翳に沈く森の果て #3 幼
考えてみると、璃乃は小さい頃は活発で、男の子と公園で遊ぶような女の子だったが、小学生の頃に何も自覚症状がないのに内臓の不調で入院し、体育の授業や風邪を引くことなどを禁止され、夏休み丸々入院しなければならなかった年があった。その期間の記憶はほとんどなかった。 一つだけ、夏休みの宿題の工作でログハウス風の貯金箱を病室で作ったのを覚えている。父がカッターナイフでカットできる薄い木材を用意してくれたのだ。ものづくりが好きだった璃乃は創作って楽しいと感じていたのを思い出した。
「そ