見出し画像

新婚旅行に4か月間も必要だった理由

エジプトのダハブで出会った私たちは4か月間かけて新婚旅行をした。ルートは、小笠原父島→北海道→中南米→ロス→韓国。旅行記よりも夫婦で旅に出るという事について書き記そうと思う。顔出しにはもう少し時間がかかりそう…笑

結婚と新婚旅行に至るまで

DAHABで出会い、帰国して、わりとすぐに同棲を始めた私たち。2年後くらいにはまた何かしらの形で海外に…という思いを抱きながら日々は過ぎていった。

そんな中、夫に中国でのビジネスの話が舞い降りた。旅はたくさんしてきたけど、異国の地で暮らし働くという経験をしたかった私にとって、その話に乗っからないわけがなかった。

中国の話が出た時に、海外に2人で行くなら恋人という立場ではなく、夫婦という形が好ましい…という流れでプロポーズをしてもらい(させて)、婚約へ。

ここで、私の母親に結婚を猛反対される…という話はまた別の機会でしようと思う。

タイムリーに日本語教師を目指し、資格も取得していた私は中国での仕事をゲットした。…が、夫の中国ビジネスの話は結局なくなり、中国行きはなくなった。

2人の共通の目的も無くなり、母にも猛反対され、少し距離をおくために北海道に戻り、そこで婦人科系の疾患にかかり入院…普通のカップルなら別れていても不思議ではない状況だったけど、プロポーズから2年の月日を経て結局私たちは結婚した。26歳だった。

母親になるためには不妊治療が必要な私と海外に住み働きたいという私。後者は子供が成長してからでも挑戦できるはず…。そして、不妊治療を始めるなら少しでも早い方がいい…。このことから2人で導き出した答えが、4か月という夫婦旅に出て、帰国したら不妊治療を始めるという案に落ち着いた。

一人旅と夫婦旅

私は大学4年生の時に世界一周一人旅に出た。まだ21歳だった。

世界一周に至るまでの経緯はコチラ:https://note.com/misojinoippo/n/ne4813f1f4638

一人旅で得た最大の経験は「自分を認めて受け入れてあげるということ」。

異国の地で言葉も通じない中で自分のコミュニケーション力・語学力の無さを痛感する中でどうするのか。何者かになれるような気がして旅立ったけど、何者かになるのではなく、目の前の等身大の自分の無力さも可能性もすべてひっくるめて受け入れてあげる事ができた。

21歳の日本人女性が異国を彷徨っていると、実におもしろい(今思うと危険な)体験がたくさんあった。異国の地で頼れるのは自分の直感と数少ない知識と行動力のみ。何者かになれたわけではないけど、女一人旅で私は「得体のしれない自信」を獲得して帰国した。

時を経て夫と行った4か月間のバックパッカー新婚旅行。

一人旅の時と違って自分を見つめなおすという目的は一切なかった。ただ、これからも私たちが「私たちらしい夫婦」でいるためにこの旅は必要なことだという確信があった。

一人の時はどうしても何かを求め、アンテナをはりながらの旅だったけど、夫婦で旅をしていると相談する誰かがいて(時にはそれが面倒なときがあるのも事実)、常に一緒にご飯を食べられる人がいて、目の前の景色・文化を共有できる人が隣にいたという事。しかも、それが生涯を共にすると決めた人であるという事。それは私たち夫婦にとって、私自身にとってもかけがえのない体験だった。

20代前半に出た一人旅・20代後半に出た夫婦旅。

それぞれの体験が今の私を作っている。どちらも必要だったと強く思う。どう育つのかはわからないけど、我が子にも人生のいろんな節目で旅立つことでたくさんの経験をしてほしい。

この旅が今の私たち夫婦にもたらしたもの

プロポーズから結婚に至るまで2年を要した私たち。別れていてもおかしくない状況だったと思う。それでも、結婚に至った理由は私たちが出会ったダハブという町でつながった仲間との輪…が大きかったように思う。旅先で出会って、それぞれが帰国し、その後も繋がって広がった輪。私だけでは広がらなかったであろうこの輪は、彼と一緒にいるからつなげられる輪だという確信があった。

今となっては繋がっている人も数えられるくらいではあるけれど、仕事や家庭や子育てや住む場所…それぞれの人生が何周かして、巡り巡って、また再会できたり、縁が繋がったらいいな…その時に私たちは夫婦で皆にまた会いたい…という気持ちが夫婦を続けている一つの理由のような気がする。

旅という経験はお互いのキャパや人間性を嫌というほどに実感しあう。そのくらい旅は自分自身だけでなく、相手のことも思い知ることができるからだ。育児も似たところがあるとは思う。でも、この夫婦旅の経験から相手のことに関して想定外なことは無いという安心感がある。それは、バックパッカーという旅を共にしたからだと思う。

1人旅で自分自身を受けて入れてあげることが一番の収穫だったように、夫婦旅は夫婦としての自分と相手をそのまま受け入れ、認めてあげることができたんじゃないかと思う。

人生を共にしていると様々な局面があって、一つ一つの経験が夫婦の形を作っていくように、この旅に出たことで育児に追われているこの数年間も「いつかまた2人でどこかへ」という共通の認識があるからこそ、踏ん張れている毎日であると思っている。

それぞれの夫婦が夫婦であるために必要なことは、それぞれだ。

私たちには間違いなくこの4か月間の夫婦旅が必要だった。子どもが巣立ってから始まる夫婦の人生を楽しみに今は目の前の息子たちの成長を大切に噛みしめながら過ごそうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?