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上海の最新小売事情をみてきた!その2

part1はこちら

台湾系スーパー「大潤発(RTマ―ト)」

続いては、RTマートへ。接待担当の方にお話をお伺いしました。
400店舗展開。この店舗は従業員300人。7000平米と大変広くて品揃えが良い。発注は基本的に自動発注。
客平均単価80〜100元。1日1万件ということでここも1日1600万円の売上。支払いは、WeChatPay、アリペイで9割。現金はたったの1割。

売上は80:20で店舗:ネットです。
配送については、3キロ・配送時間1時間圏内をカバーしています。配送は業者を使っているが、ちゃんと時間を守ってくれているそうです。

ここでは、「顔認証支払い」が印象的でした。前はバーコード決裁だったけれど、ケータイを忘れても顔認証支払いができるのです!
接待係の方曰く、今後顔認証の方が広まってくのでは?という見解でした。
なお、RTマートはアリババの投資先なので、フーマーと同じシステムを利用しています。

(生簀はどこにでもある!)

香港系の「CITY SUPER」

日本や世界各国の高級食材、食品を提供している高級スーパーで、ターゲットは、中/高所得者や外国人。3500平米。

キャッシュレスは2015年に導入。
キャッシュレス比率は当初15%→現在7%。
キャッシュレス後の変化としては、客単価があがったそうです。お金を使っているという感覚があまりないから細かい金額への意識が薄れるのでは?ということでした。

(ABCみたいなオープンな料理教室もありました!)

アリババは脅威ではあるが、シティスーパーは高級路線を目指しており今は別の戦略をとっている、とのこと。
とってもおしゃれなスーパーで、マイバッグもお土産に購入しました。(日本でもレジ袋が有料になるらしいですね!)

Ole 

国営企業の華潤グループの高級スーパーのOleへ。入ると奥まで全てが見渡せるつくりになっていて、それが珍しいんだとか。

輸入品が60%以上を締めます。チョコレートの種類がすごい!

スーパーは照明が大事。商品のところは照明のルクス数をあげているそうです。

日本では生が禁止されているライチ(タイ産)。山梨のシャインマスカットの1/10の値段で買えるマスカット。いちご。
かなり美味しい果物がたくさんです!(美味しかった!)

日本の食品も、どの店にもたくさんあります。

このお店は試食がとっても多かったのですが、試食させると買うのが72%。年齢上だと80%もいるんだそう。

無人コンビニ「オーシャンミニッツ」

無人コンビニの「オーシャンミニッツ」に行こうとしたら・・・あるはずの場所になかったです!w一カ月前に視察した際にはあったそうだけど、なくなってました(笑)。びっくりしました。
無人コンビ二を作っては捨て、消耗剤のように・・・トライしてデータ集めてうまくいかなかったすぐ撤退!というスピード感みたいです。

気を取り直して、翌日、別の「オーシャンミニッツ」へ。

大型スーパーマーケットのオーシャンの目の前にある・・・急いでいる人向けなのでしょうね。

お店のサイズは、駅ナカコンビニくらいの小ささ。

電子決済のみが可能。自分でバーコードを読み込む必要があるのでTSUTAYAのレジみたいなイメージです。

大衆向けのスーパー、オーシャンは、ものすごい広かった。ちょっと広すぎてこれはサクッと買い物したい人には大変そうですw

このお店もネット宅配用のレーンが天井に!やはり、店舗が倉庫化されていますね。

テンセント陣営の「超級物種」

4/18に開業したばかりの店舗。2733平米。
9600商品。従業員70名。
オフィス街に対して出店していて、女性をターゲットにしています。
22%が生鮮売り上げ。輸入品比率40%。

こんなにおしゃれなビルに入っていました!

ここには、なんとロブスターのクレーンゲームが!

ドローン配送をやっているということで、ワクワクしたのですが、よくよく聞くと、BtoBの配送なんだそう。航空管理は政府がやってるし、都会は高層ビルが多いから、消費者への配送をドローンというのは上海でも難しいとのこと。

無人コンビニ「クラウドピック」

空港の中に、AmazonGOのような形式の無人コンビニがあるということでこちらも行ってきました。ですが、外国の人は買い物はできない仕組みだったので、見学だけを。

ガイドさんがドリンクをカバンに入れて、会計も何もせずに出てきたら自動的に購入履歴に残っていました。無数のカメラで認識しているそうです。ちなみにカメラの様子の画像を撮ったら怒られてしまいましたw

上海环球港

最後に巨大すぎるショッピングモールへ。

子供の遊び場のスケールもすごい。

VRでバンジーができるアトラクションも。

5階建の巨大すぎるショッピングモールでした。こんな規模の施設がバンバンできている上海。恐るべし。(スーパーはどこも空いていたけど、ここはかなり流行っていました。)

視察とセミナーを通じて印象に残ったことのまとめ

●リアルとネットのアライアンスによる未来
アリババと提携する小売は増えており、物流/決済についてアリババやテンセントの力を借りることで小さなお店でもテクノロジーを取り入れた経営が可能になっています。人口減少社会の小売のあり方として、一つのヒントがもらえました。タイムマシン経営的に、中国を学ぶことで日本のこれからを見ることができますね。

●どのお店にも生簀、輸入食品、フルーツが!
リアル店舗にしかない価値ということで、生簀、輸入食品、フルーツのレベルが上がっているみたいです。生簀で選んだ海鮮をその場で食べれるというのも、一つ。ただ、どのお店も一様に生簀、輸入食品、フルーツだったのが気になりました。(画一的になっている感はある)

●プラットフォーム戦略
ネット配送については赤字で人件費を相当かけています。(フーマーは店舗に何もしていない待機の社員がたくさん。社員として雇うとは、ウーバーと違ってフーマーは従業員思いで優しい。)
けれども・・・お客様にとってとても便利なプラットフォームをつくっているので、抜けられなくしてからビジネスにしていくのでしょうね。

●顧客志向
ネット配送をなぜやるのか、キャッシュレスをなぜやるのか。なぜフードロスを考えずに廃棄をするのか。全てお客様のより良い生活のため。信頼のため。顧客が望むから。フードロスの是非はともかくとして、すっと顧客志向の回答が出てくるのが印象的でした。

●決済の裏側
最近の報道からもつい決済手段にばかり注目しがちですが、決済方法が変わること自体が大事なのではなく、決済が変わることでマーチャンダイズとマーケティングが変わるということ。データを活用して生産し、農業や漁業の生産性が上がる。そんな未来が待っていそうです。


今回、一番驚いたのが、中国に対するイメージとのギャップでした。話をいくら聞いても、本を読んでも、実際に体感しないとなかなか腹落ちしないのだと・・・。井の中の蛙になってしまうのが一番怖い。本を読むだけでなくて現場に出向くということは価値が大きいですね!

以上、中国についても小売についても初心者の感想ですので何か誤解やこんな情報もあるよなどありましたらぜひ教えてください^^

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