あつ森×FF7リメイク×売上~「ゲーム機とソフト」の時代はまだまだ終わらない~

『あつまれ どうぶつの森』

『ファイナルファンタジーVII リメイク』


ゲームをプレイしたことがない人でもシリーズ名は聞いたことがあるのではないでしょうか。

それぞれのソフトをまず紹介していきます。
※ちなみに僕はこの2作ともプレイしたことないです。SwitchもPS4も持ってません(笑)ただ、過去シリーズはプレイしたことがあるので、ヒットの要因を他記事の考察と自身の体感を絡めた感想になります。ぜひお付き合いください。

まず、それぞれの作品とシリーズ作の解説をします。

『あつまれ どうぶつの森』

『あつまれ どうぶつの森』は任天堂から2020/3/20に発売されたNintendo Switchのゲームソフト。通称「あつ森」。『どうぶつの森』シリーズ。スピンオフや派生作品も多い。シリーズ1作目は2001年にNINTENDO64版『どうぶつの森』、2005年にシリーズで最高販売本数の記録を持つニンテンドーDS版『おいでよ どうぶつの森』、2008年にWii版『街へいこうよ どうぶつの森』、2012年にニンテンドー3DS版『とびだせ どうぶつの森』など、コンスタントにシリーズが発売されてきた。

「あつ森」は2018年時点では2019年発売予定→延期により現在の発売日に。本編の作品としては8年ぶりの発売となった。

ゲームシステム
プレイヤーは村の住人として、その村に住むどうぶつたちと会話し、釣り、昆虫採集などのコレクション、買い物や家や部屋をレイアウトしたり、自由に行動ができるゲームである。今作は無人島の住人として過去作の要素に「DIY」が加わり、地形編集をはじめ、島を自由にクラフトし、レイアウトすることができるようになった。

『ファイナルファンタジーVII リメイク』

2020/4/7にスクウェア・エニックスから発売されたゲームソフト。PlayStation 4で先行発売された。アクションRPG。

2015年に制作発表から2020年1月の発売予定を延期し現在の発売日に。

ゲームシステムとストーリー
1997年にPlayStation版『ファイナルファンタジーVII』とは異なり、バトルスタイルもA・T・B(アクティブ・タイム・バトル)ではなく、アクションバトルになっているため、アクションRPGに。また原作とは異なるストーリーのために、「リマスター」ではなく「リメイク」とされている。今作は「巨大都市ミッドガル脱出まで」を描いたもので、今後『リメイク2』の発売も予定されている。

次が本題です。

2作とも売れすぎている件

◎『あつまれ どうぶつの森』→発売3日で推定180万本、4/12までの累計売上は推定320万本売上!!!(※しかもダウンロード版を入れてない本数)

◎『ファイナルファンタジーVII リメイク』→初週70万本の売上(※こちらもダウンロード版は抜き)

2作とも新型コロナウイルス感染症による外出自粛による影響はありますが、めちゃくちゃ売れてます!!!

当然、ソフトウェアが売れればハードウェアも売れます。「あつ森」のゲーム機であるSwitchとSwitch Liteは累計で約1300万台以上販売しているので、「あつ森」のダウンロード版のソフトを加味すると、Switchを持っている人の約3人に1人は「あつ森」をプレイしている計算になります。

対して、「FFリメイク」のゲーム機であるPS4とPS4Proは累計約900万台以上販売されていて、こちらも「FF7リメイク」のパッケージ版は70万とそこそこですが、ダウンロード版を含めたら相当な数の人がプレイしていると予想されます。

『FF7 リメイク』が70.3万本で1位! PS4&PS4 Proも合計7.9万台と大幅増【4/6~4/12】 ファミ通.comより


◎Switchで発売されたソフトの売上本数ランキング(※ダウンロードは除く)

●2020年4月2日現在
1位:『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』→361万本(2018年発売)
2位:『ポケットモンスター ソード・シールド』→352万本(2019年発売)
3位:『スプラトゥーン2』→334万本(2017年発売)

まだ発売して3週目で320万本売り上げている「あつ森」はSwitchのソフトの売上本数記録を塗り替えそうです。

Switchソフト売上ランキング TOP260 NAVERまとめより


もちろん『FF7リメイク』も売れてますね。

◎PS4で発売されたソフトの売上ランキング

●2020年4月18日現在
1位:『モンスターハンター:ワールド』→196万本(2018年発売)
2位:『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』→135万本(2017年発売)
3位:『ファイナルファンタジーXV』→102万本(2016年発売)
4位:『キングダム ハーツIII』→86万本(2019年発売)

そして現在、5位に『FF7リメイク』がつけています。こちらは最終3位ぐらいまでに食い込みそうですね。パッケージ版だけの数字ですがPS4のソフトもやはり売れています。

PS4ソフト売上ランキング TOP640 NAVERまとめより


なぜ売れてるのか
ここからは「7割」の主観と「3割」はデータを基に分析します。

「FF7リメイクの考察」

そもそも「FFシリーズ」はナンバリングタイトルが1~15までありますが、1987年に発売された『FF1』から2016年に発売された『FF15』まで、リメイク版やヒットした作品については続編や派生作品が作られるなど、海外向けに発売されたものを合わせると多岐にわたります。それぞれの作品はゲーム機のみでしかプレイできませんでしたが、現在はスマホアプリ版やPC版など、さまざまな機種でプレイできるようになっています。

特にヒットして人気が高かった『FF10』『FF10-2』は2013年にリマスター版が発売。2017年には『FF9』がPS4に移植されて高画質の作品として発売。『FF8』は2019年にリマスター版として発売。なので、今回の『FF7リメイク』は開発陣も力を入れたファン待望の作品が、制作発表から5年の歳月を経て発売されたということで、話題も大きく、特に単純に解像度を高める「リマスター」ではなく、ストーリーやフルボイス化など原作とは少し異なる「リメイク」で発売されたのがポイントですね。

「リメイク」にした理由は、原作の「エアリスの死」が関係していると思われます。『FF7』は人気作ではあったものの、主人公と物語をともにすると思われていたキャラクターである「エアリス」との別れのシーンが物語序盤であります。当時から「エアリスはなぜ死ぬ必要があったか」という「エアリス生存ルート」を熱望するファンも多かったので、今回は「リマスター」ではなく「リメイク」として制作されたと思います。そこが今作のポイントでどうなっているかはプレイしてからのお楽しみですが、基本を忠実に再現したオリジナルストーリーと新たな要素やシナリオが追加された新ストーリーがどう絡み合うのか、過去作をプレイしたファンにとっては期待の部分です。

次に購入者層についてです。
体験版をプレイした方のアンケート結果からの推測ですが、30代、40代男性が圧倒的に多いように思えます。以下は、体験版のアンケートの結果です。

年齢別で見ると、最も多いのは30代(45.2%)で、ほぼ半数。そこから、40代(21.7%)、20代(18.7%)、10代(7.5%)、50歳以上(3.2%)、10歳以下(0.5%)と続きます(無回答 3.3%)

回答者の男女比は、男性87.4%:女性8.8%(無回答 3.7%)

『FF7 リメイク』体験版は“好評価”が圧倒的! より

◎ヒットの理由
後述の『あつ森』との違いは1人プレイのゲームであること、基本的には原作をプレイしたファンへの作品であること大人の男性ファンが多いゲームであること。この3点が考えられます。得てしてRPGのジャンルは男性ファンが多い気がしますし、PS4でヒットした作品を見てみても大人の層が多いようです。

『あつまれ どうぶつの森』の考察

こちらも過去作が人気でした。自分の記憶にある「どうぶつの森シリーズ」は任天堂64のソフトです。当時小学生の自分は64で「大乱闘スマッシュブラザーズ」「ゼルダの伝説」「ピクミン」「マリオパーティ」「マリオテニス」「マリオカート」「 星のカービィ」「ドンキーコング」など、今も人気のあるシリーズが多く作られた創生期でもありました。

ただ1作目の64の『どうぶつの森』は全然売れてなかったみたいです。ウィキペディアによるデータでは累計32万、その8ヶ月後に発売されたゲームキューブ版の『どうぶつの森+』は累計64万本とそれほど話題には上がらない作品でした。

しかし、次作のDS版の『おいでよ どうぶつの森』では新機能の追加やインターネット(Wi-Fi)につないで最大4人まで同時にゲームできるようになったこと、お互いの村にも手軽に行き来できるようになった結果、累計で500万本超の大ヒットを記録しました。スポーツゲーム、レースゲーム、格闘ゲーム、パーティゲーム、みんなでワイワイプレイできる。今も任天堂のヒット作に共通するテーマであり、この『おいでよ どうぶつの森』で「どうぶつの森」というシリーズの人気を不動のものにしました。

そこからコンスタントに作品を発売し、2012年に3DS版の『とびだせ どうぶつの森』、2017年にリリースされたiOS、Android用ゲームアプリ『どうぶつの森 ポケットキャンプ』で、携帯型ゲーム機やスマートフォンで手軽にゲームをプレイできる環境下で改めてヒットしていたために、今作が据え置き型ゲーム機として発売される「どうぶつの森」に注目が集まりました。

次に購入者層についてです。
今作の具体的なデータはありませんが「どうぶつの森シリーズ」は女性の人気が高く、特に若い世代からの支持を集めている作品です。そこからさらに今作では、主人公のプロフィールを自由にカスタマイズできたり、地形編集や「DIY」要素も加えて男性人気も獲得したと考えます。今でも根強い人気を誇る『マインクラフト』のような自由性の高いゲームの要素や、前作の『どうぶつの森 ポケットキャンプ』のファン層をそのまま獲得していると言えます。また、過去作のヒットの推移は、こうした仮想世界を自由に創造できるシミュレーションゲーム(公式ではコミュニケーションゲーム)はバージョンアップや派生作品の発売によって長く遊べることから、初動売上はそこそこだったとしても、そこからジワジワと話題になりロングヒットする傾向にあります。特に、今作の「あつ森」は初動からヒットしているので今後記録をどのぐらい更新していくかに注目が集まります。

◎ヒットの理由
過去シリーズ作のファンを継続的に獲得したこと、親子や友人などオンライン上で複数人で遊べること、自由度が高いマイクラ的要素の追加により、男性ファンを取り込んだこと、さらに芸能人やユーチューバーなどのインフルエンサーにより若い年代層をより多く取り込んだこと、以上がヒットした理由と考えます。

まとめ

どちらの作品も「新型コロナウイルス感染症」「#StayHomeの拡がり 」「非常事態宣言やロックダウン(都市封鎖)という外出規制」の影響はあるにしても、これほどヒットするとは予測していなかったのではないでしょうか。

任天堂、スクエア・エニックスという日本だけでなく世界でも大ヒットを記録している日本を代表するゲーム会社が、それぞれ自信作をこのタイミングで発売しています。これだけヒットする作品を発売できるのは、それぞれの会社がゲーム機というハードウェアの研究開発を惜しむことなく行い、大ヒットを記録してきたシリーズをコンテンツ化して、現代に沿った技術、ファンを虜にするような新機能を搭載して革新してきたことが、令和という時代でもヒットしたのではないでしょうか。

世界的にも、ゲームを競技化した「eスポーツ」の流れや、仮想現実を体験することができる「VR技術」の流れはあるものの、自宅で一人で、家族や友人と、身近な人とマルチプレイで楽しむゲームの形はほとんど変わっていません。

自分が学生時代に楽しんでいたハードウェア(ゲーム機)とソフトウェア(カセット、ディスク、ソフト)という対の関係がいまだに続いています。もちろんソフトウェアをネット上でダウンロードできるようにはなりましたか、ゲーム機だけあっても、ソフトだけあっても駄目で、両方そろってはじめてゲームがプレイできます。ゲーム機に替わるPCやスマホなど、ゲーム機以外のハードウェアが台頭するかと思いきや、その勢いを覆すぐらいの進化を遂げて、今でも「ゲームというコンテンツはゲーム会社が作っている」ということは変わりません。

自分が生きている間にこのゲーム業界がどう進化していくかを見守るとともに、この新型コロナ不況に立たされている現実をどう立ち向かっていくかを表した「あつ森」のキャッチコピーをこの記事の結びとして引用して、締めたいと思います。

ここまで、非常に長くて、非常に読みづらい文になってしまったことをお許しください。そして、最後まで読んでいただきありがとうございました。

出典はそれぞれのサイトよりアクセスいただければと思います。

それではまた。



   "何もないから、なんでもできる”

『あつまれ どうぶつの森』のキャッチコピーより



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