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相手を想って言葉を選ぶ - 『モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』 ひきたあきよし

毎月、文章力アップを目指した学習をして、その内容を紹介しています。
今月のテーマは「言語化」。
文章を書いていると、いまいちシックリくる文章が浮かばないな〜と、頭を悩ますことが多々あります。
どのようにすれば適切な言葉が浮かんで来るだろう?そんな思いから、博報堂出身の名スピーチライターが綴る『「言語化」講座』を訪ねてみました。
以下に、その「言語化の心構え」、要点を記します。


言語化力の基本の「き」 ー 「思い」を「言葉」にする基礎力強化

  • インターネットや広告など、私たちの身の回りに言葉ー情報は増えた。しかし便利になった分、スタンプや略語など、私たちの言語化力は退化している。

  • 言語化力とは自分の感情をただ吐き出せることではない。相手に合わせて言葉を選び、相手に「思い」が通じること。

  • 思いが100%通じることはない。完璧主義を捨てて、「これさえ伝わればいい」を明確にする。


  • 言語化力を高める一因に、語彙を増やすことがある。次のテクニックがある。

    • ものの名称を具体的に・正確に書く。指示代名詞はNG

      • 例)

        • 花→金木犀

        • 味噌汁をのんだ→ワカメとエノキのお味噌汁をのんだ

        • ラフな服装→ベージュのチノパンに白のスニーカー。GUの少しオーバーサイズなパーカー

    • なんでも表せる便利言葉に頼らない(やばい, すごい, アレなど)。

      • 使ってしまったときは、その後に説明を付け足し、自分の感情を見直してみる。やばい!+なぜなら…で、理由を言語化・具体化する癖づけを。

    • 本を読んで、気に入った語彙やフレーズは、Google Keepなどですぐにメモ。そして、自分でも実際に使ってみると身になる。

    • 毎日ノートに、自分の脳裏に浮かんだ言葉を書き出してみる。まずはラフに、話し言葉で書き綴る。その後、想像の話し相手を召喚して対話する。自分の考えを深掘りしていく。

    • よく使う言葉は、「言い換え」と「すり替え」をノートに書き出し、表現の幅を広げてみる。

      • 例)「好き」の場合

        • 言い換え→愛している。推しです。お気に入り。目がない。相思相愛。眠れない。

        • すり替え→好きといえば、ぬいぐるみ、我が子、ファンクラブ、プレゼント

相手に伝わる「言語化力」 ー 「話す」ではなく「聞いてもらう」

  • 言葉は伝われなけれは意味がない。「相手」を意識することで、より正しく、より鮮明に。相手に伝わる言語化力を養っていける。

    • 伝える相手の頭の中のスクリーンに、色鮮やかに動画を描くイメージ。

      • 相手の知識や興味のレベルに合わせて情報量を変えていく。まずは相手を知ることから。

      • 自分の話は相手へのお土産。「いい話だから伝えたい」という気持ちの高まりがあってこそ、正確に伝えようとする意識が生まれる。相手へのお土産にできることを探す。

      • 抽象的な修飾語(やばい, すごい, 忙しい)ではなく、具体的に伝える。数字を示すのも一つの手段。

    • 相手の考えていること(メンタルモデル)を想像して話を作る

      • 相手の使う単語を会話から拾い、それをそのまま使うと理解されやすい。

      • 長く喋りすぎない。15秒以内(3〜5フレーズ)で区切る(ここまでいいでしょうか?)。途中で質問を交えたりして、確認を取る。

      • キーワードは3つに絞る。目標を定めなければ、正しいアウトプットは生まれない。

言語化力とは表現力 ー 相手が身を乗り出して聞きたくなるコツ

  • 常に聴き手を話の中心に添える。

    • 相手が自分事化してもらえるように、相手が共感できる日常的な話題から話す。

    • 話し手の立場と別の意見も登場させる。すると信頼性が高まる。

    • ただし、曖昧な一文で終わらせずに、自分の立場ははっきり言い切る。

    • 魂を揺さぶる決め台詞を持つ

      • 例)

        • リーダーとは、希望を配る人のことだ。

        • 平和は、微笑みから始まります。

      • 具体的なことから抽象的なことへ話を展開させていく。決め台詞は抽象度がゲキ高いので、〆に向いている。

  • 聞きやすい話し方

    • スピーチの初めはドレミの「ラ」で。

    • 句点「。」では息を吸う。読点「、」では少し間をあける。

    • フィラー(あのーとかえーとか)を防ぐために、話初めは口をとじる。

      • 唾をのみこんでから「それでは」などと開始する。

  • 自分のためでなく、誰かのための言葉を磨く。それこそが言語力

    • 自分に素直に、相手に思いやりを。

    • 相手の良い面を言葉にする。


まとめ

わりとコンパクトな書籍でしたが、「言語化力」を上げるために必要なことの、基礎であり基本であることが詰まっていると感じました。
自分なりに要約すると、「言語化力」とは次のことを考える力を持つことです。

  1. 「言語化力」とは、相手に意図が伝えられる言葉選びができる力のこと

  2. 相手に意図が伝わるためには、伝えたいことの明確化と、相手のことを思う心がまず必要

  3. 言葉選びを巧みにするには、言葉の使い方を意図的に増やしていく、地道な積み重ね作業をする必要がある

目標なく、「言語化力を上げたいな〜」と思ったところで、具体的なアウトプットは出てこない。「これを伝えたい!」という懸命な思いがあってこそ、言語化力は磨かれるのだよと、諭された気分です。

相手に伝えたいことを絞る。
文章を書く上での第一原則を守ることから意識し直し、自分の言語化力を上げていこうと思いました。

読みやすい内容でしたので、気になった方はぜひご自身でも一読くださいませ。



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最後までご覧いただきありがとうございました!
文章術は極めればコミュニケーション論になるし、コミュニケーションを極めると倫理に至るなと感じる今日この頃。文は貫道の器なりです。

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