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LOVELESS - セルフポートレート

「愛してる」とか
「ずっと一緒」だとか
「絶対離れない」とか

「親友」だとか
「運命」だとか

言いあった人たちがいた。

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それはそれは情熱的に
あたかもその感情が一生続くかのように
相手がわたしの世界かのように

もう明日人生が終わっても
なんの悔いもないかのように

相手を求めて
相手を純粋に信じていた時があった。

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しかし何故だろう

時間が経っていく年かの年数が経った時
もうその相手は頭の中にはいない
顔も名前も
思い出せない。

あんなに近くで眺めた顔はぼやけて
なんども手を繋いで呼んだ名前は頭の片隅にもでてこない。

本当に愛はあったのか?
あの感情は本物だったのか?

あなたは誰だったのか?

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LOVELESS

結局わたしはまたひとりぼっちになり
愛はあったのか
わたしの人生に愛はあったのか
問いかけるけど

またあなたの顔は霞んで
名前を呼んでも反応はない。

愛はあったのか

愛のない人生だったのか。

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LOVELESSはセルフポートレート作品です。
あくまでも「孤独」であるセルフポートレートに
被写体を追加する考え方でした。

LOVELESSのテーマについて熟考するうちに
出会った人たち皆と撮らせてもらいたいと思い
男女問わずたくさんの人に声をかけました。


個人の肖像権を守る目的と
テーマに沿うように
相手の方の顔は隠すことで合意
プロジェクトの詳細を説明して了解をもらいました。

こんなこと女の子とやってみたかった!」といって試す人もいれば

下心で頑張ってる!」という人もいて

この写真を結婚式で使いたい」という人もいれば

撮影って楽しいんだね!」という人もいた。

わたしはわたしの主観で
「わたしのプロジェクトを手伝って欲しい」
とお願いしただけだったので

各々の人間から異なる反応があったこと
そしてそれが非常に肯定的で、興味深いものだったこと
「孤独」だったセルフポートレートに
全くの素人の一般人を巻き込むことで
撮影を「楽しい」と思ってもらえたこと

Bonusの利益が発生した瞬間で
わたしにとって最高の思い出であり
忘れられない作品集になりました。

もちろん、もっと撮りたかった。
50枚100枚と撮ってLOVELESSだけで展示がしたかった。


しかしその後わたしが突然結婚してしまい
わたしには継続することに多少なりとも罪悪感がありました。

夫は「面白い企画、公開したらいいじゃん。制作を継続するのは禁止

というので、あるものだけを公開する運びになりました。

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わたしは写真の一部を消す・隠す時
モザイクではなく口紅を使います。

わたしの一番好きなプロジェクトの一つでした。
燃えるような夏に行ったLOVELESS
みなさん、本当にありがとう。


【PROFILE】
Anna Claire (和名: 須賀 えま)
セルフポートレートアーティスト
15歳からモデルを始めて22歳からカメラマンとして仕事を始め
現在はフランスでセルフポートレートを撮影している。
■ Portfolio: https://annaclaire.pb.online/
■ Instagram: https://instagram.com/missannaclaire
■ Twitter: https://twitter.com/en_afternoontea
■ YouTube: www.youtube.com/channel/UCDegA5lK37oDs0RhWyMeRSQ