憧れにはほど遠く
女の子のファッションがよく分からない。もっと厳密に言えば、ファッションアイテムの名称が全く分からない。
勉強しようと雑誌を買いに行っても表紙はごみごみとしていて要点がてんで掴めないし、誌面もまあ似たようなもんで。そんななかで毎月新しいアイテムを羅列されても、私の脳みそは完全にキャパオーバーとなってしまう。
もともとのセンスのなさも相まって、私のファッションの知識は致命的である。身長は低く、身体のバランスもあまりよろしくないということもあり、自分に何が似合うのかがいまいちわかっていない。ベージュなんかの大人しい色よりも、赤とかの派手な色のほうが好きだということはハッキリしているが。
センス無し、スタイル悪し、もはや諦めの境地に立つしかない。しかし、そんな私でも、やっぱりそれなりにオシャレにはなりたいと思う。今の世の中は、オシャレになりたい無力な人間にはあまり優しくない気がするのは私だけだろうか。
まず、コロコロと名称が変わるのが問題だと思うのだ。10年前はジーパンでよかったのに、今ショップでそんな単語を言おうものなら
「デニムですねー」
なんて、柔らかく訂正をされる。
フリンジなんて、初めて見た時はただの糸くずが連なったもの、かと思った。見慣れた今でも、それは変わらず。初めて見た時に、このチリチリが~なんて言ったら、あはっと明るい声で店員さんに笑われたのはいい思い出である。
最近はやりのファーだって、偽物はフェイクファーとか言ったりするらしい。ファーという名称が出てこなくて、「毛」と言ったら同行していた後輩が「ファーですね」と教えてくれた。私の周りには優しい人で溢れているのだ。
そもそも、こんな謎の流行を作り出しているのは一体誰なのだ。それに、なぜジーパンはデニムなのに、ジージャンは変わらずジージャンなのか。デニムジャケットとかに変えるべきなんでないの?いや、形的にはジャンパーだから正しいのか。
1つ疑問が生まれれば、そこからどんどんと謎が浮かび上がってくる。あと、「MA-1」は結構本気で読み方が分からない。だれか教えてくれ。
若い子の雑誌を読んでも、半分くらい理解できないから結局は金の無駄というところに着地してしまう。そう考えると、色々と理解したうえで同じような格好をしている女子大生ってすごいなぁ~と尊敬の念を抱かずにいられない。そっと彼女たちの話に耳をすませると、よく分からない単語が飛び交っているけれど、やっぱりそれなりに皆と話をするためにしっかりと勉強しているんだろうな。8割がたが似たような恰好だから、スタイルの落差が浮き彫りになる気がするんだけれど。その辺は触れないでおこう。
さて、問題の私のファッションだが、好きなのはイギリスはロンドンやフランスはパリの普段着といったところだろうか。
海外スナップなんかを見るのが好きで、明日の洋服が決まらない!なんて時には海外セレブのトレンドを漁る。だって、見ていると可愛くてワクワクするのだもの。母親のお古だったり、ボーイフレンドのヴィンテージTシャツだったり。こだわりのものをシンプルに好きなように組み合わせているのを見ると、バカの一つ覚えのように「かわいい」を連呼してしまう。だって、素敵なんだもの!語彙力の貧困なんて言わないでほしい。自覚しているだけにつらいのだ。
アホみたいに新しい流行が生まれているなかで、これからどんどん新しく覚えていくのはもはや諦めた。センスがないのと知識がないのとでは全く別物なのだ。
目指すところはパリジェンヌに、ロンドンガール。
とりあえず、自分のスタイルを確立させていくところからスタートせねばなるまい。
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