぐに寝た。実はまだインドに来てから水が怖くて風呂に入っていない。
まだインドに対して少し距離を感じながらも、ガイドさんのおかげで一日中インドを楽しめたことへの感謝と、言葉と気持ちを交わすことができないことに寂しさを感じながら、インド一日目は幕を下ろした。
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