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わたしにとっての旅のはなし。

窓の外、自由に揺れるハンガーたちの向こう側に、朝のグラデーションが広がっている。同じように見えても毎日違う。
それはきっと、あなたも。そしてもちろん、わたしも。

起き抜けに白湯を飲みながらベランダに出る。裸足ではもうかなり寒いけれど、嫌じゃない。
自然も人間も、変わってゆくものだ。変わらないことなんてこの世界にあるのだろうか。あらゆるものが変化し続けるのだから、人間の心だって変わるのが常なんだろう。

ずっと変わらない想いなんて、ないのかもしれないな。絶対なんて、きっとないんだ。

少し寂しいけれど、変わってゆくことを受け入れられるように、しなやかでありたいと思う。

ほら、ほんの少し画面に目を落としていた間に、朝のグラデーションは様子を変えたよ。白っぽいキャンバスに薄く重ねた青、そこにさっきまではなかった淡いピンクが混ざっている。

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そんな空を見ているからなのか無性に旅が恋しくなる。

人生は旅だとか、自分探しの旅だとか、旅は非日常を味わうものなんだとか、そんな風に言われることがあるけれど、どうもどれもピンとこない。旅とは、なんてどうでもいい。興味ない。

ただ私は旅がすきなんだ。

電車に乗り、自分の足で歩いて、いきたい場所に行き、見たいものを見る。食べたいものを食べ、知りたいことを知る。それだけだ。

日本一周をしたあともわたしは劇的に変わったわけじゃない。自分だっていまだに見つかってない。いや、探しに行ったわけじゃないし、なんならずっとここにいるし、ここにしかない。

そもそも旅をしてもしなくても、人は毎日変わっている。変わりたくなくてもがいたって変わっている。
少なくとも一秒ごとに終わりに近づいている。

終わる前に、見たい景色がある。終わる前に、行きたい場所がある。
終わる前に、やりたいことがある。

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最近は世の中の情勢的に遠出もできず、それはそれで楽しんではいたのだけれど、
どうにもこうにもストレスが溜まっていたらしく、プチ爆発をおこした。まぁただ叫んだってだけだけど。「もうやだーーーーー!!」って。子供か。

ということで、旅に出ようかと思う。すこしだけ。
今年もまた青春18きっぷの時期になったのだ。どんな時期であれ、やっぱりわくわくする。

どこに行こうか、どうやって行こうか、あーでもないこーでもないって、地図と路線図を片手に考えている時間がとても至福だと気が付いた。

地図の上だとしても、空想の中だとしても、それは私にとってかけがえのない時間。この足で向かったその先にどんな景色が待っているんだろう。

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日本はとても素敵なところだなぁと思う。世界を知らないだけかもしれないけれど。わたしは日本が大好きだ。

だから、この目で見たい。たくさんの日本を。そして伝えたい。
47都道府県にはそれぞれに素晴らしい風景が、美味しいものが、工芸品が、祭りが、文化があること。
その土地に根付いた生活があること。
歴史があり、今があって、たくさんの希望があること。

そこにはそれぞれの生き方があること。

知らないことばかりだけれど、少しでも多く知ってそれを届けていきたい。

そっか、こうやって少しずつ変化していくんだね。わたしも。

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さぁ、知らない自分を歩いてみませんか。

せっかく自分に生まれたのだから。

                          2020/12/11    美空




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