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【新聞連載第10回】VUCA 時代を生きる

みなさんは、VUCA=ブーカという言葉を聞いたことはありますでしょうか。これは Volatility=変動、Uncertainty=不確実、Complexity=複雑、Ambiguity=曖昧という英単語の頭文字を繋げた言葉です。

元来は1990年代にアメリカの軍事領域において用いられてきた言葉で、一言でいうと「予測不能な状態」を意味します。昨今は、社会だけでなく企業組織や個人のキャリアなど、ありとあらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあります。

毎年世界を代表する政治家や実業家が一堂に会し、世界経済や環境問題など幅広いテーマで討議するダボス会議でもこの単語が頻出し、「VUCA時代」等、現代の社会や経済の変化の時代を表す言葉として使われるようになりました。

なぜ今回はこのVUCAという単語の説明からしているかというと、VUCA時代を象徴する仕事を作る立場として、パネルディスカッションに登壇したことが理由です。高校や大学で講師を務めることもそうですが、誰かの前でお話しする立場でお声がかけいただく機会が増えてきています。

毎度、まさか私のような若者にそのような声がかけがあるものか、と思いもよらない活動の広がりに驚いています。その上、時代の象徴のような立場で自分の人生を語る仕事をすることになるなど、想像していませんでした。

一昔前であれば、子どもであるとはいえ国民の義務である教育を自分都合で受けられず、アメリカで学び、ベトナムで仕事に就いた後に転職を機に日本に帰国したという私の生き方はアブノーマルで受け入れられなかった上、リスナーが聞きたいと思うような対象ではなかったかもしれません。

生まれる前の時代は、人生の先輩方から経験を聞き、歴史を見ることでしか知ることができませんが、当たり前が時代によって変わっていることは言わずと知れたことかもしれません。

そう考えた時に、私のように、一昔前は多くの人が辿らなかったであろう人生を多くの後輩たちが経験して当たり前になる時代が来るのかもしれない、という思いがあります。

果たして私はその次の時代のために、何をできるのか。

一つは、未来を生きる後輩たちを、個々の人生を全うする仕事ができる人材に成長する教育の機会をつくっていくことです。そのために、彼らと社会との距離感を埋めることは必須だと考えています。

二つ目は、後輩たちが将来活躍できる環境を育てていくことです。ただでさえこの少子高齢化で一人一人の生産性をより濃く重視していく新しい時代を見据えて、経営者の皆さんと協力して土台作りを進めていきたいと考えています。

数字や知識をよりスピーディに正確に捉えて社会や個人に還元していくという役割は、AIが担っていく時代がもう始まっています。

経済や人種、文化が複雑に絡み合い、絶えずイノベーションを必要としているこのVUCA時代を生きる現代人、それが私たちです。次の時代を見据えて、様々な人と役割分担をしながら今をつくっていきたいという思いで、今後も活動を作っていきます

(2019年2月27日 東海愛知新聞掲載)

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