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みしか
2018年11月16日 19:10
彼は早起きだった。私よりも1本速い電車に乗るはずの彼は、私が家を出る1時間前に駅へと向かう。駅前の喫茶店で朝刊を読むのが好きだった。 彼は、私の見送りは必要としなかったし、私に朝食を作ることを強要することもなかった。穏やかで、笑うことは少なかったけれど、激昂するということもなかった。 だからだろうか、終わりもあっさりとしていた。『もう終わりにしよう』 落ち着いた彼の声を、私は拒否