夜間飛行 1
「夢、眠る前に」
少しでいいからと耳を澄ますと
きゃらきゃらと聴こえる妖精たちの囁き
「またああしているよ」
「可哀想に」
彼等にとって人間たちは
古代の遺跡に立ち現れる亡霊のような
不確かなものが
確かだと信じられそうな幻影で
私は時折不安の心を胸に咲かせる
とくとくと揺れるのは、胸の奥で命の水が
震えているから
時間の花を摘んでいくのはだれだろう
私は布団に横たわり
冷たい宇宙空間に身を横たえる気分で
今日も祈りを捧げている
明日もまた、石のような太陽が昇ることを
記事をお読みいただきありがとうございます!少しでも楽しみ、お役に立てるように頑張ります。