【旅行記・ベトナムダナン編】
先日、ベトナムをひとり旅している時、フォーを食べていたら、お箸が持てなくなった。
ケチって飲み物を頼まなかったからかな…と思い、追加でレモンティーを頼んだが、震えは止まらなかった。
止まらない震えは動悸へと変わり、だんだんと血の気が引いていくのがわかった。
「これは一体なんなんだろう。。。」と考えれば考えるほど怖くなる。
1人でベトナムへ来ているという事実。
日本とベトナムの距離。
言葉が通じない。
病院に行くのも怖いしわからない。
ホテルに戻っても一人、、、。
と、このあたりで、この不調は「心因性」であることに気がついた。
きっと原因は寂しさとはちょっと違う、不安感だったのだと思う。
わたしの日本での毎日はこうだ。
7:30 起床
9:30 出社
20:00 帰宅
00:30 就寝
もちろん、退勤後に買い物をしたり、友だちとご飯に行ったりすることもあるし、もっと早く寝るときや夜更かしするときもある。
でも基本的に、わたしの生活はこの4行から大きく逸脱することはない。
いわゆる、「自動運転状態」なのである。
しかし、旅はどうだろう。
言葉は思うように通じない。今回はツアーではないため、次行く場所は決まってない。お腹が空いたら、ご飯を探さなくてはならない。
大げさかもしれないけど、「自動運転状態」とは真逆の状況に置かれていた。
フォーを食べていたその時まで、すべてが上手くいっていた。
空港からホテルまで運んでくれたGrabのドライバーさんは優しい人だったし、思いつきで行ってみたネイルサロンでは、すっごく可愛いネイルをしてもらえた。そしてお昼ご飯には、ダナンの街を練り歩き、美味しいフォー屋さんにたどり着いたのである。
緊張の糸が切れたというか、自動運転状態とのギャップに驚いたというか。
そんなこんなで、この不調は突如やってきたのだと思う。
さて、どうやって復活したか。
まず、お店の人にWi-Fiのパスワードを聞き、SNSを眺めてみた。
ちょうど母からLINEがきたので、試しに電話してみた。
それで少し治まってきたので、行こうと思っていたカフェに移動した。
しかしカフェはいわゆる「ノーゲス状態」。(めちゃくちゃ可愛いカフェなのに…!笑)
なぞに不安を煽られ、また落ち着かなくなってきた。
そこで、友だちからLINEが来ていたので、「いま、なんか急に色々不安になってきて、落ち着かないんだよね、、、」とLINEした。
その返信で、わたしは助けられることになる。
ベトナムのお客さんの誰もいない、割と広めのカフェで、一人大泣きした。
いま思うと、店員さんもびっくりだったと思う。笑
でも涙を流したおかげで、なぜかスッキリして、立ち直ることができた。
お店を出る時、お店の人がレシートと一緒に三角形に折ったティッシュを2枚くれた。
「そういう文化…?」と思ったけど、後々考えてみれば、わたしが泣いていたからかもしれない。たぶんそう。
気を取り直して海に行こう!と思って、Grabで車を手配した。
運転手さんに「ベトナムはどうだい?」と聞かれたので、
「すごくいいところだね!でも、ちょっとホームシックになった。」
といったら、
「まだベトナムに来て2日目なのに?笑 まぁ日本人は忙しいからな。ゆっくりしていくといいよ。」
といって笑ってくれた。
海は風が気持ちよくて、広くて、最高だった。
「あぁ、世界は海でつながっているんだな」とかベタなことを考えたりもした。
どこにいても、何をしていても、次の瞬間何が起こるかは誰にもわからない。
そんな中を生き抜くのは、ゲームみたいなものなんだよね、本当は。
日本にいて、平凡な毎日を送っていると当たり前になってしまうけど、当たり前のことなんて何一つないのかもしれない。と思うと、今この瞬間を楽しむこと以外に何ができるんだろうか。
そんなことを考えながら、このあとも旅を続けた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?