「身体」は私のもの

#ジェンダー #セクシュアリティ #アイデンティティ #タトゥー


デンマークに来て、もうすぐ1ヶ月。少し落ち着いてきたので、考えたことを少し書き連ねてみます。



私の通うKrogerup Folk High School は、コペンハーゲンから小一時間の静かな港町にある。現地学生が約100名、留学生は13名、ギャップイヤーを利用する20歳前後の学生が多く通っている。

現地学生とともに寮で暮らしていると、驚くことがたくさんある。その中でも「身体」に関わる考え方が日本と全く違うなぁ…と考えさせられた。


ある日、winter dip(寒い冬の海に浸かる!)に行った時のこと。いざ極寒の海に飛び込むぞ…!という時、みんながおもむろに服を脱ぎ出した。しかも下着まで!真っ裸の人もいる!その時は男女混合だったのだけど、誰も気にする様子もない。真冬の海の冷たさよりも、衝撃的な光景だった。


また別の話ではあるが、全校生徒が一緒に暮らす寮は、同室こそ同性であるけれど、フロアは男女混合。さらに、学校内のいくつかのトイレ兼シャワーはユニセックス(男女兼用)になっている。どういうことかというと、「シャワー浴びたら裸の異性がこんにちは」パターンがありえるということ。ひぇえ。これに関しては学校内で議論が起こっているが、大半の生徒は気にしていない様子みたい。


このデンマーク流「裸の付き合い」が示唆すること、それは…


相手に「性的なまなざし」を向けない信頼関係がある


ということかな、って思う。


とりわけ日本では、異性に対して裸を見せることがタブーとされている。露出の高い服を渋る人もいるし、ちゃんと服を着ているのに電車の中では痴漢が多発している。

そんな日本の状況からは考えられないけど、裸でいること・露出することに抵抗のないデンマークの空気は、とっても美味しい。

これ、考えてみれば当たり前のことなんだよね。私の身体は、誰に搾取されるでも、誰に消費されるでもなく、私自身のもの。このルールが当たり前に共有されているだけなんだな、って気づいた。


自分の身体の所有、という点で言えば、こっちでは自己表現として鼻ピアスやタトゥーをしている人が多い気がする。街のあちこちにタトゥーショップがあって、そこで簡単にできるみたい。

タトゥーに関しても、日本では「温泉入れなくなるよ」「就職できないって聞くからやめなよ」って、周りがとやかく言うじゃん。でも、それはおかしいんじゃないかな。誰かがなりたい自分になるのを妨げること、他人が身体をジャッジすること、それが本当にその人のためなのか。


私の身体は、私のもの。


自分が裸で海に入るか、タトゥーやピアスをするかしないかは、人それぞれだと思う。でも私は、デンマークの若者たちのように、「性的なまなざし」の恐怖や謎のステレオタイプから解放されて、のびのび暮らす方が楽で好きだな〜と思いました。今日はこれにて。

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