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17年間お世話になった精神科|これまでの振り返りと今後の助言

こんにちは。

宝条実空です。

来週、都会に引っ越すため転院します。

17年間お世話になったクリニックは、昨日が最後の診察となりました。

最終日でしたので、主治医と少しお話しました。

これまでの診察を振り返ったり、今後の生活の助言をいただいたり…。

来週から新生活が始まりますので、この診察の内容を大切にして前へ進んでいきたいです。

現在、3つの精神疾患を治療中

はじめましての方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に自己紹介させてください。

宝条実空(ほうじょうみそら)と申します。

統合失調症、解離性障害、パニック障害の3つの精神疾患を治療中です。

現在37歳です。

統合失調症は19歳で発症。今年で18年目になります。

解離性障害とパニック障害は、発症からおおよそ5年ほどです。

転院の理由

私はA型作業所で働きたい為、来週都会へ引っ越します。

現在は離婚して実家に住まわせてもらっている状態です。

地元は結構な田舎で人口も少なく、A型作業所がありません。

そのため、地元から車で3時間半ほどの距離のある都会へ引っ越すことになりました。

クリニックには17年もお世話になっており、おかげさまでかなり回復しています。

とても信頼を寄せている主治医なのですが、3時間半もかかる距離の通院は難しいです。

そのため、引っ越しに伴い転院となりました。

住所が無いとA型作業所に通えない。

しかし賃貸に住むためには、仕事が必要。

両者の矛盾が生まれました。


この矛盾を解決するため、グループホームに入居という形になりました。

A型作業所の仕事が落ち着いたら、グループホームを出て賃貸アパートを探す予定です。

17年間の治療の振り返り

私は19歳で統合失調症を発症しましたが、はじめは別のクリニックに通っていました。

現在の主治医に出会うまでに、二度転院しています。

転院前は、一日15錠ほど服薬していました。

しかし、転院して最初の診察で主治医から言われたのは「3錠で足りる」とのこと。

主治医

「統合失調症は、風邪のように薬を飲んだからと言って良くなるものではない。薬は魔法ではない。思考や行動の訓練も必要だよ」


この言葉を聞いてガッカリしたのを覚えています。

「えぇー…訓練?大変そう、嫌だなー…」という気持ちでした。

というのも、それまで薬を飲むことで安心していて、薬が全てを改善してくれる救世主のように思っていたのです。

嫌なことがあれば薬を飲んでラクになれる

意欲が湧かなければ薬を飲んでエネルギッシュになれる


そのように思っていましたが、薬を飲んだからといって、嫌なことが楽しくなるわけではありませんし、エネルギッシュになれないこともあります。


主治医は、「嫌なことは必ず起きるもの。薬飲んだからと言って、嫌なことが避けられるわけではないよ」と。


要は、現実を受け止めて、きちんと対処していきなさい!ってことですね。

私は、現実を見ていなくて逃げてばかりでしたので、主治医の言葉は厳しく感じました。

しかし、主治医との会話は不思議なもの。

私の歪んだ認識に、疑問をなげかけるのです。

すると、私も自分の当たり前だと思っていた常識に疑問を抱くようになります。

それまでは思い込みが激しかったのですが、自分の思考の歪みに疑問を抱くことで、これまでの前提条件がひっくり返る。

徐々に視野が広くなり、病状も安定。

最終的にはフルタイムの仕事をできるようにまで回復しました。

今後の生活の助言

診察最終日に主治医から言われたことは、こんなこと。

  • 人を助けることは簡単でも、自分を助けることは難しい

  • 人は誰かを助けることで、ちょっと気持ち良くなっちゃうもの

  • あなたは「辛い」という自覚がないから厄介だねぇ

  • 人の言い訳を素直に信じちゃうところがあるよね

  • 言い訳と格好つけるのは同じ。今度は言い訳しなくて格好つけない人を見つけなさい


私は日頃の診察で、「あなたは他人のことは良く見えているのに、自分のことが見えていない。他人を助けるのは上手なのに、自分を助けるのは下手くそだね」と言われています。

こう言われるようになったのは、結婚して夫婦間の悩みを主治医に打ち明けるようになってからです。

今は離婚していますが、結婚生活中は元夫の暴言と暴力で心が疲れることがありました。

元夫は暴力を振るってしまったことで、自分を責めたり嘆いたりしていました。

「暴力を振るってしまう俺だって辛いんだ!俺の身にもなってくれ!」と。

私は、元夫に暴力をされたことよりも、なぜ暴力を振るう心理になったのかに焦点を当てていました。

根本的な心の仕組みがわかり、それが改善されたら、暴力は無くなるかも。

そう信じていたので、日頃から元夫の話を聞き、心に寄り添うように意識していました。

しかし、やはり暴言や暴力で自分の体は悲鳴をあげていたようです。

1つ目の段階は、過呼吸とパニック発作。

元夫の暴言や暴力により、過呼吸が起きるのですが、過呼吸が起きることで元夫はヒートアップ。

過呼吸が起きている最中も怒鳴り続けられます。

「過呼吸で俺を追い詰めるな!」

きっと心の余裕が無いんだろう。仕方ない。

と私は自分を納得させました。

私の体調不良で「自分を責められている」と元夫は感じたのだと思います。

私は過呼吸すら我慢するようになりました。

すると2つめの段階に発展。

過呼吸を我慢したことにより、解離性障害の症状が現れます。

目の前で起きている事に耐えられなくなり、意識の解離。

自我が去り、普段の自分とは違う自分が出てきます。

暴言・暴力という現状に耐えられないので、もう一人の自分にバトンタッチするような感覚です。

それと同様に、失声症により声を失ったこともありました。

元夫と話すことが怖い。

話したところで伝わらない。

何を訴えたとしても、最後には暴言・暴力という切り札が向こうにはある。

元夫に何かを伝えることを諦めていました。

この頃は声が出ないので、筆談で生活していました。


夫婦はお互いに足りないものを補えばよい。

元夫も私に対して我慢していることがあるだろうからお互い様。

だから、なんとか考えて状況を立て直さないと。

私は元夫が暴力をしなくても良いような精神状態になるように、どうすれば良いのかだけ考えていました。

自分の体調の異変よりも、元夫の精神状態にばかり目を向けていたんですね。


これが主治医から言われる「人のことは良く見ているのに、自分のことは見えていない」という状態です。

主治医
「人を助けるとね、"ありがとう"って感謝されるよね。感謝されるのって気持ちが良いんだよね」

「感謝されて味をしめちゃっているね。だからどんどんその言葉が欲しくて、進んで人助けをしちゃう。人の事ばかり見ちゃう」

「人からの感謝もね、中毒性があるの。」

「人のことは助けられるのに、自分のことは助けられないね」

「自分のことを助けるのって実はとても難しいんだよ。自分のことを考えるって、それはもう大変なことなんだよ」

「自分のことは難しい。だから考えたくない。だから人のことを考える。人のことを考えている間は楽なんだよ。だって自分の事を考えなくて済むから」


私は元夫や他の人の力になることで、自分の承認欲求を満たしているのだと気付かされました。

そして、自分自身のことを真剣に考えるというのは、とても難しいということも教わりました。

私は元夫や他人の心配をすることで承認欲求や達成感を得ていて、自分のことを真剣に考えるということを疎かにしていたんです。

人のことばかり考えてしまい、それで頭の中が一杯になってしまい、自分の「辛い」という気持ちに自覚を得られにくかったようです。

「辛い」に目を向けないから、過呼吸や解離、失声症などの症状として体からサインが送られていたんですね。


主治医

「相手を助けるんじゃなくてね、自分を助けるの。そして相手も、自分で自分を助けるの。」

「お互いが自分の足でしっかり立てば、相手によりかからなくて良い。相手も楽。」

「歩けない相手を助けて、その人が自分の足でいつか立ち上がってくれるなら良いよ。でもただ引っ張ってもらうだけの人も中にはいる。あなたが引っ張ってくれるから、ずっと自分の足で歩こうとしない人もいる」

「そうなると、あなたはずっと引っ張り続けるだろうね。自分の足がケガしていても、それに気づかず引っ張るね」

「でもいつかは転ぶよ。ケガがひどくなると歩けなくなるよ」


「ただ引っ張ってもらうだけの人」。

これが元夫に当てはまるのかはわかりません。

私も持病のことで元夫に支えてもらってたので、あまりこういう考え方はしたくないんです。

暴言と暴力を受けている時間は苦痛でしたが、それ以外は共通の趣味があったりほのぼのと暮らすことが大半でした。

だから、状況説明として暴言・暴力のことは書いていますが、元夫を恨む気持ちはありません。

寧ろ感謝の方が多いですね!(未練はありません)


でもきっと、私も元夫も自分の足で自分の人生を歩んでいなかったんですね。

相手を満たすことばかり考えていたんだと思います。

だから相手が満たしてくれないと不満に感じる。

これは、お互いがお互いに感じていたのでは、と思っています。

元夫は私の病気について悩んだり考えたりして、余裕が無いときもありました。

だから私が過呼吸を起こしてしまうと、「こんなに頑張っているのに何で?」という気持ちだったのかな。

「俺はお前の病気についてこんなに努力している」

「なのに俺は報われない」

これらの言葉をよく口に出していました。

元夫は元夫で、私をずっと引っ張り続けている意識だったのだと思います。

元夫は私を引っ張り続け、私は元夫を引っ張り続ける。

でも、そうではなくて、自分で歩けば良かったのです。

私は自分の体のサインに目を向けるべきでした。

元夫の暴力を振るう精神状態と向き合うのは、私ではなく元夫がやることでした。

助け合いと勘違いし、自分のことを真剣に考えられていなかったです。


ただ、元夫の暴力に対して主治医はこんなことを言っていました。

主治医
「暴力はダメ!どんな事情があってもダメ!」

「"暴力したのにはこんな理由があるんだよ~"とまるで被害者のように訴えてきても、それは違う」

「あなたは相手の言い訳を素直に信じちゃうところがあるね。暴力の被害者はあなただよ」


普段元夫に支えてもらってるから、私も元夫の辛い気持ちに寄り添わないと!と思っていました。

でも、もし自分の友達が私と同じ目に遭っていたなら。

「いやいや、暴力ダメでしょ!」って言っています。

普段助けてもらってることと暴力は別。

なのに、自分が当事者になると、それがわからなくなってしまっていたんですね。


これらの話をして、最後に主治医が伝えてくれました。

主治医

「宝条さんがね、離婚という決断をしたってことは、ちゃんと自分のことを見れたってこと。今まで相当辛かったと思うよ。でも辛いことにやっと気が付いた。お疲れ様。」

「A型作業所に通う事や、グループホームに入居すること。自分の意思と足で進んでいて、とても良い方向へ向かっているよ。」

「都会には助けを必要としている人はたくさんいるし、言い訳が上手な人もたくさんいる。あなたはそんな人をつい助けたくなってしまう。そんなとき、あなたはどうするのか?」


私が、人の心配ばかりして自分の心配ができていないこと。

他人に感謝されることで承認欲求を満たしていること。

私が自分の「辛い」に鈍感なのが厄介だということ。


これらについて、主治医はさまざまな言葉や表現を使い、伝えてくれました。

「自分の性質を自覚しなさい」ということですね。


主治医は「こういう方法を取りなさい」という言い方はあまりしません。

私が自分で気付くまで、色々な言葉でヒントを出します。

そのヒントを頼りに、私が解釈していく。

自分で考える。

道を見つけていく。

こうして自立に向かっています。


診察最終日の主治医とのお話。

主治医と出会ってから17年間という長い年月で、その間色々ありました。

たくさんの出来事があったので、簡潔にまとめようと思っても上手くまとめられない!(^^;

今後の生活について助言や気付きのためのヒントを沢山いただきました。

その背景には離婚や持病の症状がありましたので、状況を説明しようと思うと文章が長くなってしまいました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


まぁ、大変なことはたくさんありましたが!

これから先は自分の足で歩いていきます!

貧乏覚悟ですし、きっとつまづくこともたくさんあります。

不安が無いとは言い切れませんが、生きている実感はあります(^^)


自分の性質について自覚し、

  • 人を助ける前に自分を助ける

  • 言い訳を信じすぎない

  • 心の「辛い」に耳を傾ける

これだけは意識して生活していきます。


今までは、自分の病気について誰かに伝えるということはほぼありませんでした。

しかし、noteでは自分が経験した症状について書いています。

これがどんなに救われていることか◎

noteではお手紙として書いていますが、このお手紙を書くことによって自分の病気と向き合うことができました。

ありがたいことに感謝の言葉を頂くこともありますが、私自身も助けられていることがたくさんあります。

いつも私の記事を読んで頂き、ありがとうございます。

また、素敵な記事を書いて頂き、ありがとうございます。

様々な考えや経験談に触れることができて、新しいことを発見したり学んだり。

勇気を頂くこともたくさんあります!


離婚。引っ越し。A型作業所。グループホーム。そしてnote。


自分で選んで行動したことで、とても充実した毎日を送れています!


いつもお付き合いくださり、ありがとうございます!!

これからもよろしくお願いします!


宝条実空より


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私の体調をご配慮いただき、感謝致しますm(_ _)m

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