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【ライフ】人生の秋は「好きなことだけして生きていく」


死ぬときの5つの後悔

人生の折り返し地点をだいぶ過ぎたなと自覚する身としては、「残りの人生を悔いなく全うできたらいいな」と常々考えている。

そんな時に参考になる書物が、ブロニー・ウェア著『死ぬ瞬間の5つの後悔』であるらしい。

あるらしい、と書くのは実際には読んでいないからだ苦笑。最近、視力の衰えと共に、細かい字の本は苦手になっている。だから、ここで紹介するのは伝聞情報に過ぎない。

それは兎も角として、本の中で書かれている死ぬ間際の後悔とは、以下の5つだそうだ。

・自分に正直な人生を生きればよかった
・働きすぎなければよかった
・思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
・友人と連絡を取り続ければよかった
・幸せをあきらめなければよかった

ブロニー・ウェア著『死ぬ瞬間の5つの後悔』

作者は緩和ケア介護を長年務めており、その経験に基づいて書かれた本であるからであろう。この歳になって聞くと、そのどれもが、重い説得力を持って迫っている。

誰もがそうであると思うが、自分も死ぬ間際に後悔はしたくない。それでは、死んでも死にきれないからだ。

そう考えた時に、「これからの人生は、好きなことだけして生きていこう」と強く思った。


人生における4つのステージ

古代中国の五行思想では、人生のステージを4つの季節に例えて理解していたようである。すなわち、『青春』『朱夏』『白秋』『玄冬』の4つの季節だ。

古代と現代とでは平均寿命が異なるため、どの季節が何歳に相当するかを一律に決めるのは難しい問題であるが、自分の勝手な解釈では、おおよそ、以下のような年齢区分になると考えられる。

  • 青春:30才未満   独身

  • 朱夏:30~60才未満 子育て・現役

  • 白秋:60~80才未満 リタイア

  • 玄冬:80才以上   晩年

むろん、人によって人生のステージは異なるし、現代では独身のまま、或いは結婚しても子供を持たないまま一生を終える人も珍しくない時代ではある。そうであるにせよ、身体的、精神的な発達や衰えを考えた時には、この4つのステージは、人生のイメージによく当てはまっているように思える。

この年齢区分に依れば、還暦を迎える頃がちょうど、『朱夏』から『白秋』への季節の移り変わり時期に相当するが、自分も今そのような人生のステージに立っている。

人生の上り坂である『青春』『朱夏』が、眩しく熱い季節であるのに対して、『白秋』は、人生の峠を過ぎた下り坂の季節の始まりであり、何か物悲しい感じもする。

しかし、やがて来る『玄冬』は、ちょうどいま自分の親がそうであるように、認知症が進行し体の自由も徐々に利かなくなり、ただ静かに過ごすだけの生活となってしまうだろう。

人生の最終盤である『玄冬』に大した活動が見込めないとすると、死ぬ間際に後悔しないためには、必然的に、その前の『白秋』を是が非でも充実させて生きる必要があることになる。


人生の秋を充実させる活動に必要な3つの資源

人生の秋(『白秋』)を充実させる活動には、以下の3つの資源が必要不可欠であると考えられる。この3つの資源が全て揃わなければ、満足な活動ができないと思うのだ。

  1.   → 先立つ資金が無ければ活動できない

  2. 時間 → 自由になる時間が無ければ活動できない

  3. 健康 → 健康でなければ活動できない

ここでは、『青春』『朱夏』『白秋』『玄冬』の4つの人生のステージ毎に、各資源がどれだけ当てられるかを表にしてみた。

60歳以降も働いた場合

『青春』は、時間健康もあるが、がないため、貧乏な活動しかできない。

『朱夏』は、健康もあるが、時間がないため十分な活動ができない。仕事とは、自分の時間を売ってに換える手段と言い換えることもできる。

『白秋』は、定年退職後の選択に大きく左右される。もし、60歳以降も働いた場合は、はあり健康も辛うじて保てているが、相変わらず時間がないため十分な活動ができない。

『玄冬』は、健康も尽きて、あるのはただ時間のみであり、活動ができない。

結局のところ、『青春』『朱夏』『白秋』『玄冬』のどの人生ステージにおいても、金・時間・健康の3つの資源のうち、いずれかが欠けているために、充分な活動ができないのだ。

このまままでは、死ぬ間際の後悔を無くすことができないではないか?

そんな絶望感も浮かび上がってくるが、選択を変えれば、人生を変えることはできるはずだ。

では、どうすればいのか?

上記は、60歳以降も働いた場合を想定したが、60歳で完全リタイアしたら、状況はどう変わるだろうか?

60歳で完全リタイアした場合

実は、60歳で完全リタイアした場合は、金・時間・健康の3つの資源が全て揃う黄金の『白秋』時代を迎えることができるのだ。

逆に言うと、人生のステージの中で、『白秋』のみが、そのような選択が可能な季節なのだ。

近年では、高齢化社会の進行に伴って年金受取開始年齢の高齢化と60歳の定年後も65歳どころか70歳まで働くことが既成事実化しつつあるが、本当にその選択でいいのか、今一度考えてみる価値はあるのではないだろうか?

むろん、リタイアすることで、金のフローは細ってしまうのは事実であるが、その分はストックで補えばいい。つまり貯蓄を利用するのだ。

は、金・時間・健康の3つの資源のうち、唯一ストックを増やせる資源、つまり貯蓄しておける資源である。

ただし、『白秋』を迎える頃になって急に金策に走っても間に合わないのは勿論だ。若いころから、NISAなどの非課税制度を活用した資産運用を実行し、将来に備えておく必要があることは言うまでもない。

何事も準備が肝要だ。

なお、資産運用については、今まで散々記事にしてきた。下記マガジンの無料記事を参照して欲しい。


好きなことだけして生きていく

60歳で完全リタイアして黄金の『白秋』時代を迎えることができたら、その後は、どう過ごすのか?

自分は、『好きなことだけして生きていく』と決めている。

そうすることだけが、死ぬ間際の後悔を消し去ることができる唯一の手段であると信じているからだ。

もちろん、リタイアしたからと言って、社会との繋がりが切れてしまうわけではなく、相変わらず面倒くさい人間関係は続くし、日々生活していく上で好きじゃないこともたくさんこなさなきゃいけない。また、資金面の不安が全く無くなったわけでもなく、悩みもいっぱいある。

それでも、自分の人生を自分でコントロールしている感覚はとても心地よいものだと思う。

人生の秋(『白秋』)は、そのような心地よい風を感じながら過ごせる季節にしたいと願っている。


※本記事は、個人の感想を述べたものであり、特定の思想や行動を推奨するものではありません。また、特定の団体、個人を誹謗中傷する意図はありません。


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資産運用に興味のある方は、拙著『資産運用の新常識』をご覧ください。

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