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「Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生」レポート

10月9日(月)より、さいたま国際芸術祭2023の市民プロジェクト「創発 in さいたま」の展覧会プログラムとして、「女性の生活・人生」をテーマに制作する女性アーティスト8名の多様な表現を通じて人生で誰もが直面するライフコースを共有する展覧会「Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生」が、さいたま市プラザノース内のノースギャラリーで開催されている(10月22日(日)まで)。


Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生 展示風景
Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生 展示風景


本展覧会は「女性の生活」をテーマに小勝禮子がキュレーションをし、8人の女性アーティスト(一条美由紀、菅実花、岸かおる、地主麻衣子、須惠朋子、本間メイ、松下誠子、山岡さ希子)が集結。作家は60歳以上と30〜40歳代が半数ずつとなっており、おおよそ「母」と「娘」と捉えられる2つの世代の女性作家が同一空間で展示されており、入り口前半部分が母世代、後半が娘世代の作家の作品が配置されている。それぞれの人生を生きてきた女性作家が日々の生活の中で直面した葛藤や悩みにフォーカスした作品が展示されている。
展覧会を通して同じ「女性」として共通した問題意識や悩みなどを発見することで世代を超えて連帯しているような部分を発見できることも興味深いが、世代によって「女性」として生きることの捉え方の違いや、経験してきたフェミニズムやジェンダーなどの社会的な動きが違っている様子が作品や作家から感じ取れるところも見どころの一つだ。各作家の作品から、生きること・生活することの中にある課題・問題の見つめ方や取り組み方の工夫を発見してほしい。


見出し画像:岸かおる《spare-part》2013-2023




さいたま国際芸術祭2023 市民プロジェクト「創発inさいたま」
Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生
会場:さいたま市プラザノース ノースギャラリー 
会期:2023年10月9日(月)〜10月22日(日)  会期中無休
開場時間:11:00–18:00

キュレーター:小勝禮子
出品作家:一条美由紀、菅実花、岸かおる、地主麻衣子、須惠朋子、本間メイ、松下誠子、山岡さ希子
https://womenslives.mystrikingly.com/?fbclid=IwAR27Gbb0FBCy-fVfXqdv70dcvYjehvAmTgH1XtQLtM_t7UIVFX70uNvafoI




取材・撮影・執筆:宮野かおり(美術作家)
1990年東京都出身。埼玉県と福島県を行き来しながら育つ。一度普通大学を卒業後就職を経て、美術大学へ進学。2020年東京藝術大学美術硏究科絵画専攻(壁画第一研究室)修了、2021年ゲンロン新芸術校第6期修了。幼い頃から親しんできたりぼん・ちゃお・なかよしなどの少女漫画をベースにした少女主観の世界観で絵画を描く。
主な個展に「ポリリズミックド・スイミング」(2022年、LIGHTHOUSE GALLERY)、主なグループ展に「エターナル・トラベラー☆彡〜永遠のなつかしい旅〜」企画(2023年、Shirokane 6c)、「ニニフニ(而ニ不二)」(2023年、MEDEL GALLERY SHU)など。


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