朗読の行方(ゆくえ)

朗読の行方(ゆくえ)というアカウントで、短歌とAIアート 未多来 mita_kuru …

朗読の行方(ゆくえ)

朗読の行方(ゆくえ)というアカウントで、短歌とAIアート 未多来 mita_kuru 名義で短歌とエッセイ・コラムを書いています

マガジン

  • 七十二候 研究

    2023年~2024年までGRAVITYで公開していた七十二候に関するコラム・エッセイのアーカイブです。古い記事のアーカイブを公開しているので、実際に投稿された日付と記事の内容に時期的な乖離があります。

  • 文学エッセイ

最近の記事

七十二候 麋角解(さわしかのつの おつる)

#今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 麋角解 (さわしかのつの おつる) 12/27~5日間 この麋(さわしか、なれしか)の正体ですが 諸説あります まず今回の暦 鹿の角が落ちる季節というニュアンスですが 実際に鹿の角が落ちるのは3月 つまり春なので ここで言われる鹿は一般的な ニホンジカのことではありません またトナカイの雄などは 冬に角が落ちるので これが麋ではないかとされたりもしますが 麋(さわしか)というのは 辞書を調べると大柄の鹿のこと なので体長が1.

    • 七十二候 乃東生(なつかれくさしょうず)

      #今日はなんの日🍊 #暦の話 ⁡ 七十二候 「乃東生(なつかれくさしょうず)」 今回の暦ですが 夏至の七十二候 「乃東枯(なつかれくさかれる)」と 丁度対になっています 軽く乃東についてもう一度まとめると 以下の通り 英名All-heal(すべてを癒す) 別名:夏枯草(カゴソウ)=ウツボグサ シソ科の多年草(冬を越える植物)で 自生地は日当たりのよい山野の草地 ロゼット・プランツの仲間らしく 時期が来ると薔薇の花冠状に葉を形成し 地表に張り付くようにして越冬します

      • 七十二候 厥魚群(さけのうおむらがる)

        #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 厥魚群 (さけのうおむらがる) 12/16~5日間 厥魚(けつぎょ)と読みます 本来、鮭ではなく中国に存在する 淡水魚の事ですが 和暦輸入の際、転じて鮭を 指すようになったそうな 遡上自体は9月~12月と幅広い時期に 起こりますが、江戸時代は今より海水温が 低かったため、遡上時期も遅くなっていた と考えられています 前候が熊蟄穴だった事を踏まえると 丁度熊が穴籠りした頃に遡上し 母川回帰する鮭の本能は本当に 良くできていますね

        • 七十二候 熊蟄穴(くまあなにこもる)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 熊蟄穴 (くまあなにこもる) 12/12~5日間 ということで 哺乳類冬眠の時期です 今年はブナの実(団栗)が不作らしいですよ 福島でも数件市街に熊出没のニュースが ありましたが、東北だけでなくわりと あちこちに出没してるみたいです 食べ物が減ってくる冬に備えて 秋に暴食をしておくのが 自然界の本能なわけですが ここで栄養を蓄えないと 飢餓感に襲われた熊は 食物を求め山を降りてくるので 団栗の豊凶は 熊と隣接して暮らす人里人家

        七十二候 麋角解(さわしかのつの おつる)

        マガジン

        • 七十二候 研究
          72本
        • 文学エッセイ
          1本

        記事

          七十二候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる) 12/7~5日間 旧暦でもついに冬本番宣言です 二十四節気でもここが “小雪”から“大雪”への変わり目 いわゆる 寒極まって冷となる というやつで 空気が重く、雲は低く 雪や雨が降りやすくなる時期 ということでここから名実ともに 本格的な冬日になっていくわけですが 気象学用語で言うとこの冬日 正確には最低気温が0℃以下と 定義されているそうです 多分もう朝晩のどこかでは 冬日入りしてますね

          七十二候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

          七十二候 橘始黄 (たちばなはじめてきなり)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 橘始黄 (たちばなはじめてきなり) 12/2~5日間 橘(たちばな)は柑橘の一種です 古くから野生していた 日本固有種のようで 四国、九州それから瀬戸内および 本州中国地方の山中に 稀に自生するそうな 最北端は静岡県沼津に 確認されるそうなので 比較的暖かいところで 育つ種なことがわかります 花を咲かせるのは五月頃 そして初冬である今は 3cm程度の小ぶりな果実が 黄色に熟し始める時期ということです 残念ながら食用ではない

          七十二候 橘始黄 (たちばなはじめてきなり)

          七十二候 朔風払葉 (さくふうはをはらふ)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 朔風払葉 (さくふうはをはらふ) 11/28~5日間 最近めちゃくちゃ寒いです こちら東北雨ばっかりです 朝は霧で10m先が見えない そうこうしてるうちに 雪が迫ってくる そんな11月の終りですが この時期の気候 びっくりするくらい からっと晴れて暖かい日が たまにあるのをご存知ですか? こういう気候を「小春日和」と呼びまして 春と名前はついていますが 初冬の頃に時たまみられる 暖かい陽気の事を言うのだそうで 期間としては

          七十二候 朔風払葉 (さくふうはをはらふ)

          七十二候 虹蔵不見 (にじかくれてみえず)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 虹蔵不見 (にじかくれてみえず) 11/23~5日間 竜が姿を消しました 秋分の時点で竜淵に潜むと言われるように 今回の暦は龍の化身とされる虹が 見えなくなっていく時期です 虹が生まれる条件ですが 単に雨が降っていること以上に 空気中の飽和水蒸気量が多い事による 大気のプリズム効果があげられます 冬のこの時期は 大気が冷え切っていますので 雨が減っていくというだけでなく 大気中の飽和水蒸気量が低下します すると自然、空気がプ

          七十二候 虹蔵不見 (にじかくれてみえず)

          七十二候 金盞香 (きんせんかさく)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 金盞香 (きんせんかさく) 11/18~5日間 キンセンカというとカンデュラ つまりホットマリーゴールドですが この暦が実際に指しているのは 水仙(スイセン)です “金盞(キンセン)”は 花の中央にある黄色い部分 これを黄金の杯に見立て 白く広がる花弁の方は 白銀の盆台に見立て “銀台(ぎんだい)” つまり 銀色の盆に乗った黄金の杯 “金盞銀台”という別名を持つのが 「水仙」です この花が雪中花でもあることから あるいは雪の

          七十二候 金盞香 (きんせんかさく)

          七十二候 地始凍(ちはじめてこおる)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 地始凍 (ちはじめてこおる) 11/12~5日間です 地始凍ですが 早い話、畑や山地の地面に霜柱がそろそろ 見えてくるというイメージ 札幌では初雪が観測されたそうですね 正直、都心や地方都内に住んでいると イメージが湧かないんですが 少し脚を伸ばして ちょっと標高のある山地や 北の方に行けば 早朝にサクサク音を鳴らし始めている 大地に出会うはずです これがコンクリートまで 凍て玻璃を巡らせるようになるには 現代の気候模様だとも

          七十二候 地始凍(ちはじめてこおる)

          七十二候 山茶始開 (つばきはじめてひらく)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 山茶始開 (つばきはじめてひらく) 11/8~5日間です 暦ではついに立冬 冬の到来です 今朝、寒すぎて笑いました (11/11AM・現在) さて今回の暦 読みではつばきですが 漢字が示すとおり 実際に開花するのは 山茶花(サザンカ)の方です これは旧暦の輸入元たる 大陸側ではツバキを総称して 山茶と呼ぶのが理由です そんな山茶花ですが 一部では環境指標としても 利用できるのではないかと 考えられてるのを ご存知ですか?

          七十二候 山茶始開 (つばきはじめてひらく)

          七十二候 楓蔦黄 (もみじつたきばむ)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 楓蔦黄 (もみじつたきばむ) 11/2~5日間です 今回の七十二候は 楓蔦黄 (もみじつたきばむ)ですが もともと実は「紅」の方の 紅葉だったと言われます 実際、日本最初の和暦・貞享暦では 「蔦楓紅葉(つたもみじこうようす)」 それが江戸時代に宝暦暦になって 楓蔦黄 (もみじつたきばむ)に 変わります 暦が念頭においている樹木も どうやら種類が違うようで 春木煥光の「鳥獣虫魚草木略解」によると 宝暦暦以降の七十二候に登場するこ

          七十二候 楓蔦黄 (もみじつたきばむ)

          七十二候 霎時施 (こさめときどきふる)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 霎時施 (こさめときどきふる) 10/28~5日間です 晩秋もそろそろ終わりますね 霎は「こさめ」と読みますが 「しぐれ」ともよみます 一雨一度(雨が降るたび気温が下がる) という言葉があるように どんどん気温下がってます 衣替えを済ませ、寝具も交換する時期です 時雨とは 大陸性高気圧の発達で 冷たい北西の季節風が日本海を超え 山地に突き当たり上昇するとき 冷えて雲を生じることによって 降る雨のことです (ちなみに定義を調

          七十二候 霎時施 (こさめときどきふる)

          七十二候 霜始降(しもはじめてふる)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 霜始降 (しもはじめてふる) 10/23~5日間です 霜は放射冷却による大気中の水分の 相変化によって発生しますが 植物にとってこれは最悪です 維管束によって吸い上げている 生命線の水を凍らされるばかりでなく 細胞内の水分が凍ると細胞壁が破壊され 枯死します いわゆる冷害というやつですね 葉も当然枯れ落ちるので 光合成ひとつできません だいたい一年草はここで枯死します 冬に適応している動植物の アプローチはだいたい似ていて 以

          七十二候 霜始降(しもはじめてふる)

          七十二候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 蟋蟀在戸 (きりぎりすとにあり) 10/18~5日間です 実は蟋蟀(しっしつ)とはコオロギの事です (ジムニー・クリケットですね) そもそも江戸以前「こおろぎ」は 蝉等も含めたあらゆる鳴く虫を指すそうで キリギリスの方はというと 螽斯(ギス)という漢字がちゃんとあります ギースッチョンという鳴き声をそのまま 名前にしたような漢字で 機織り虫とも呼ばれるキリギリスは夏の虫 よって晩秋のこの時期に鳴いていることを 鑑みて、やはりこの

          七十二候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

          七十二候 菊花開(きくのはなひらく)

          #今日はなんの日🍊 #暦の話 七十二候 菊花開 (きくのはなひらく) 10/13~10/17です 旧暦の9/9を重陽の節句といいますが この日の代表的な花が菊です (なので誕生花でもあります) 例によって中国から輸入された習慣 ですが、大陸では奇数を陽数と言って 縁起の良いものと捉えていたそうで そのなかでも 最も大きい数字である9が重なる日を 「重陽」と述べているそうな しかし奇数は重なると偶数になってしまう しかもこの日は考えられる最も 大きい数字でそうなってしま

          七十二候 菊花開(きくのはなひらく)