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新人看護師、辞めて気づいた。

今年からがん専門病院で看護師をしておりましたが、辞めました。
正確には今月末に退職します。

世の中って怖いですね。
間違ったことを平気でやっちゃう、言っちゃう、教えちゃう看護師でも生き残れるけど、私からすると殺伐としていて陰湿で陰口も怖くて忙しくて耐えられなかった病棟。
第二新卒への風当たりは強く、自信を削ぎに削いでくる転職エージェントたち。紹介される転職先は辺境の地か、あるいは激安激務、Googleマップの評価は★1「この病院に殺されました」の口コミ。

辛くてやめたらもっと辛くなるとは。なんだか旅に出たくなったし、海外に逃げたい、山に登ったりすごく遠くに行きたい気持ちで今、書いています。

そういえば高校生の頃、新しくできるヨガ教室の受付のバイトを始めようとしたのですが、そこの店長にセクハラされました。結局働かずして辞退したのですが、実はその店長の本業は訪問看護師で、進学した看護学校で外部講師として現れて非常に驚きました。やがて学校とも揉めたらしく、突然学校からは消え去り、といっても近所の訪問看護ステーションを経営して新たなサ高住まで設立して元気にしてるんだな…と思いながら卒業しました。
時は流れ看護師として働いていると、友人から「強制わいせつで逮捕」と顔写真付きの地方紙の写真が送られてきたのですが、もはや驚きもしませんでした。
しかし、その訪問看護ステーション(兼ヨガスタジオのスタッフもやらされる予定だったのか、ヨガスタジオのグループラインにいた)看護師の女性から最近突如連絡が来まして、「○○さんの逮捕の件聞いてる?その件と、仕事のお話で連絡したんだけど時間あるかな?」とのこと。既に退職予定だったので、つい訪問看護師のお誘いだったりして…なんて期待して電話に応じました。どうやら例の逮捕された訪問看護師は罪を認めていて、間もなく判決が出るのだとか。また、被害を受けた人の話を警察が聞きたいとのこと(私は直接触られたわけではないので話さなかった)。ところがどっこいこれらの話は全て前置きで、テレアポ用語でいうならフロントトーク……本題は保険の勧誘だったのでした。彼女は現在外資系の保険会社に転職しており、少し説明聞いてみないかと…。
ああ、仲良くもない人からの突然の連絡って、本当にこんなのばっかりなんだなと存外ダメージを食らいました。ネットでよく見る、卒業以来の友達から連絡が来て喜んでたら、ア○ウェイの勧誘だったとか、そういう類の切ないやつだなと。
大人になったら楽しいことがあるって聞いていたのですが、どうやら恐ろしいこともぐっと増えるようです。

さて、そんな私はこの先何をするのかという話です。
正直本気で迷子になっています。
看護師免許って実はただの紙切れで、潜在看護師60万人いるけど彼女らを現場に戻してくれないのは病院や社会なのだなと辞めてみて気づきました。
「働いてください!(実力、経験年数のある看護師に限る)」が山のようにあります。経験あっても看護師をしたくないから潜在になってる人も勿論いるけれど、ブランクありの看護師や経験の浅いペーパー看護師を雇って面倒見てくれる病院や企業がそもそもないし、将来有望な新人でさえほっとかれたりするのに余裕があるわけがないのです。なるほどなあ。
この常に綱渡りみたいにギリギリで回してる看護師業界に、今後も居続けるのは辛いなと思います。甘ったれていると思いますが、それでも、地獄を抜けだして手にした免許と輝く未来!と思った場所もまた地獄だった現実に耐え続けることができませんでした。
いろいろ考えて、大卒だったらなあと後悔しました。
看護師になる皆さん、専門学校は3年間、大学は4年間で卒業、スタートの賃金は大卒の方がほんの少し高いけど生涯年収は大差ないと考えている人はいませんか。私がそうでした。それ以上のことを教えてくれる人はいなかったので、気づけませんでした。
本当に一生看護師をしますか?病棟の看護師以外の道に進む可能性はゼロですか?自信をもって答えた人も、ちょっと待ってほしいのです。確かに一生同じ病棟で生きていくならその計算は合っているのです。大差ありません。しかし、看護師のキャリアアップってその場で年数を重ねたり師長になることだけじゃないのです。看護師から企業へ、訪問看護へ、治験業界へ、いろいろな道があるのです。そのときに切符になるのは看護師免許と経験年数と最終学歴大卒以上だったりします。看護師が嫌になって辞める時も、専門卒はほぼ高卒ですから、世の中は厳しいのです。悪いことは言いません、これから進学する皆さんはぜひ大学に行き、学士と免許をもって羽ばたかれることをお勧めします。
助言はひとまず。私には今から大学に通うお金もないもので、やりたい仕事ももうわからなくなってしまいました。それで、少し文章を書いたり外に出たりしてみようと思っています。本当のところ、心の中は鬱々としているけれど、皆さんの目に触れるこの場ではせめて明るい言葉を残したいなと思いながら書いています。今日は暗い話が多くてすみません。

「それってあなたの感想ですよね?」で有名な彼がこんなことを言っていた気がします、「人生は死ぬまでの暇つぶし」。
私ももうちょっと楽観的に暇つぶししたいなあと思いました。
中学の頃、大好きだった校長先生がいます。
お話上手で面白い人で、もともとプータローしていたそうです。
プータロー中にあるとき思い立って海外を旅して、死にかけたり強請られたり、いろいろひどい目にあったそうですが、帰国してから学校の先生になった面白い経歴の人でした。一時ニートをしていても立派になる人もいる。自分はこの先どうなるんだろう。

ここ数年、大好きだった読書からはすっかり遠ざかってしまいましたが、最近また読み始めています。
仕事中や休職してすぐの頃は読もうと思ってもなかなか読み進められませんでした。しかし、少しずつ読んでいくと引き込まれて読み続けてしまう感覚を取り戻し、感受性が蘇りました。それまでは心が死んでたんだと思います。そして、やっぱり文章や物語は、言葉は、好きだなあと思います。ここいらでもう一度、自分の好きなことと向き合ってみます。
それから、読んでくれるあなたと、いつか読み返す自分に向けて、ここでノートを書いていこうと思います。


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