成長

泣いた時、目を擦るから目が腫れると思っていた。

高校受験に失敗した時、目をパンパンに腫らせてしまった。

親にはバレたく無かったのに。

泣いたら腫れちゃった！とあからさまに空元気を出したのを覚えている。

大学受験を失敗した時、シャワーを浴びながら涙を流した。

擦ると目が腫れるから涙はシャワーで流した。

脱衣所の鏡を見たら目がパンパンに腫れていた。

初めて目が腫れるのは擦るからではなくて、涙を流すからだという事に気がついた。

就職活動が今ひとつうまく行かずに泣きたい気持ちになった。

だけど泣くと目が腫れてしまうから、涙を流すのはやめた。

これを成長と呼ぶには寂しすぎるけれど、私が失敗から学べたのはこれくらい。

失敗から得られる事があるなんて言うけれど成功した方が良いに決まっている。

負癖がついた私は、きっとこれからも意味のない失敗をし続けるんだろうな。