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線状降水帯はなぜ起きる…予想が外れる理由とは? ーその1ー

 現代の自然災害は甚大な被害をもたらす。特に人口が密集した地域に豪雨が降ると激甚な災害が発生し、多くの人命や財産を失うことになる。
 近年、この豪雨災害の大きな原因となっているのが、『線状降水帯』による長時間の局所的な豪雨である。
 この『線状降水帯』がどのようにして発生するか?その発生メカニズムを正しく理解しなければ予想はおろか、災害の未然防止も出来はしない。
 この記事を書いた理由はただ一つ、
 ★専門家たちによって示されて来た線状降水帯発生モデルは間違い
であることを示すためである。
 まず、一つの例として以下の図を示す。

国立研究開発法人 海洋研究開発機構線状降水帯に関する記事

上図に示された雨雲は、『暖かく湿った南風』が、『山』に沿って上昇気流となり、『新しい雨雲』が発生して、これが後流で成長する…として示されている。
 では、本記事のタイトル上部に示された東北地方の『線状降水帯』の雨雲レーダーの観測を見て頂くと、
 ★雨雲は海上で発生して西から東に流れている
と理解できる。
 ではもう一つの例も見てみよう。これは気象庁ホームページの記事。

九州西部で発生した線状降水帯

これについても九州西方の海上で発生した濃い雨雲が西から東に(上図では、左から右へ)気流(上層の風)に乗る形で流れている。
 雨雲は、山の斜面で発生するのではなく、海上で発生した雨雲が気流(風)に沿って陸地(九州中部)に流される形で順次補給されているのである。発生箇所付近では幅が(南北方向)には狭いが、流されるに連れて擾乱を受けて広がっていくのである。
 以上、『線状降水帯』の特徴を整理すると、
 (1)海上で発生した雨雲が気流(風)により陸地に流れ込む
 (2)発生が続くと、雨雲がドンドン補給される形で陸地に流れる
 (3)発生はローカルであり、気象全体マクロ現象と言うよりもミクロ
    な現象である。
 (4)(3)の意味でマクロな気象予測モデルやシミュレーションには
    現れない

のように纏められる。
 では、なぜこのようなミクロな現象として雨雲が急激に発生して長時間続くのか?
 これについては次回の稿で明らかにする。

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